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第3講:基本な事柄の整理

目 次

1.スピリチュアリズムの普及運動

①.進化レベルに応じたヒエラルキーの世界

②.地球の進化レベル

③.物質中心主義という地上を蝕むガン

④.スピリチュアリズムの普及運動

⑤.新しい世界の建設

 

2.「シルバーバーチ」という名の古代霊

①.神庁からの要請

②.霊界の記録簿を調査

③.霊界の霊媒

④.「シルバーバーチ」という名前

⑤.霊的波長の調整

⑥.ホワイト・イーグルとの比較

⑦.バーバネルの自由意志

 

3.シルバーバーチが説く「神観」

①.創造主としての神

②.法則としての神(神は法則なり)

③.神の愛(普遍的な愛)

④.人間的存在としての神を否定

 

4.シルバーバーチが説くスピリチュアリズムとは

①.霊的知識を日常生活に活かす

②.「困難や苦難」は「魂の磨き粉」

③.「旅人」と「住人」との意識の違い

④.スピリチュアリズムは社会変革思想

 

<注1>~<注5>

 

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1.スピリチュアリズムの普及運動

①.進化レベルに応じたヒエラルキーの世界

<二重構造:霊と霊が顕現する場所>

神によって創られた宇宙には「神の一部」(8105⑦、1055②)である「普遍的要素としての霊」(霊の書56⑥編者注)が「基本的素材あるいは根源的素材」(140⑬、5147⑤、12110⑪)として遍満している。悠久の昔に「霊の個別化」(霊の書57⑭)がなされて「霊(=神)」と「霊が顕現する場所(=魂、意識の領域)」という二重構造が生まれた(→意識は神の一部:3113④)。

この“意識の領域”に霊の顕現が増していくことによって、意識は「集合魂(動物以下)」から「個別霊(人間)」へと進化していく(→魂が進化すれば進化するほど宇宙をより美しく完成させていくことが出来る:5150②~③)。

 

<形体をまとって体験を積む>

宇宙の存在物はそれぞれの進化レベルに相応しい、さまざまな“形体(→個別霊たる人間の場合は肉体・幽体・霊体・色彩・光輝など)”をまといながら“体験(→物的体験や霊的体験)”を積み重ねている。その体験によって「霊が顕現する場所(=魂、意識の領域)」に“神の属性(→愛、寛容さ、叡智、真理、公正、親切、優しさ、思いやり心、協力の精神など)”は少しずつ滲み出ていく。

宇宙は「神の属性」の顕現が「0%(霊性が低い)~100%(霊性が高い)」の範囲内で、霊的レベルに応じたヒエラルキー(階層構造)となっている。その世界で全ての存在物は“神の属性の100%顕現”を目指して「永遠の旅」を続けている(466①、5227②)。

 

②.地球の進化レベル

この霊的レベルに応じたヒエラルキーの世界の中で、地球が占める位置は極めて低い。シルバーバーチは「地球は宇宙の惑星の中でも最も進化の程度の低い部類に属する」(11177⑭~⑮)。「あなた方より進化している“人間的存在(→物的要素と霊的要素が合体して物的体験を積む個別霊のこと)”の住む天体は沢山あります。地球と呼ばれている惑星はこの大宇宙に存在する無数の惑星の一つに過ぎません。しかも、地球より劣っている天体は一つあるだけです」(語る202⑤~⑦)と述べる。

個別霊の霊格と“環境(→境涯)”は一致するので(→思念は環境を形成するから)、最も進化レベルの低い惑星に住んで戦争ばかりしている地球人は、霊体と中間物質と肉体がセットになって体験を積む人間的存在の中でも最も低い位置にいる(→なぜなら進化の程度が低ければ宇宙における位置は低いから:5150③)。

 

③.物質中心主義という地上を蝕むガン

<地上の悲劇>

霊界から見ると地上世界には大きな問題があるという。例えば最低限の生活必需品にさえ事欠き貧困にあえぐ人々の存在(→絶対的貧困層の問題)。際限なき貪欲と利己主義の蔓延によって、悪習・不正・暴力などが日常的に発生して混乱の極みの様相を呈している現状。「世界で最も裕福な8人と世界人口の貧しい半分にあたる36億人の資産額が同じ」(20171161805分配信のJCASTニュース)という極端な富の偏在。霊的真理に対する無知の程度がひどすぎて、それが各種の悪弊を生み出していることなど。これらが「地上の悲劇」(724⑥、981④)の原因となっている。

 

<未発達霊の大量流入>

この「地上の悲劇」が、ひいては未発達霊の霊界への大量流入に伴う「霊界の悲劇にも反映している」(724⑥~⑦)。なぜなら帰幽霊は肉体を脱ぎ棄てたというだけで、地上時代の意識状態と何ら変わりがないから。このような帰幽霊に「霊的自覚(=霊的覚醒)」を持たせるために(774⑤~⑫)、指導霊は多大な労力を傾注している。

シルバーバーチは霊的覚醒が起きるまでは「肉体を棄てた、ただそれだけのことです。個性は少しも変わっておりません。性格は全く一緒です。習性も特質も性癖も個性も地上時代そのままです。利己的だった人は相変わらず利己的です」(福音189②~④)と述べている。

霊界では何事も“自覚がカギ”となっている(注1)。この「自覚すること」が次のステージに移行するためのキーワードになっているから。

 

④.スピリチュアリズムの普及運動

このような現状に対して、地球の進化に責任を負っている高級霊の集まりである「神庁」(9221⑬~222④、1112⑨~⑪)に於いて「総合的な基本計画」(896⑩、1128⑩)が立案され、地上世界から物質中心主義とその副産物を一掃するために「霊的実在についてある程度の知識を地上に普及させるべしとの決断が下された」(725①~②)。

そして地上の人間が霊的知識を身につけて“霊的資質(→思いやりの心・親切・優しさ・友愛・協力の精神)”を発揮して地上世界を刷新する、霊界主導による「霊的知識を普及する運動(=スピリチュアリズムの普及運動)」が19世紀半ばに始まった。

 

⑤.新しい世界の建設

<自由意志を持った人間次第>

スピリチュアリズムの普及運動が目指す最終目標は、地上に“新しい世界を建設する(→宗教的な用語では「地上天国の建設」「弥勒の世」など)”ことにある。この「新しい世界」(285⑤~⑥)とは、苦労や困難が無く願望が何でも叶う社会のことではない。このような世界であれば幽界の下層世界と何ら変わりがないからである。

私たちが住む現在の世界は物質至上主義社会であり、唯物論的思考が主導的思想となっている。これに対して「新しい世界」では「永遠の霊的真理が基盤」(3122⑥~⑦)となっている社会、霊的真理が社会の隅々まで行き渡って“主導的思想となっている社会”である。その社会がいつ実現できるかは、自由意志を持った人間次第ということになる(3221①~⑤)。なぜなら霊的成長は一歩一歩の段階的過程をへて達成されるものだから(→個々人の努力抜きに、ある日突然に「地球人類の霊的ステージがワンランクアップする」と言うことは有り得ない)。

 

<何らかの磨き粉は存在する>

物的体験を積む過程で遭遇する困難や悲劇は、個人の“カルマの解消”や霊的レベルを向上させるための手段たる“磨き粉”の役割を担っている。当然に「新しい世界」になっても、魂を磨くために何らかの“磨き粉”は存在する(4118⑤~⑦、語る60⑤~⑦、語る99⑩~⑫)。無くなるのは社会制度に起因する「無用な悲劇」や「無用の残虐行為」や「無用の飢餓」(道しるべ217③~⑧)のことである。

 

<軽石から絹のタオルへ>

現在の人類の進化レベルにおける“磨き粉”の状態を例えれば、いわば軽石に石鹸を付けてゴシゴシと身体を洗っているようなもの、これが「新しい世界」になれば“絹のタオル”に石鹸を付けて洗うようなものに変化していく。このように“磨き粉”は「新しい世界」になっても当然に存在するが、“磨き粉の粒子”はきめ細かくなっていくため、受け取る主観的なダメージは軽減していく。貧困や病気といった粒子の粗い“磨き粉”からの脱却(→未来の地球は現在と大幅に地形が変わり、忙しなく動き回る人間もさほどいない。激情に振り回されることもなく内省的な生き方となっている:彼方4268頁~271頁)。

 

宇宙における“地球の存在や役割”に変更がない限り、「新しい世界」になっても地上世界が「学校」であることに変わりはない(→シルバーバーチは「地上は幼児の学校」と呼んでいる:1237④)。ただし「学校」の役割が現在と比較して、一段と洗練されてレベルアップした状態となっている点が異なるが。

 

2.「シルバーバーチ」という名の古代霊

①.神庁からの要請

<思念は環境を形成する>

シルバーバーチは3000年前に地上生活を送った霊(3153①)であり、地上に再生して霊的進化を遂げる段階を卒業した古代霊(1112⑦~⑧)である。そのシルバーバーチが住む境涯は、適材適所で生きる喜びにあふれ芸術の花が咲き乱れた、光り輝く色彩豊かな環境である(2158⑪~⑭、922④)。

霊界では思念は実態そのもの。思念は環境を形成するので、自ずと霊格と環境は一致する。そのため同一霊格で親和性のある霊が集まった高い境涯では、同じような思念をそれぞれの霊が発するため光り輝く環境となる。

 

<神庁からの呼び出し>

ある時シルバーバーチは、地上の霊的刷新(→地球を霊的に浄化すること)に責任を負っている高級神霊たちが集う霊界の上層にある神庁からお呼びが掛かり、他の同僚と一緒に仕事の要請を受けた(916⑬~⑭、1112⑫、最後啓示58⑥~⑦)。

その仕事とは暗くてじめじめした魅力に乏しい地上世界、弾力性を失ったクッションのようで何もかもだらしなく感じられる地上世界に戻って(2158②、822⑭)、高級指導霊のメッセンジャーとして、受け入れる用意のできた人(=大人の霊)に単純明快な形で霊的真理を届けることであった(1112⑫~13②)。ここからシルバーバーチは誰彼かまわずに霊的教訓を説こうとしているのではなく、あくまでも「大人の霊(→霊的に成人した人間の魂:918⑩~⑪)」を対象として説こうと決意して地上に降りてきたことが窺える。

 

②.霊界の記録簿を調査

シルバーバーチは受け入れる用意の出来た「大人の霊」に霊的真理を届けるために指導霊の助言を受けながら準備を行った。まず霊界の記録簿を調査して母胎に宿る以前の“バーバネル”を選び出した(917①~②、語る22⑦)。この段階ではまだバーバネルが母胎に宿る前のことなので、いわば「霊界の出生リスト表」から選んだことになる。その際にシルバーバーチは選抜の判断材料として“バーバネル”という個別霊(=狭義のインディビジュアリティ)の霊的レベルと、「今度生まれたらスピリチュアリズムの普及に生涯を捧げると約束した」(10214④~⑤)という決意に着目したのではないかと思われる。

その後シルバーバーチは“バーバネル”が母胎に宿る瞬間を注意深く見守り、宿った瞬間から影響力を行使した(917②~④)。このような霊的背景を持ったバーバネルはシルバーバーチの専属霊媒となった。

 

③.霊界の霊媒

シルバーバーチは「霊的進化の末に二度と地上世界へ生身に宿って戻ってくる必要のない段階まで到達した」(1112⑦~⑧)霊である。その進化レベルにある霊は、波長の低い地上圏に降りて地上側の霊媒と直接交信することは不可能である(→ある一定の霊格を備えた霊は波長の全く異なる地上圏へ下りて交信するのは不可能:810⑩~⑪)。そのため地上との接触には霊界側に霊媒を置く必要があった(1113⑦~⑩)。

指導霊たちは霊的波長を変える「変圧器の役目」を担う「霊界側の霊媒」として、地上時代にレッドインディアンであった霊の霊体(→地上時代に霊媒能力を持っていた霊を“霊界の霊媒”として用いた)を用意してくれた(810⑨~⑬、1113⑪~⑫)。

 

④.「シルバーバーチ」という名前

<シルバーバーチ(銀色の樺の木)>

霊媒のバーバネルによれば、現在シルバーバーチと呼んでいる支配霊は、当初は別のニックネームで呼ばれていたという。そのニックネームは公的な場で使用するには不適当な名前であったため、別の呼び名を考えた。そこで選ばれたのが「シルバーバーチ(銀色の樺の木)」であったと述べている(10219⑪~⑭)。

一般に世間に広く流布しているシルバーバーチの肖像画は(→12巻表紙裏:マルセル・ポンサンの心霊絵画)、霊界の霊媒であるインディアンのものであり、シルバーバーチという名で呼ばれている古代霊のものではない(福音12④~⑫)。

 

<シルバーバーチの表記>

なおシルバーバーチの表記には二通りある。翻訳者の近藤千雄氏は“シルバー”と“バーチ”の間に中黒を入れない「シルバーバーチ」という表記で統一している。しかし潮文社の12巻シリーズの表題のみ、「表題を揃える」という出版社の都合によって“中黒”が入っている(→昔、近藤氏に直接伺ったところ潮文社は1984年に発行された桑原啓善訳『シルバー ・バーチ霊言集』に表題を合わせたとのこと。但し12巻シリーズの本文には“中黒”は入っていない。なお1984年発行の『古代霊は語る』には表題・本文ともに“中黒”が入っている)。

 

<個人情報は開示していない>

シルバーバーチは地上時代のことを「証明する手段は何一つない」(811⑭)との理由から、地上で如何なる人物だったのか、活躍した時代は何時かなど、一切の個人情報は開示していない。また「私の名はシルバーバーチではありません」(1112①)とも述べている。

この「シルバーバーチ」という名前は、かつて地上でインディアンだった「変圧器の役目」をしている霊の名前であるという(1112②~③)。さらに「地上時代の私はレッドインディアンではない。このインディアンよりはるかに古い時代の別の民族の者」(1112⑥~⑦)、いわば古代霊であるという。この古代霊の使命はさらに高級な指導霊たちのメッセンジャーとして、霊的教訓を「受け入れる用意の出来た人間」(1112⑮)の「理性と知性と常識」(812②)に訴える形で届けること、と述べている。

 

スピリチュアリズムの普及に多大な貢献をした、イギリスの著名なジャーナリストのハンネン・スワッハーは「シルバーバーチは実はインディアンではない。いったい誰なのか、本当のところは分からない。本来属する界は波長が高すぎて地上とは直接の交信が不可能であるため低い界の霊の幽体を使用している。シルバーバーチと名のるインディアンはたぶんその幽体の持ち主であろう」(110⑫~11①)として、「シルバーバーチ」は「霊界の霊媒の名前」であると述べている。

 

⑤.霊的波長の調整

<三者のオーラの調整>

シルバーバーチという名で呼ばれている高級霊と、霊界の霊媒のインディアン霊、そして地上側の霊媒バーバネル、この三者の霊的波長の調整に関しては次のような記述がある。

シルバーバーチは「私の方はバイブレーションを下げ、霊媒の方はバイブレーションを高めています。それがうまくいくようになるまで15年もかかりました」(4168②~③)。この言葉の意味を考えてみると、物的要素がない高級霊のシルバーバーチのバイブレーションの下限と、地上の霊媒バーバネルのバイブレーションの上限との間の開きがあまりに大きくて、両者の波長が全く合わないため、両者の間に「霊界の霊媒」として「インディアン霊」を入れる必要があったということになる(1113⑦)。

 

霊界の霊媒の「インディアン霊」はまだ物質性を残しているので、バーバネルとの間で波長を同調させることができるし、高級霊のシルバーバーチの間でも霊的波長を同調させることもできる。このようにして高級霊の高い波長と、地上の霊媒バーバネルの波長、そして両者を取り持つ霊界の霊媒の「インディアン霊」の波長、この三者が調整を繰り返しながら完全に融合できるまで15年かかった(1920年→1935年)。このことがシルバーバーチの上記の言葉となったと思われる。

 

<霊界通信の判断基準>

霊界通信の判断基準のポイントは、「通信内容の質の高さ」と「霊媒の潜在意識に付着している“色”をどれだけ排除できたか」(→潜在意識に付着している偏見に満ちた固着観念・宗教の教義・特定の思想や知識・動物性が過度に発達して意識に付着した性癖など)にある。一般に霊界通信は霊媒の潜在意識にある単語や概念を用いて通信を送ること(参考:個人的存在20⑪~21④)、さらには霊媒の発声器官を使用すること、このようなことから多かれ少なかれ霊媒の潜在意識に脚色されてしまうものである。

 

<潜在意識を完全に支配する>

この霊媒の潜在意識の影響の問題について、シルバーバーチは「回を追うごとにコントロールがうまくなり、ごらんの通りになりました。今ではこの霊媒の潜在意識にあるものを完全に支配して、私自身の考えを100パーセント述べることができます」(917⑮~18②:下線は筆者記載)と述べている。

 

これは高級霊のシルバーバーチ、霊界の霊媒であるインディアン霊、地上の霊媒であるバーバネル、この三者のオーラの同調が回を追うごとに完璧になって、バーバネルの潜在意識を完全に支配することができた(→これは霊媒の潜在意識による脚色の問題を克服することが出来たことを意味する)。そしてシルバーバーチが用意した通信内容を交霊会において100パーセント述べることができるようになったということである。

これは霊界通信に於いては、極めて稀有な事例であると云える(→ポイントはオーラの完全な同調)。ここに『シルバーバーチの霊訓』が数多く存在する霊界通信の中でも“最高峰の位置を占める”理由がある(→筆者が『シルバーバーチの霊訓』を強く推薦する理由がこの点にある)。

 

⑥.ホワイト・イーグルとの比較

一般にホワイト・イーグルはシルバーバーチと同格の高級霊であると言われているが(注2)、その霊界通信にはキリスト教や神智学の影響が強く表れている。

この理由はホワイト・イーグルと霊界の霊媒(?)と地上の霊媒のグレース・クックの三者のオーラの同調が、完璧の域までは達していなかったことが考えられる。このためグレース・クックの潜在意識にある、言葉や概念に付着している“色”が、オーラの同調が完璧ではなかったために払拭しきれず、霊界通信にキリスト教や神智学の影響が強く表れてしまったと言える。ここに霊界通信の難しさがある。支配霊又は通信霊が極めて高級な霊といえども、オーラの同調が完璧の域まで達していなければ、多かれ少なかれ霊媒の固着観念に色付けされた霊界通信となってしまうという好例である。

 

シルバーバーチは専属霊媒のバーバネルが死去すれば別の霊媒を通じて通信することはないと述べている。その理由を「この霊媒を通じて語るための訓練に大変な年数を費やして来ましたので、同じことを初めからもう一度やり直す気にはなれません」(828⑥~⑨)と言う。ここからもオーラの同調がいかに大変であるかが推測できる。

 

⑦.バーバネルの自由意志

<入神状態に好感を抱かなかった>

バーバネルは「始めのうち私は入神状態にあまり好感を抱かなかった」(10218③~④)という。またハンネン・スワッハーの助言にもかかわらず1932年創刊の心霊新聞『サイキック・ニューズ』(10219②)に霊訓を公表することを拒み続けていたが、1935年(?)にバーバネルが霊媒であることを内密にするという条件のもとで、シルバーバーチの霊訓が掲載されるようになった(→近藤氏の「あとがきに代えて」より:最後啓示213②~⑦)。

 

<抵抗し続けた期間>

このようにバーバネルがスワッハーの助言に抵抗し続けた期間は、シルバーバーチの「(シルバーバーチと霊界の霊媒であるインディアン霊、さらに地上の霊媒であるバーバネルの三者のオーラの融合が)うまく行くようになるまで15年もかかりました」(4168②~③)との発言から考えると、「純粋なスピリチュアリズム」を地上に下ろすための準備期間であったことが窺える。ここからシルバーバーチはバーバネルのパーソナリティを熟知していて、頑なな抵抗に合うことを事前に予想していたことになる。

 

1935年以降>

交霊会の霊言は『サイキック・ニューズ』や『ツー・ワールズ』に発表されて、最初の霊言集が1938年に『シルバーバーチの教え』として編纂されて出版された。そして1959年になって、バーバネル自身が「シルバーバーチの霊媒は誰か、実はこの私である」という見出しで公表した(→近藤氏の「あとがきに代えて」より:最後啓示213⑪~⑬)。

バーバネルやスワッファーも述べているように、シルバーバーチの霊言は句読点を書き込むほかは非の打ちどころのないものであり、あたかも出版を前提とした文章であったという(10221⑬~222③、語る18⑪~⑫)。

 

3.シルバーバーチが説く「神観」

①.創造主としての神

スピリチュアリズムでは「神は無窮の過去から存在し未来永劫に存在し続ける」(5150①)一切の創造主であり、宇宙は神によって創られた作品であると説明されている。さらにあらゆる生命体、あらゆる存在、あらゆる法則に神が内在しているので(5140⑪、語る120⑩~⑪)、神は自然法則として顕現しているとする。ここから万物を創造した神と創造された存在物には、厳然とした一線が引かれていることが分かる。

 

②.法則としての神(神は法則なり)

創造主である「神」は“何らかの目的(=神の意志)”の下に宇宙を創り、統治する手段として法則を創った。そのため神と万物との関係は「神→法則⇔万物」となり、「神」は法則の裏側に隠れる形で存在することになる。この関係を一般には「神は大自然の法則よりももっと大きい存在」である、なぜなら神は法則を支配していると同時に、その法則が作動する仕組みもこしらえた無限なる知性であり、その法則は神の意志が顕現したものと説明されている(11107⑩~⑫、到来122⑫~⑬)。

 

このように“神の目的”を実現するための手段として“神の法則(=摂理)”は存在する。そのため「潜在している霊の顕在化(=宇宙に遍満している“霊力、霊的エネルギー”の発現)」の問題は、当然にこの法則の適用下に置かれる。このことを人間側から見れば「神」は法則として存在するように見える。なお地上において法則は人間を通じて作用するため(→神の力はあなた方人間を通して流れる:332⑬)、人間は“神の意志実現”のための不可欠な存在(=霊力の通路)として“神の創造行為”に寄与している。

 

③.神の愛(普遍的な愛)

神は何らかの人智を超えた意図によって、被造物の世界に“神の属性”を隈なく顕現させようとして「霊的宇宙・物的宇宙」を創った。神は宇宙にある全ての存在物が自力によって“神の属性”を100%発揮できるようにするため、公平な“仕組み(=霊的法則)”を創った。

ここから“神の意志”が最初にあって、その意志を実現する為に“神の愛”がある。この“神の愛”を隈なく全存在物に行き渡らせるための手段として“霊的法則”は存在する。ここから「神の意志→神の愛→霊的法則→全存在物」という関係性が見えてくる。

 

宇宙はこの法則によって支配されている(→神は摂理の執行者に“天使的存在”を据えて、法の支配に実効性を持たせた)。なおシルバーバーチは「神は無限なる愛」(6153①)であり、「愛とは摂理のこと」(8126⑪~⑫)と述べている。

このような形で創られた宇宙には“神の愛”が「普遍的要素としての霊(=霊的エネルギー)」に姿を変えて遍満している。この“霊力(=霊的エネルギー)”が霊的法則の作用によって、遅かれ早かれ宇宙の隅々にまで過不足なく及んでいくことになっている。

 

④.人間的存在としての神を否定

霊的教訓は時代背景や霊的許容度などが総合されて、その時代の人たちの霊性に見合った形で授けられる。神は人類の霊性が低い段階では“人間的な感情を併せ持った神”として理解されてきた。その後、人類の霊性の発達と共に「知的発達と洗練の度合いに応じて神概念も進歩したもの」になっていった(霊訓上154⑯~⑱)。

 

シルバーバーチは「人間的な神観」を否定して、「窮地に陥ったあなた一人のために、どこか偉そうな人間的な神様が総力挙げて救いに来てくれる」(780②~④)ということはないと述べている。古来より「神」はさまざまな言葉で表現されてきたが、「神」は男でもなく女でもない。用語を超えた「神」を何という名称で呼ぼうが所詮は言葉だけの問題に過ぎない(→人間が不完全である限り「神」という完全なものを理解することはできない)。

シルバーバーチは手垢のついた「神」という言葉の代わりに、霊界側の霊媒であるインディアンが永年使い慣れている「大霊」という言葉を使用した。

 

4.シルバーバーチが説くスピリチュアリズムとは

①.霊的知識を日常生活に活かす

<霊的知識を生活の指針とする>

スピリチュアリズムとは「霊的知識」(7175⑧)または「霊的知識の体系」である。この霊的知識を日々の生活に応用して生き方を変えていく「実践哲学(→生活を実践していく上での指針)」としての活用が推奨されている(226⑤)。しかし人によってはこのスピリチュアリズムを“商売の手段”として利用する者や、学んだスピリチュアリズムを「机の引き出しに仕舞い込む」人も出てくる。なぜならスピリチュアリズムとは「霊的知識」(7175⑧)であり、その知識をどのように活用するかは各人の自由意志に関わる問題となっているから。

 

このような活用のされ方を避けるために、スピリチュアリズムを「実践哲学」として日々の生活の指針として生かしていく「スピリチュアリズムの普及運動」が、近代スピリチュアリズムの幕開けと共に霊界主導で始まった。この初期の普及運動は「学問研究の分野ではなく、社会改革という実際的分野に特色を発揮した」(田中千代松編『新・心霊科学事典』潮文社1984年刊、113頁)ものであったという(注3)。

 

<個々人が霊性の向上を図る>

シルバーバーチによれば19世紀半ばに始まった「啓示」は、霊的知識を地上に根付かせる為に入念な計画に従って組織的に始められた運動であり(メッセージ99④~⑦)、最終的には「地球浄化」(1118⑮)をなしとげることを目標とした「大事業の運動」であるという。その目標を達成するためには、一人一人が霊的知識を日常生活に活かすような生き方をして(9117⑭~118③)、霊性の向上を図っていかなければならないとしている。

このようにスピリチュアリズム思想(霊的知識の集大成)は人の生き方さえも変えていく力を持っているため、端的に表現すれば「スピリチュアリズム思想の本質は宗教性にある」と言える。

 

②.「困難や苦難」は「魂の磨き粉」

<霊的教訓の特徴>

シルバーバーチが説いた霊的教訓には次のような特徴がある。この世的な教えでは地上生活で遭遇する「困難や苦難は出来るだけ避けるべき」こととされているが、シルバーバーチはこれらに新しい意味付けを行った。それは『シルバーバーチの霊訓』の中で繰り返し説いている、個別霊が自我に目覚めて霊的進化を図っていくためには霊的資質を開発しなければならないこと(→自我の本体に潜在している霊を意識の領域に顕在化していくことであり、形体に具わっているサイキック能力の開発ではない)、そのためには「刻苦と苦難と修養と節制の生活」(997④~⑤)が必要であるという表現からも窺える。

 

<刻苦と苦難という磨き粉>

このようにシルバーバーチは地上人生において誰にでも訪れる「刻苦と苦難」を、霊性を高めるための“魂の磨き粉”と位置付けた。この“魂の磨き粉の粒子”は各自それぞれ異なるが、この粒子が粗ければ「刻苦と苦難」から受ける主観的ダメージは大きく、粒子が細かければ比較的楽に「刻苦と苦難」を乗り越えられることになる。

昔から「①修養の生活」と「②節制の生活」は、宗教や修養の世界では普通に説かれてきた。ここに「③刻苦と苦難」という「魂の磨き粉」を付け加えた。シルバーバーチは霊的レベルを上げるためには「①②③」の全てが必要不可欠であるとして「刻苦と苦難」に新しい意味付けを行った(注4)。

 

③.「旅人」と「住人」との意識の違い

シルバーバーチは「(イエスの訓え)その昔“この世を旅する者であれ。この世の者となる勿れ”という訓えが説かれました」(419⑨)と述べている。「この世を旅する者であれ」とは一時滞在者の「旅人」であり、「この世の者」とは「住人」のことである。

 

著名な脳学者は「精神(心)は物的脳によって生み出された副産物」なので死によって雲散霧消してしまうと述べる。また高名な作家は「生命エネルギーの循環」という概念で死を説明している(注5)。このような「住人的感覚」の中には「死後生(=死後個性の存続)」の居場所は存在しない。

霊的真理を知れば「この世は仮の世」であり、「学校」や「トレーニングセンター」という位置づけとなる。いわば死を一つの「通過点とした生き方」をする「旅人」的感覚となる(→長期滞在者用のホテルに住まう旅人的感覚)。生き方も「死を一つの通過点とした生き方」となっていくため、その地に根を張った「住人」とは価値観を異にし、「困難苦難の対処」や「高齢者の生き方」などにも変化が表れる。このように死は終点ではなく一つの通過地点という形に発想を転換することが出来れば、その人の生き方が根本的に変わっていく。

 

④.スピリチュアリズムは社会変革思想

シルバーバーチが度々述べているように「霊的知識(=スピリチュアリズム)」には、各自の生き方を変えて個々人の集合体である社会をも変えていく力がある。そのためスピリチュアリズムは、究極的には唯物主義と利己主義という地上世界を蝕む二つのガン(1101⑫~⑭)を駆逐する「社会変革思想」となる。

スピリチュアリズムの根幹部分には「神(=全存在の究極の始源、統一原理)」を人類共通の親として、肌の色の違いや言語の違いや国家の違いを超越して「全人類が霊的親族関係をもった大家族」(8121⑤~⑥)という考え方がある。この「神→人類」という思想は、神と人類の間に「現人神」や「絶対者」を置かないシンプルな思想である。そのため特定の政治体制の下では、極めて“ラジカルな思想(=社会変革思想)”とされて危険視されるケースもある。

 

このように本来のスピリチュアリズムには、多くの人が理解する物的指向の強いこの世的な幸福追求型の「世俗的なスピリチュアリズム(=現世利益的なピリチュアリズム)」といったイメージは全くない。むしろ霊的知識を自己の生き方に活かして霊的成長を図るという「実践哲学」的な意味合いが強く見えてくる。これを本稿では便宜「質の高い高等なスピリチュアリズム(Higher Spiritualism)」として用いている。

 

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<注1>

■「自覚する」と言う意識状態

ア)死の自覚

物的身体を通して感知していた“物的波動の世界”から、霊的身体を通して感知する“霊的波動の世界”に切り替わる為には「死の自覚」が不可欠となっている。霊的波動の切り替えが完了した死者は、霊的な感覚器官の使用が可能となる(参考:315⑧~⑩、ウィックランド著『迷える霊との対話』ハート出版1993年刊、513頁)。

 

イ)霊的自覚

「霊的自覚」が芽生えることよって霊的進化のスピードは増していく。そして「霊的自覚」の深まりと共に界層の上昇が起きてくる(→幽界の上層に浮上していく)。この段階になると「霊として何をなすべきか」が明確となって行くため、次第に「類魂の存在を意識する(→帰るべき我が家を意識する)」ようになる。幽界の下層を離れるにしたがって地上時代に持っていた偏見や敵意を棄て去っていく(774⑥~⑦)。霊の世界では“自覚”が大切。自覚にも“浅い自覚”から“深い自覚まで無限のレベルがある。

 

ウ)地上における自覚

地上では「魂が目を覚ました(→霊的に覚醒する、霊的自覚を持つ)」という場合でも、物的身体を通して自己表現をしている以上、肉体の欲求や煩悩等の“本能に起因する意識”に絶えず悩まされることになる。いわば地上では「霊的覚醒」の状態を、四六時中“本能に起因する意識”によって試されている様なもの。この点が霊界に於ける「自覚」との違いになっている。霊界では霊的身体で自己を表現するため、地上のように物的身体で表現する必要がない分、“自覚したという意識”はよりクリアな状態となっている。

 

<注2>

■シルバーバーチは「同志の一人であるホワイト・イーグルには彼なりの考えがあってのことでしょう」(新啓示25④)と述べて、ホワイト・イーグルを同志と呼んでいる。シルバーバーチは光明と美に溢れた境涯にいる同輩の多くに「地球浄化の大事業への参加の要請があった」(最後啓示58⑥~⑦)と述べているので、推測するにその時の同輩の一人がホワイト・イーグルを名のる霊であったのではないだろうか。

桑原啓善氏によれば、ホワイト・イーグルの霊媒グレース・クック(1979年他界)とシルバーバーチの霊媒モーリス・バーバネル(1981年他界)は親友であったという(桑原啓善訳『光への道』でくのぼう出版1994年、p.206⑦~⑧参照)。

 

<注3>

■フォックス家の知人であるフレンド派(→クエーカーの正称)のアイザック・ポスト(Isaac Post)は、ロチェスターのリーの家を訪ねてアルファベット表を使った交霊実験を行って霊界からのメッセージを受け取った。その内容は「友よ。あなた方はこの真理を世に広めなければならないのだ。これは新時代の曙光(ショコウ)なのである。それを、あなた方はもはや圧し隠そうとしてはならないのだ。あなた方がその義務を行うとき、神はあなた方を護り、善き霊たちがあなた方を見守るであろう」(田中千代松著『新霊交思想の研究:改訂版』共栄書房1981年刊、37頁参照)であった。

その後このメセージに沿って行動する人が増えていき、アイザック・ポストの呼びかけで18491114日、ロチェスターのコリンシアン・ホール(またはコリント・ホール)で、マーガレットを霊媒としたスピリチュアリストによる最初の集会(公開交霊会?)が開かれた(アーネスト・トンプソン著、桑原啓善訳『近代神霊主義百年史』コスモ・テン・パブリケーション1989年刊、44頁参照)。集会の参加者は少人数であったという。

 

■その後フォックス家の姉妹マーガレットとケイトおよび長女のリーは、ニューヨークやトロントなどの都市でラップを中心とする公開実験会を行った。この時期フォックス家の姉妹に触発される形で、各地に物理的心霊現象を起こすことができる霊媒が次々と現れた。現象も当初のラップから自動書記、直接談話等へと種類を増やして、著名人を含む多くの人達を巻き込んだ形で、アメリカ社会に一大ブームを巻き起こした。

当時アメリカ社会で出版されたスピリチュアリズム関連書籍を概観すれば、スピリチュアリズムの揺籃期の特徴が窺い知れる。この時代のアメリカでは物理的心霊現象を取り上げるよりも、むしろ死後の世界の状況や死後も人間の個性が存続するといった、哲学的・宗教的方面に関心が向いていた(田中千代松編『新・心霊科学事典』潮文社1984年刊、113頁参照)。また普及方法も心霊書の出版に重きが置かれていた。

 

<注4>

■心霊的な能力と霊的な能力

霊能開発をすると最初に心霊的(サイキック)な能力が出てくる。これは私たちが霊の世界で自我を表現するための手段として用いる能力である。そのため全ての人が未発達の状態で心霊的(サイキック)な能力を潜在的に有している。この能力が発現した後に霊的(スピリチュアル)な能力が出てくる。心霊的な能力が潜在意識の表面まで来ている人は霊媒体質者である(1157⑪~⑬、2105⑤~⑪)。人類は物質文明の発達と引き換えに心霊的な能力を失ってしまった。霊媒体質者の多くが有する能力は、霊界とは何の繋がりもない心霊的な能力(五感の延長)であり、霊界と繋がった霊的(スピリチュアル)な能力を持つ者は少ない(1163⑪~⑫、5105②)。

 

■霊的な進化

シルバーバーチは繰り返し「霊性の開発(意識の進化)」を説いており、形体に具わっている「サイキック能力の開発」には重きを置いていない。なぜなら霊界に行けば誰でも“意識の進化程度”に応じて、サイキック能力の使用が可能となるから。

第三者から見て存在が認識できる客観的な形体(→肉体、幽体、霊体、色彩、光輝など)は、意識の進化に応じて変化して行くもの。意識を進化させる為には「刻苦と苦難と修養と節制の生活」(997④~⑤)を行う必要がある(→各自の自我に潜在している霊を、形体を通して体験を積み重ねながら、意識の領域に顕在化させていかなければならない)。

 

霊的進化の指標は心霊的(サイキック)な能力の発現ではない。親和性を有する霊界人の能力が、霊能開発中の霊媒体質者の心霊的な能力に加わった段階で、初めて霊的(スピリチュアル)な能力となる。そのためには“霊能開発(通信機のアンテナを磨く)”と並行して“他者のために役立つ仕事(通信機の固有の周波数を高める)”をして、霊界人の協力を得る必要がある(2108⑥~⑪、7129④~⑧、福音81⑦~⑫)。

心霊現象は霊媒体質者が有する心霊的(サイキック)な能力と、霊界人の協力による霊的(スピリチュアル)な能力の組み合わせで起こるもの(福音81①~④)。

霊媒体質者の“心霊的な能力の発達(=霊が使用する形体の発達)”に“霊性の進歩(=意識の進化)”が伴っていなければ、霊的に進化したとは言えない(499⑩~⑭、道しるべ111⑨~⑬、到来81⑪~⑮、語る43②~⑥)。

 

<注5>

■五木寛之著『玄冬の門』(ベスト新書2016年刊)124頁~130頁、「私の生命観、大河の一滴として」参照

――五木寛之氏は「生命エネルギーの永久運動ということを考えています」「自分がいなくなれば無になるけれども、それは大きな海の中で海水に溶け込んでしまって、そこでもう自分はなくなる。でも、その海水はまた水蒸気となり、雲となり、雨となって降り注いで、また一つの命になる」「自分が消滅する。海のような大きな世界の中に溶け込んでしまう」「自分の生命が溶け込んで消えてしまう。自分は消えるけれども、今度は大いなる海の中に溶解してしまって、大きな生命の循環の中に何か、自分の個性ではなく、個人ではなくて、生命エネルギーみたいなものが繰り返し循環する」「自分の終わりではあるが、生命の終わりではない」(『玄冬の門』125頁~125頁)と述べている。――

 

■この五木氏の考え方にはシルバーバーチが述べている「個的存在が消えてなくなる時は永久に来ません。反対に完璧に近づくほど、ますます個性が顕著になっていきます」(新啓示163⑬~⑭)や、「人間は霊的に成長することを目的として、この世に生まれてくるのです。成長また成長と、いつまでたっても成長の連続です」(語る348⑪~349②)とは異なる。

 

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