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心霊現象の舞台裏

☆霊界の技術者たち

物理的心霊現象は従来の物理的法則では解釈のつかない現象を、あくまで科学的手段によって実在性を立証するという目的を持ったものであり、その方法は当時の人たちの受容性に見合った形をとることになる。物理的心霊現象を霊界側から見れば、「霊は進化するほど物的エネルギーが扱えなくなり、精神的感応力に訴えて知的な指導と指揮にあたることになる」ので、現象の演出に携わる霊はいまだ物質に影響力を行使できる程度の霊的レベルが低い霊である(近藤千雄訳『インペレーターの霊訓』潮文社160頁参照)。

 

それらの霊が高級霊の監督のもとで、霊界側の技術者となって実験会で物理現象を演出することになる。実験会では最初にエネルギーを蓄えることから始まる。霊媒や出席者から少しずつ供給してもらったエネルギーと、霊界側で用意したエネルギーとを支配霊が一つにまとめて、実験に必要なエネルギーとして蓄える(近藤千雄訳『シルバーバーチの霊訓7巻』94頁参照)。そのエネルギーを使って物理現象を惹き起こすわけである。

多くのエネルギーを必要とする物質化現象では、霊媒や出席者だけでなく、実験室内に置かれたカーテン、カーペット、書物、家具等からもエネルギー源として利用する。また物質化霊の衣装に色を付けるために部屋中の素材から色素だけを抽出することもある(『シルバーバーチの霊訓―道しるべ』スピリチュアリズム普及会、95頁参照)。

 

シルバーバーチの交霊会に参加した霊媒のリリアン・ベイリー女史(Lilian Bailey)は、霊視で交霊会の舞台裏で働く“霊界の技術者”たちの姿を実況してみせた。「このボリュームあふれるエネルギー、迫りくるパワーは物質化現象に使われるものですね」「何人かのスピリットがそのエネルギーを部屋の中央へ運んで一つの固まりをこしらえているようです」「私が見たところでは大きな柱のようですね。白い柱です。コチコチに固いものではありません。そこから何本かの紐状のものが伸びて、メンバーの一人一人とつながろうとしています。各メンバーから何かを摂取しようとしているみたいです」(近藤千雄訳『シルバーバーチの霊訓4巻』181頁)。

 

☆参加者

実験会の参加者は単なる見学者ではなく、物理的実験に必要なエネルギーを供給する役割を果たしている。一般に心霊研究者や懐疑論者は霊媒(超能力者)の不正行為の介在の有無について、つねに強い疑惑の目を向けている。そのため実験に不正行為が介在しないようにとあらゆるケースを想定して、厳格に管理された条件下で行おうとする。当然に心霊現象(超常現象)の出現が弱く小さくなる(→なぜなら物理的実験に必要なエネルギーの供給を無意識的に拒絶するから)。このように参加者の思念や特別な先入観などは、心霊現象に大きく影響を及ぼすことになる。

また霊界にいる低級霊の妨害も考慮しなければならない。学術的な研究目的ではなく、単なる懐疑論者の集まりの実験会では、支配霊はエネルギー不足から実験会場を霊的にガードする“柵(結界)”が構築できず、低級霊のなすがままにされてしまう場合もある。実験会のメンバーの間に意見の衝突があって雰囲気が乱れている時も、低級霊の介入を許すスキを与えてしまうことになる(『シルバーバーチの霊訓―地上人類への最高の福音』236頁参照)。

 

☆エクトプラズム

さまざまな物理的現象に関係し、物質化現象の材料となるものとしてエクトプラズムがある。この名称を初めて用いたのはフランスの生理学者(パリ大学医学部教授、1913年ノーベル賞受賞)シャルル・リシェ(Charles Richet1850年→1935年)である。

エクトプラズムは霊媒から抽出されるため、霊媒の霊的レベルはエクトプラズムの質に反映する。霊媒の霊的レベルが高いほどエクトプラズムの質は高くなり、霊的程度が低いほどエクトプラズムの質は落ちるという具合に、両者の間には相互関係がある(近藤千雄訳『シルバーバーチの霊訓1巻』90頁、近藤千雄訳『シルバーバーチのスピリチュアル・メッセージ』ハート出版84頁参照)。そのため霊媒は霊的レベルの向上を心がけた生活を送れば、人間性が向上して同時にエクトプラズムの質まで向上することになる。

 

 

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