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「Higher Spiritualism」関連書籍

◆この項目の概要

昭和57年(1982年)以降始まった「発展期の第二期」は、「質の高い高等なスピリチュアリズム(Higher Spiritualism)」関連書籍の相次ぐ刊行という形をとって始まった。一般にアラン・カルデック編纂の『霊の書』『霊媒の書』とモーゼスの『霊訓』、さらに『シルバーバーチの霊訓』は、「質の高い高等なスピリチュアリズム(Higher Spiritualism)」の代表的な書籍であると言われている。これらの書籍にはある共通した事柄が存在している。

以下においてこれらに共通した特徴点を個別に検証してみることにする。なお「シルバーバーチ」の表記については「シルバーバーチ」と「シルバー・バーチ」という二種類があるが、本稿ではすべて「シルバーバーチ」で統一した。

 

ア)アラン・カルデックの場合

☆霊界側から選ばれたカルデック

交霊会に参加したカルデックは霊側から「若い二人の霊媒を通して通信している普通の霊よりも遥かに高級な霊が、明らかに君のために来訪したのである。重大な宗教的使命を君が果たすためにこれからも来訪し続けるであろう」(注1)と告げられている。そしてスピリチュアリズムにおけるカルデックの役割は「最初の礎石を置くことが、あなたの使命です」(注2)と明かされた。

 

カルデックは多くの交霊会に出席し、入手した記録を整理して、項目ごとに抜粋し『霊の書』と『霊媒の書』を編纂して出版した。この『霊の書』と『霊媒の書』を編纂するという仕事は、カルデックと霊団側の役割分担のもとで行われたものであった。なぜならカルデックに対して“名前の使い分け”を行うことと、書名である『霊の書』を指示したことからも、前もって霊団側で出版を前提に準備していたとことが窺えるからである。

 

書名と名前に付いては「君がわれわれの教えを具体化する本は、君個人の著書というよりはわれわれの著書であるから『心霊の書(Le Livre des Espirits:日本語表記は原文のまま)』という書名をつけなさい。そして君の名ではなく、“アラン・カルデク(Allan Kardec:日本語表記は原文のまま)”というペンネームを用いて出版しなさい。リヴァーユという君自身の本名は、これまで出版された本のために用いなさい。しかし、今与えたカルデクという名は、われわれの命令によってこれから出版される本のために、そして一般に、君の使命を果たさねばならないすべての著書のためにとっておきなさい。君の使命は、われわれがすでに教えたように、神によって君に打ち明けられ、われわれの指導の下に君が次第に進歩し向上して行くにつれて、君の前にだんだんと明らかになってくるはずである」(注3)と。この一文からも霊界主導で準備されて出版されたことが分かる。

 

校正作業については「本書の校正は、内容そのものに係わった霊、いわゆる通信霊みずからが行った。全体の構成についても、かなりの部分に彼らの思う通りの修正を加え、彼ら自身が述べた意見の一つ一つについても確認作業を行っている」(注4)と。このように原稿段階で霊側は『霊の書』と『霊媒の書』の校正作業を霊界主導で行っていた。

 

通信霊の霊格に関しては、「普通の霊よりも遥かに高級な霊」という表現があるのみで、直接このことに言及した箇所は見当たらない。しかし『霊の書』や『霊媒の書』の内容から判断して、霊格が極めて高いレベルの霊であることは推測できる。

 

☆使命と自由意志との関係

カルデックは霊界側から選ばれた者として、このように「最初の礎石」を置いて地上に「霊的橋頭堡」を築くことができた。しかし霊界側から選ばれたとはいえ、カルデックは個別霊たる人間として自由意志を持っているので、当然に“使命と自由意志との関係”が問題となってくる。

ケースによってはカルデックの自由意志の行使により使命に反した行為が行われて、霊界の計画が一時的に頓挫する可能性も当然にあった。カルデックは霊団から「成功も、失敗も、あなたの心がけ一つにかかっているということを忘れないでください。もしあなたが失敗した場合には、また別の人が選ばれるでしょう。というのも、神の計画は、一人の人間の失敗に左右されるようなものではないからです」(注5)と述べられている。この文章からも、霊団はカルデックの自由意志を無視してまでも、使命を押し付けることはできないということが分かる。同様なことはモーゼスやバーバネルの場合にもあてはまる。

 

イ)モーゼスの場合

☆モーゼスの役割

キリスト教神学に果敢に挑んで楔を打ち込んだ高級霊インペレーターと霊媒モーゼスの関係はどうか。インペレーターは「(モーゼスの)指導霊として、また守護霊として」(注6)モーゼスのほぼ全生涯を共に歩んできたという。その理由は「貴殿がそうした指導者のメッセージを受け入れ、それを広く人類一般に伝えてくれること、ひとえにそれを目標としてのこと」であると述べている(注7)。

このようなことから推測するに、モーゼスは出生するに当たり、霊界に於いてインペレーターと十分な打ち合わせをしたうえで地上に生を享けたこと(→地上に出生することによってこの打ち合わせの記憶はモーゼスの潜在意識の奥深くに仕舞い込まれた)。そして国教会の牧師となってキリスト教神学を学び、それを固着観念として定着させて、インペレーターにとって手ごわい“相方(たたき台)”として成長したこと。このような準備を整えた上で、両者の論争という手法(→インペレーターは霊的真理を述べる立場に立ち、モーゼスはキリスト教を代表する立場に立った)を通して、キリスト教神学の問題点を浮かび上がらせることができた。

 

☆モーゼスの自由意志

モーゼスは徹底した証拠にこだわって頑なに懐疑的な態度を崩さなかった。このような状況に対して、インペレーターは霊的真理を普及する見地から、モーゼスにいずれの道を選ぶのかの二者択一を迫り(=自由意志の行使)、失敗すれば「われらは再び神の命令を仰ぎ、われらに託された使命達成のために新たなる手段を見出さねばならぬ」(注8)と述べて、霊団の総引き揚げ一歩手前のギリギリの瀬戸際状態(注9)にまで至っている。

両者は霊界で綿密な打ち合わせをした上で、インペレーターは霊界側からモーゼスは地上側という具合に顕幽に分かれたが、モーゼスは肉体をまとうことによって事前の打ち合わせの記憶は奥深くしまいこまれた(→このことは『霊訓、21節』の記述からも窺える)。

 

☆霊側の校正

モーゼスの『霊訓』の場合にも、アラン・カルデックの『霊の書』や『霊媒の書』と同様に霊側の校正が入っていることが分かる。この点についてモーゼスは「本書に紹介したものは、初めて雑誌に発表した時と同じ方法で校正が施してある。最初は心霊誌『Spiritualist』に連載され、その時は筆記した霊側が校正した。もっとも内容の本質が変えられたところはない」(注10)と述べている。

霊側からの通信も毎回不意に衝動が来て始まったという。モーゼスは朝の礼拝時にしばしば「突如として一種の衝動を覚える」、その衝動により机に向かって書く用意をしていると自動書記通信は始まる(注11)。

このように通信は常に「霊団→モーゼス」という流れであり、「モーゼス→霊団」という流れでモーゼス側から要求して始まったことは一度もなかったという。ここからもモーゼスの『霊訓』は、常に霊主導で地上に降ろされたものであることが分かる。

 

ウ)バーバネルの場合

☆霊界の出生リスト表からの選抜

60年の長きに渡って「霊的摂理に則った生き方」を説いた高級霊シルバーバーチと霊媒バーバネルの関係はどうか。

シルバーバーチは本来の所属界において「神庁」からお呼びがかかり、「物質界に戻って霊的真理の普及に一役買ってくれないかとの懇請を受けた」。その懇請を受けたシルバーバーチは最初に「霊界にある記録簿を調べあげた上で、適当な人物を霊媒として選び出した」(注12)。この段階ではまだバーバネルが母胎に宿る前のことなので、いわば“霊界の出生リスト表”から選んだことになる。

その際にシルバーバーチは“バーバネル”という個別霊(=インディビジュアリティ)の霊的レベルと併せて、選抜の判断材料として「今度生まれたらスピリチュアリズムの普及に生涯を捧げると約束した」(注13)という決意に注目したのではないかと思われる。その後シルバーバーチは“バーバネル”の地上的人格(=パーソナリティ)が母胎に宿る瞬間を注意深く見守り、宿った瞬間から影響力を行使した。このような霊的背景を持ったバーバネルはシルバーバーチの専属霊媒となった。

 

☆バーバネルの自由意志

バーバネルの場合は「始めのうち私は入神状態にあまり好感を抱かなかった」(注14)という。またハンネン・スワッハーの助言にもかかわらず1932年創刊の心霊新聞『サイキック・ニューズ』に霊訓を公表することを拒み続けていたが、1935年(?)にバーバネルが霊媒であることを内密にするという条件のもとで、シルバーバーチの霊訓が掲載されるようになった(注15)。

このようにバーバネルがスワッハーの助言に抵抗し続けた期間は、シルバーバーチの「(シルバーバーチと霊界の霊媒であるインディアン霊、さらに地上の霊媒であるバーバネルの三者のオーラの融合が)うまく行くようになるまで15年もかかりました」(注16)との発言から考えると、「純粋なスピリチュアリズム」を地上に下ろすための準備期間であったことが分かる。ここからシルバーバーチはバーバネルの抵抗を事前に予想していたことになる。

交霊会の霊言は『サイキック・ニューズ』や『ツー・ワールズ』に発表されて、最初の霊言集が1938年に『シルバーバーチの教え』として編纂されて出版された。

バーバネルやスワッファーも述べているように、シルバーバーチの霊言は句読点を書き込むほかは非の打ちどころのないものであり、あたかも出版を前提とした文章であったという(注17)。

 

☆霊的波長の調整

霊的波長の調整に関しては次のような記述がある。

シルバーバーチは「私のほうはバイブレーションを下げ、霊媒のほうはバイブレーションを高めています。それがうまくいくようになるまで15年もかかりました」(注18)。この言葉の意味を考えてみると、物的要素が全くない高級霊のシルバーバーチのバイブレーションの下限と、地上の霊媒バーバネルのバイブレーションの上限との間の開きがあまりに大きくて、両者の波長が全く合わないため、両者の間に「霊界の霊媒」として「インディアン霊」を入れる必要があった(注19)。

霊界の霊媒の「インディアン霊」はまだ物質性を残しているので、バーバネルとの間で波長を同調させることができるし、高級霊のシルバーバーチの間でも霊的波長を同調させることができる。このようにして高級霊の高い波長と、地上の霊媒バーバネルの波長、そして両者を取り持つ霊界の霊媒の「インディアン霊」の波長、この三者が調整を繰り返しながら完全に融合できるまで15年かかった。このことがシルバーバーチの上記の言葉となったと思われる。

 

☆霊媒現象の舞台裏

霊媒現象の舞台裏を推測すると、次のような形態をとって行われたと思われる。

シルバーバーチは霊界の霊媒たるインディアン霊に、通信内容を霊界の共通言語である思念(シンボル)で送る。インディアン霊は受信した思念を地上の言語に変換するために、バーバネルの潜在意識を支配(“言語活動”を司る機能)して、バーバネルの“記憶の層”にある単語や概念を使って一つの英文を組み立てる。その際に使用する単語や概念はバーバネルのものなので、当然に“色付き”である。この“色付き”問題を回避するため、インディアン霊は自身のオーラとバーバネルのオーラとの完全な同調を図って、潜在意識の影響を最小限に食い止めることになる。このようにして作成した通信文を、バーバネルの発声器官を使って地上に送り出す。シルバーバーチとインディアン霊は“霊”対“霊”なのでオーラの同調は比較的容易である。しかしインディアン霊とバーバネルは“霊”対“肉体”のため同調は困難を極める。ここに霊界通信の困難さがある。

 

もう一つの方法としては、インディアン霊はシルバーバーチから受け取った思念の波動を下げて(一種のコンデンサーの役割)、バーバネルの潜在意識を支配する。インディアン霊はシルバーバーチから受け取ったシンボルという思念を、バーバネルの「柔らかいロウ」のような潜在意識に押し当てる。その押し当てた“型”に当てはまる用語や概念を、バーバネルの潜在意識が“記憶の層”から自ら選び出してきて英文を作成する(→あたかもバーバネルの潜在意識が自動翻訳機的な働き方をして文章を作成する)。このようにして現代語に変換された文章を、バーバネルの発声器官(喉、口など)を使って述べる(注20)。

 

霊界通信の判断基準のポイントは、「通信内容の質の高さ」と「霊媒の潜在意識に付着している“色”をどれだけ排除できたか」にある。一般に霊界通信は、霊媒の潜在意識にある単語や概念、さらには霊媒の発声器官を使用するため、多かれ少なかれ霊媒の潜在意識に脚色されてしまうものである。シルバーバーチは「回を追うごとにコントロールがうまくなり、ごらんの通りになりました。今ではこの霊媒の潜在意識にあるものを完全に支配して、私自身の考えを100パーセント述べることができます」(注21)と述べている。これは高級霊のシルバーバーチ、霊界の霊媒であるインディアン霊、地上の霊媒であるバーバネル、この三者のオーラの同調が回を追うごとに完璧になって、バーバネルの潜在意識を完全に支配することができた(→これは霊媒の潜在意識による脚色の問題を克服することが出来たことを意味する)。そしてシルバーバーチが用意した通信内容を交霊会において100パーセント述べることができるようになったということである。これは霊界通信に於いては、極めて稀有な事例であると云える。

 

以上のようにカルデック、モーゼス、バーバネルに共通して言えることは、霊界側から選ばれて、それぞれの持ち場において使命に携わったことである。

 

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<注1>

■藤田富雄著「ブラジルにおけるカルデシズムの一考察」:『インディアスの迷宮』(勁草書房1992年)所収、160頁参照。

 

<注2>

■アラン・カルデック著、浅岡夢二訳『霊との対話―天国と地獄Ⅱ』(幸福の科学出版2006年刊)278頁参照。

 

<注3>

■藤田富雄著「ブラジルにおけるカルデシズムの一考察」:『インディアスの迷宮』(勁草書房1992年)所収、161頁~162頁参照。

 

<注4>

■近藤千雄訳『霊媒の書』(スピリチュアリズム普及会)20頁参照。

 

<注5>

■アラン・カルデック著、浅岡夢二訳『霊との対話―天国と地獄Ⅱ』(幸福の科学出版2006年刊)286頁参照。

 

<注6>

■近藤千雄訳『霊訓、下』(スピリチュアリズム普及会)59頁参照。

 

<注7>

■近藤千雄訳『インペレーターの霊訓―続霊訓―』(潮文社1987年刊)159頁参照。

 

<注8>

■近藤千雄訳『霊訓、上』(スピリチュアリズム普及会)216頁参照。

 

<注9>

■近藤千雄訳『霊訓、下』(スピリチュアリズム普及会)21節:54頁~64頁参照。

 

<注10

■近藤千雄訳『霊訓、上』(スピリチュアリズム普及会)20頁参照。

 

<注11

■近藤千雄訳『霊訓、上』(スピリチュアリズム普及会)22頁参照。

 

<注12

■近藤千雄訳『シルバーバーチの霊訓、9巻』(潮文社)16頁~17頁、『シルバーバーチの霊訓、11巻』(潮文社)12頁参照。

 

<注13

■近藤千雄訳『シルバーバーチの霊訓、10巻』(潮文社)214頁参照。

 

<注14

■近藤千雄訳『シルバーバーチの霊訓、10巻』(潮文社)218頁参照。

 

<注15

■近藤千雄訳『シルバーバーチ最後の啓示』(ハート出版)213頁参照。

このページに「推定で1935年頃から霊媒がバーバネルであることを伏せるという条件の下に連載が始まり」という記載がある。

 

■近藤千雄訳『シルバーバーチの霊訓、10巻』(潮文社)219頁参照。

このページに「初め私は反対した。自分が編集している新聞に自分の霊現象の記事を載せるのはまずい、というのが私の当然の理由だった。しかし、ずいぶん(スワッハーと)議論したあげくに、私が霊媒であることを公表しないことを条件に、私もついに同意した」とある。

 

<注16

■近藤千雄訳『シルバーバーチの霊訓、4巻』(潮文社)168頁参照。

 

<注17

■近藤千雄訳『シルバーバーチの霊訓、10巻』(潮文社)221頁~222頁、および『シルバーバーチは語る』(スピリチュアリズム普及会)18頁参照。

 

<注18

■近藤千雄訳『シルバーバーチの霊訓、4巻』(潮文社)168頁参照。

 

<注19

■近藤千雄訳『シルバーバーチの霊訓、11巻』(潮文社)13頁参照。

 

<注20

■近藤千雄訳『シルバーバーチのスピリチュアル・メッセージ』(ハート出版)85頁、87頁参照。なお脈拍はインディアン霊のもの。

 

■近藤千雄訳『永遠の大道』(スピリチュアリズム普及会)27頁、28頁。『個人的存在の彼方』(スピリチュアリズム普及会)20頁参照。

マイヤース霊は『永遠の大道』において「人間の潜在意識はわれわれ霊の側にとってはとても扱い難いものです。通信はこの潜在意識に印象付けるのであって脳に直接印象付けるのではありません。潜在意識が受け取って、それを脳に伝達するのです。脳というのはただの器械にすぎません。潜在意識はわれわれ霊から見ると柔らかいロウのようなもので、われわれの思念を受け止めます。と言っても、その思念の内容を受け止めるのであって、こんどはそれを言葉に変換しないといけません(→言葉には色がついている)。それが難しいのです」(27頁)と述べている。

さらにマイヤース霊は『永遠の大道』において「あるメッセージを霊媒の潜在意識に印象付けると、それが曰言い難い方法で受け止められます。受け取った潜在意識はそのメッセージを文章で表現しなければならないのですが、その時に使用される単語や綴りは当の霊媒の記憶の層から取り出さないといけません。その単語までこちらから指示することもありますが、すべてを潜在意識に任せることもあります」(28頁)と述べている。

『個人的存在の彼方』において「叙述を開始した当初、カミンズ女史の記憶の層に必要な用語が見当たらないことにマイヤースが当惑」していた。「そこでマイヤースはいったん通信を中断して、カミンズ女史に百科辞典の中の天文学の項目を読むように要請してきた。要請に従って女史は『ハームズワース・エンサイクロペディア』を読んだ。研究とか勉強とかいうほどのものではなく、ただ通読して天文用語を仕入れるのが目的だった。・・・マイヤースが欲しかったのは用語であった」(20頁~21頁)との記述がある。

 

■一般にホワイト・イーグルはシルバーバーチと同格の高級霊であると言われているが、その霊界通信にはキリスト教や神智学の影響が強く表れている(→イギリスの“キリスト教的スピリチュアリズム”の信奉者の間では、シルバーバーチの通信よりもホワイト・イーグルの通信がもてはやされているという)。

この理由はホワイト・イーグルと霊界の霊媒(?)と地上の霊媒のグレース・クックの三者のオーラの同調が、完璧の域までは達していなかったことが考えられる。このためグレース・クックの潜在意識にある、言葉や概念に付着している“色”が、オーラの同調が完璧ではなかったために払拭しきれず、霊界通信にキリスト教や神智学の影響が強く表れてしまったと言える(→ここにシルバーバーチの専属霊媒バーバネルとの違いがある)。ここに霊界通信の難しさがある。

 

■近藤千雄訳『地上人類への最高の福音』(スピリチュアリズム普及会)24頁参照。

シルバーバーチは「私が時おり戻る本来の界層で使用する意志の伝達手段は、地上の言語とは根本的に異なります」「地上の人間に私の教えを理解してもらうためには、私の方が地上世界の言語を勉強するしかありませんでした。そこで私も、その道の専門家のもとで勉強したのです」。シルバーバーチは「私の方が地上世界の言語」である英語を学んだと述べているが、シルバーバーチの霊界通信の舞台裏が理解できれば、「地上の言語」を学んだのは霊界の霊媒であるインディアン霊であったことが分かる。その理由は、シルバーバーチは思念をインディアン霊に送るのであって、バーバネルの潜在意識を直接支配することはないからである。近藤千雄訳『シルバーバーチのスピリチュアル・メッセージ』にこれを裏付ける次のような記載がある。「私(シルバーバーチ)は今、元アメリカ・インディアンの霊的身体を使用しております。そのインディアンが霊媒の潜在意識を支配しています」(86頁)と。このようにシルバーバーチの波長とバーバネルの波長との開きが大きかったため、両者の間に霊界の霊媒を関与させた。『シルバーバーチの霊訓』では、シルバーバーチは「私」という表現で、「シルバーバーチ+インディアン霊」として用いている例がしばしば見受けられる。

 

<注21

■近藤千雄訳『シルバーバーチの霊訓、9巻』(潮文社)17頁~18頁参照。

 

 

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