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説明の仕方の難しさ

☆問題の所在

ある会合で「今世界では各地で戦争が起きている。また近年、自爆事件や無差別テロが頻発している。アメリカでは銃の乱射による殺人事件があり、日本でも日常的に殺人事件のニュースを見せられる。このような中で人を殺すことは悪であることをどのように説明したらよいか?」との質問が出された。

 

一般には「殺人は法律で禁止されているから」とか、「公序良俗に反するから」人を殺すことは許されない。または「共同体の秩序維持という面」からや「道徳的な面」から人を殺すことは許されないなどと説明される。さらに宗教の教義からの説明もある。

西洋社会はキリスト教をベースにした文化を持っているため、「神による創造」という概念を用いて「人を殺すことは悪である」ことを説明するし、このような説明で相手も比較的簡単に納得する。しかし日本では「神による創造」という言葉はなじみが薄い。そのためスピリチュアリストが好んで用いる「生命は神のものなので、他人の生命を奪うことは許されない」とか、「人間が人間の生命を奪うのは間違い。なぜなら人間には生命を創造する力はないから」(新啓示28③)といった説明の仕方では説得力が弱い。

 

☆人に応じた説明の仕方

同じバックグランドを持つ人や同じ価値観を持つ人に対しては、共通の概念が使えるので説明は比較的簡単である。しかし異なる人の場合には容易ではない。相手が霊の世界を含めた精神世界全般に対してどのような理解を持っているのか、たとえば次のADのいずれか、それによって説明の仕方は異なってくる。

 

A:相手が「神の創造行為」を認めている場合

B:上記Aに関しては曖昧だが「霊肉実体二元論」を認めている場合

C:上記ABに関しては曖昧な理解だが「修養」「こころ」に関心がある人の場合

D:霊の世界を含めた精神世界全般に全く関心を持っていない人の場合

 

相手がAであれば、一般にスピリチュアリストが用いる概念の使用で説明がつく。Bの場合にはどうか。その人の理解度によってはスピリチュアリストが用いる「地上は学校である」や、地上世界は霊性レベルのアップをはかるために肉体という重い衣装をまとって“加圧トレーニング”を行う場所である、といった説明を応用すれば相手に理解してもらえるかもしれない。

しかし相手の理解がCのレベルの場合は、社会の公序良俗という概念や道徳という言葉を用いた説明が主となるのではないだろうか。そしてDの場合は、共同体の秩序維持という観点から(→権力以外が勝手に殺し合いを行えば秩序が保てない)、または法律で禁止されているので人を殺すことは許されない、という説明の仕方が主となるのではないだろうか。

このように人を見て説かなければならない。

 

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