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第9講:霊能者・心霊現象について

目 次

1.霊的能力について

①.霊能者(霊媒)とは

②.戦場に於ける「戦車と歩兵」の違い

③.霊的能力(サイキック能力、スピリチュアル能力)

④.霊能者と金銭

 

2.心霊現象について

①.物理的心霊現象について

・心霊現象の種類

・エクトプラズム

・エクトプラズムの質

・物理的心霊現象の目的

②.交霊会の参加者・立会人

・霊的エネルギー

・交霊会参加者の心得

・レギュラーメンバーの存在意義

③.霊界通信について

・霊媒の潜在意識を使用する

・情報源との連絡網

・多様な通信霊と通信内容

・犠牲を伴った行為

・自動書記通信

④.霊媒現象の周辺部

・バーバネルの場合

・潜在意識との関係

・「優秀な霊能者」と「重度の憑依患者」はコインの裏表

⑤.予知・予言について

 

<注1>~<注4>

 

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1.霊的能力について

①.霊能者(霊媒)とは

A:言葉

霊能者(霊媒)とは精神的心霊現象や物理的心霊現象などによって、この世とあの世(霊的世界)との間のコミュニケーションを司る媒介者をいう。この言葉は19世紀半ば以降の“(近代)スピリチュアリズム普及運動”の中で盛んに使われるようになったが、現象自体は古代から洋の東西を問わず存在している。日本では「霊媒型巫者」の卑弥呼や「口寄せ巫女(東北地方のイタコ、南西諸島のユタ)」の存在はよく知られている。

 

B:潜在的な霊能者

生者も霊である。能力自体は霊的身体が持つ知覚力だから、本来的に全ての人間に具わっている(→霊能力は生来的なものなので「人間はみんな潜在的な霊能者」といえる:新啓示117⑦)。人間は物質文明の発達と引き換えに心霊的な能力を失ってしまったが(5巻105②、福音31⑦~⑩)、ごく少数だがこの能力を有する者がいる。この者を霊能者と呼ぶ。

 

C:進化の先駆け

人間は霊的成長に伴って“霊体に具わっている能力”が発揮できるようになっていくが(→いずれは人間のすべてが発揮する能力だから:5巻105⑤~⑥)、現段階で心霊能力を有する霊能者は「進化の先駆け」(1巻182⑬)という位置づけである。シルバーバーチは「人間のすべてが例外なく霊的資質を宿している、ただそれが発現しやすい段階にまで来ているか否かの差があるだけです」(道しるべ250③~④)と述べる(→心霊能力が潜在意識の表面近くまで来ている人は、霊能開発などによって容易く使用できるようになる:2巻105④~⑪)。

しかし霊能者(霊媒体質者)の多くは、霊界とは何の繋がりもない“五感の延長である心霊的な能力(=サイキック能力)”を有するに過ぎず(福音79⑬~80②)、霊界と繋がった霊的な能力(=スピリチュアル能力)を持つ者は少ない(1巻163⑪~⑫)という。

 

D:霊能者はより多く利他的行為が出来る

人は誰でも自我の本体の中に“霊(=神の分霊)”を潜在的に宿している。その“潜在的完全性(=霊)”を意識の領域に顕在化させていくことが、永遠の旅人たる人間の宿命となっている。その為には“形体(=肉体や霊体など)”をまとって利他的体験を積み、その体験によって“潜在的完全性”を顕現させていくことになる(→あくまでも自らの体験によって顕在化させていくのであり、他者の祈りや祭りごとによって他力本願的に霊的進化が進むのではない)。

霊能者とは地上人生に於いて、一般人よりも多くの“利他的行為を行使できる能力(=霊力の通路)”を与えられた者である。“地上天国の招来”に果たすことのできる役割は、一般人に比べても格段に大きいからである。それを「地上へ誕生する前の本人の自由意志」(新啓示118①)で決めてきた。

 

②.戦場に於ける「戦車と歩兵」の違い

A:霊力の通路となり得る者とは

シルバーバーチは“霊力の通路”として、霊能者が果たす役割の重要性をしばしば強調して述べている。たとえば「霊媒というチャンネルが増えれば増えるほど霊的真理という活力あふれる水が地上へ流れ込む」(2巻182⑮~183①)。さらには「大霊の力はそれを顕現させる能力を具えた人を通してしか発現できません。それが霊媒現象の鉄則です」(新啓示51①~②)などと。このような文言を目にするたびに、「霊力の通路となりうるのは霊能者のみなのか」という素朴な疑問がでてくる。

 

しかし『シルバーバーチの霊訓』をじっくりと読んでみれば、霊能者以外の一般人もまた立派に霊力の通路たり得ることを述べている。たとえば「通路は霊媒に限りません。それとは気づかぬままに通路となっている人も大勢います」(1巻79⑨~⑩)とか、「私たちが欲しいのはそういう道具、霊媒、あるいは普通の男女、その人を通じて霊力が受け入れられ、霊の教えが語られ、知識が伝達されるような精神構造をした人たちです」(3巻123⑤~⑦)。さらには「霊力に反応する人であればいつでもどこでも神の道具となります」(4巻31⑤~⑥)など。

 

B:霊力の通路としての影響力の違い

霊能者も一般人の男女も「霊界側の真理普及の計画」を推し進める際に、霊力を地上に降ろす通路となりうることには変わりない。しかし役割や影響力という観点から見ると両者に大きな違いがある。なぜなら霊能者がいなければ霊界から地上に、霊的教訓を降ろすことや霊的証拠を提示することができないからである。

このような役割を持つ霊能者は、「唯物論と利己主義」がはびこる地上世界という“戦場”においては、破壊力の大きな「戦車」にたとえることができる。なぜなら「戦車」の「破壊力(=影響力)」は、「歩兵(=一般人の男女)」の持つ小銃の数千倍もの威力があるから。

 

以上からも明らかなように霊力の通路となりうるのは、霊能者だけに限らず当然に一般人の男女もなりえる。このことはシルバーバーチがしばしば述べているように「奉仕は霊の通貨」(11巻142②)であるとして、利他的行為を推奨していることからもうかがえる。両者の大きな相違点は霊力の通路としての影響力、つまり「戦車」の砲塔から放たれる弾丸の破壊力と、歩兵が持つ小銃の破壊力の違いだけである。このようにシルバーバーチは、スピリチュアリズムの普及運動において重要な役割を演ずる「霊能者(=戦車)」を、「一般人の男女(=歩兵)」以上に強調して述べただけである。

 

C:日本に於ける「攻めの普及活動」

大正時代の末期から昭和初期にかけて、浅野和三郎は霊能者を活用した「攻めの普及活動」を行おうと考えて、スピリチュアリズムの普及に大きな貢献ができる優秀な霊能者を探し求めていた。それは当時(20世紀初頭)の欧米社会においては「いずれの国においても客観的(物理的)心霊現象の霊媒が、心霊運動の口火を切る役になっていた」からであった。

昭和4年以降、浅野のもとに亀井三郎をはじめとする「浅野和三郎系の霊媒」(→参照:浅野和三郎系の物理霊媒 https://1411.cocolog-nifty.com/ks802/2016/06/post-f9a0.html)が次々と集まってきた。それらの霊能者を前面に据えたデモンストレーションによって霊的知識の普及に弾みがつき、霊的レベルの向上がもたらされた(→“戦車”を中核に据えた攻めの普及活動)。このことによって日本のスピリチュアリズムは「黎明期」から「発展期」へと大きく飛躍した。

 

③.霊的能力(サイキック能力、スピリチュアル能力)

A:二種類の能力

霊的能力の発達には、まず自我の本体に内在している“霊(=神の分霊)”を意識の領域に顕在化させていく「自我の本体そのものの進化(→霊の進化、スピリチュアル能力の発達)」がある。次にこれとは別に“自我の表現器官たる霊体”に具わっている「心霊能力の開発」、つまり自我が霊の世界において自己を表現する為にまとう霊体に具わっている能力(→自我の表現器官に関する発達、サイキック能力の発達)がある。このように霊的能力の発達には二種類ある(4巻99⑩~⑭、到来81⑪~⑮、語る43②~⑥)。

霊能開発をすると最初に心霊的(サイキック)な能力が出てくる(1巻157⑫~⑬、→人間は例外なく心霊的能力を具えている:12巻37⑦)。この心霊的な能力が発現した後に霊的(スピリチュアル)な能力が出てくる。

 

B:霊的進化の指標

シルバーバーチは一貫して「霊の進化」の必要性を説いている(→霊的進化の指標はサイキック能力の発現ではない)。「人の為に役立つ仕事を目的として霊界のスピリットの協力を得ながら心霊能力を開発した時」(2巻109①~109③、7巻129⑤~⑥、福音81⑦~⑫)が本当の意味で霊的進化の始まりの時と述べている。そのためには霊能開発と並行して他者のために役立つ仕事をして、霊界人の協力を得る必要がある。

これに対してサイキック能力は霊的身体という形体に具わっている能力であり、霊が進化していく過程で自然に発揮されていくものである。サイキック能力が発揮できるようになることが必ずしも「霊の進化」の指標とはならないから(12巻214④~⑤)。

 

C:霊的に進化したと言える為には

霊能者(霊媒体質者)の“心霊的な能力の発達(=霊が使用する形体の発達、サイキック能力の発達)”に“霊性の進歩(=スピリチュアル能力の発達)”が伴っていなければ、霊的に進化したとは言えない(4巻99⑩~⑭、道しるべ111⑨~⑬、到来81⑪~⑮、語る43②~⑥)。なお心霊現象は霊媒体質者が有する心霊的(サイキック)な能力と、霊界人の協力による霊的(スピリチュアル)な能力の組み合わせで起こるものである(福音81①~④)。

 

④.霊能者と金銭

A:評価の指標

しばしば霊能者は金銭的になり過ぎると“仕事”がうまくいかなくなると言われている。一般に「霊能者と金銭」の問題は、霊能者を評価する際の指標として良く用いられている。

それは霊能者が金銭的になり過ぎると霊的波長が下がり、感応道交する霊は物質臭の強い霊だけとなってしまうからである。

霊媒現象における“霊界人の協力”は顕幽を隔てる波動の壁を、親和性と“愛の力(磁気的な回路)”をベースにして乗り越えて発揮されるもの。霊能者が金銭的になり過ぎると波動が物質的となって、援助しようとする霊界人との関係が疎遠になるから(→霊訓では“愛の力”が低下するからという表現が使われている)。親和性の法則により物質レベルの波動に見合った低級霊を呼び寄せて、その影響下に置かれるからとされる。

 

B:目的限定の能力

高級霊は「(霊媒能力は)あくまで霊的な目的の為に使用しなければならない。営利目的の為、単なる好奇心の満足の為、あるいは低劣な無意味な目的の為に使用してはならない」(続霊訓123⑬~⑮)。また日本における「スピリチュアリズム(心霊主義)&サイキカル・リサーチ(心霊研究)」の草分けの一人である浅野和三郎も「たとえ乞食になろうとも、霊媒になって飯を食おうなどとはお考えにならぬが得策です」(脇長生編『精神統一入門』霊魂研究資料刊行会、58頁⑨~⑩)と述べている(→多くの事例を見てきた先人たちによれば営利目的に走った霊能者の末路は悲惨だという)。

 

上記のように高級霊や先人たちは、霊能力は営利目的や単なる好奇心の満足のために使用してはいけないと述べる。なぜなら霊能力は“地上人生で利他的行為にのみ使用する”という、目的を限定して与えられた能力だから。

シルバーバーチは霊能力の問題を、常に“潜在的完全性(=霊)”の顕在化という観点に立って述べている。「霊媒はやむにやまれぬ献身的精神に燃えなければならない。その願望そのものが霊格を高めていく」(6巻118①~⑥、到来112④~⑩)からと。

 

2.心霊現象について

①.物理的心霊現象について

ア)心霊現象の種類

心霊現象には誰でも見える形で出現する空中浮揚・物体移動・物品引き寄せなどの「物理的心霊現象」と、霊媒を通して語られる霊視・霊聴・霊言・自動書記などの「精神的心霊現象」、そして両者の中間形態(→身体の病気を治すという意味では物質的ですが、それを治すエネルギーは霊的なもの:新啓示41⑭~⑮)の「心霊治療」の三つに分けることが出来る。

 

イ)エクトプラズム

A:霊の進化と物的エネルギーの関係

「霊は進化するほど物的エネルギーが扱えなくなり、精神的感応力に訴えて知的な指導と指揮にあたることになる」(続霊訓160⑬~⑭)。なぜなら物質化現象を起こすためには中間物質が必要となるから(→中間物質はエクトプラズムの材料となる)。実験に携わる霊界人はいまだ物的波動から抜け切っていない霊性レベルの低い霊であり、その霊が霊界側の技術者となって高級霊の監督の下で働くことになる(霊訓上64⑬~65④、霊訓上77⑧)。

 

B:物質化現象の材料

客観的な心霊現象である「物理的心霊現象」の出現には、霊媒から流出するエクトプラズムがカギを握っている。エクトプラズムは物質と生命との中間的存在(=半物質)である接合体の中で作られて(個人的存在82⑩)、物質化現象の材料となる。このエクトプラズムを豊富に作る能力を持っている人が物理的霊媒になることが多い(個人的存在82⑫~⑬)。霊的体質の違いによってエクトプラズムには個体差があるが、トランス状態になるとそれが外部に流出する。これに霊界の技術者が特殊な成分を混ぜ合せて、物理的心霊現象を引き起こす材料を作る。

 

C:名付け親

この名付け親は、フランスの生理学者(パリ大学医学部教授、1913年ノーベル賞受賞)シャルル・リシェ(Charles Richet:1850年→1935年)である。リシェは多くの霊媒を調査して、物理的心霊現象は霊媒の体内から出る半物質状の透明な物体がさまざまに変化して、物質化して現象を起こすということを突き止めた。その半物質状の物体を「エクトプラズム」と名付けた。このエクトプラズムは多量の白血球と上皮細胞を含んだ唾液の成分に似ており、これが霊媒の口・鼻孔・目・くるぶしの裏側などの皮膚の薄いところから出て来て物質化現象を引き起こす(注1)。

 

ウ)エクトプラズムの質

エクトプラズムは霊媒から抽出されるため、「霊媒の体質が粗野であればエクトプラズムも精神的ないし霊的に程度が低く、精妙度が劣る。精神的に霊的に垢抜けした霊媒であれば、その性質がエクトプラズムにも反映する」(1巻90⑬~91①)という具合に、霊媒の霊的レベルはエクトプラズムの質に反映する(→物理霊媒の場合は霊格が低いほどエクトプラズムの質が落ちる:メッセージ84⑦~⑨)。また霊媒自身の健康状態によっても左右される(ハリー・エドワーズ著『ジャック・ウェバーの霊現象』136頁)。

このような性質を持つため霊媒は霊的レベルの向上を心がけた生活を送れば、人間性が向上すると同時にエクトプラズムの質まで向上することになる。

 

エ)物理的心霊現象の目的

A:受容性に見合ったもの

物理的心霊現象は従来の物理的法則では解釈のつかない現象を、あくまで科学的手段によって実在性を立証するという目的を持ったもの。その方法は当時の人たちの受容性に見合った形がとられることになる。19世紀後半「従来の物理的法則では解釈のつかない現象をあくまで科学的手段によって、その実在性を立証する」(新啓示40⑨~⑩)として、物理的心霊現象が科学者の関心を呼んだ時期があった。

この時期に頻発した現象は、地上に霊的真理を普及するという計画の一環として行われたものであった。霊的実在の証明方法は当然に人間の霊性レベルに応じて手段は変化して行く。物理的心霊現象から「心霊治療と霊的教訓」への変化はその表れの一つであった。それは「霊媒現象の歴史が、詐術の嫌疑との闘いの連続であった」(新啓示42⑭)から。

 

B:物理的心霊現象は補助的手段

いつの時代にも「自分の目で確かめ、手で触れないと気が済まない人、物的次元での証拠を必要とする人」(到来49③~⑨、新啓示111①)はいるので、その人のために物的な現象は必要である。シルバーバーチはスピリチュアリズムにおける様々な物理的心霊現象は「注意をひくためのオモチャにすぎない」(1巻126⑩)と述べる。

霊媒現象の目的は見る目を持つ者、聞く耳を持つ者、触れる手を持つ者に一点の疑いもなく霊的真理の実在性を納得させて、人間は霊的な存在であるということを自覚させることにある。本来、物理的心霊現象とは霊的自覚を得るための補助的なものに過ぎない(1巻161④~⑤、2巻181⑮~182②、霊訓上78⑮)。20世紀に入ると物理的心霊現象は徐々に後退して「心霊治療と霊的教訓という高等な側面」(9巻165⑧~⑩)が前面に出てきた。

 

C:ハンネン・スワッハー・ホームサークル

バーバネルが霊媒となってシルバーバーチが出現する交霊会は「ハンネン・スワッハー・ホームサークル」という名称で知られている(1巻10①)。このサークルでも交霊会の初めにテーブル現象がしばしば行われていた。参加者全員がテーブルの上に手を置き賛美歌を歌っているうちにテーブルが動き出す。そしてシルバーバーチ霊団のメンバーが各々テーブルを動かして挨拶をした(7巻14①~⑩)との記載がある。翻訳者の近藤千雄氏によればこの現象は「交霊会の霊的磁場を強固なものにするため」(霊媒の書90⑦)であったという。物理現象によって何の問題も起こらなかったのは「背後に高級霊団が控えており、邪魔が入らないように万全の対策を講じていたから」(霊媒の書90⑧)と述べている。

 

②.交霊会の参加者・立会人

ア)霊的エネルギー

A:霊的な柵の構築

霊的面から交霊会を見れば、会場に入ってほしくない霊を締め出すために(→周りに霊的な結界を作るため)、霊界側に“霊的な柵”をこしらえられるだけのエネルギーを参加者から供給してもらわなければならない(7巻94⑥~⑦)。参加者全員から少しずつエネルギーを取り出し、それを霊界側が用意したエネルギーとミックスして、支配霊は交霊会の運営のために使用する(7巻94⑩~⑪、2巻137⑦~138④)。このように「参加者全員のエネルギー」と「霊界側のエネルギー」が融合して、交霊会には霊的な“結界”が作られる。

 

公開交霊会では支配霊を中心とする霊団が霊媒と通信霊を取り囲んで行われている。なぜならば交霊会に無分別な霊がもぐり込んできて「通信を正確に伝えるのに必要なデリケートなバイブレーションを台無しにしてしまう」から。それだけ周到に注意を払っても「その囲いの外から自分の存在を認めてもらおうとして大声で叫んでいる霊を鎮めることは出来ない」(M・バーバネル著『これが心霊の世界だ』潮文社87頁)。ある公開交霊会では“結界”の外から、ロンドン訛りの霊から「なあ、ねえさん、オレにもやらせてくれなよ。ほかの連中はみんなやったじゃねえか」(バーバネル著『これが心霊の世界だ』88頁)と言われたという。

このように霊の世界に行けばすぐに高い霊格が得られるというわけではなく、この世の人間と何ら変わるところはない。霊と云えども単に肉体がないだけであって、その本性は「霊的自覚」が芽生えてくるまでは地上時代と何ら変わりはない。交霊会を台無しにされないためにも“霊的な柵”を作る必要があるわけである。

 

B:顕幽のエネルギーを融合して用いる

物質化現象を起こすために使われるエネルギーは、参加者全員から少しずつ取り出し、それを霊界側が用意したエネルギーとミックスして交霊会の運営の為に使用する(7巻94⑩~⑪、2巻137⑦~138④)。このように「参加者全員のエネルギー」と「霊界側のエネルギー」が融合して使用される。

物質化現象を起こすために使われるエネルギーは、霊媒や実験会の参加者、実験室内にあるあらゆる物(→カーテン、カーペット、家具、その他室内備品)から抽出される(注2)。物質化霊の衣装に色を付けるために部屋中の素材から色素だけを抽出することもあるという(道しるべ95④~96⑦、語る255⑩~257①)。

 

イ)交霊会参加者の心得

A:実験会の参加者は単なる見学者ではない

実験会の参加者は単なる見学者ではなく、物理的実験に必要なエネルギーを供給する役割を果たしている。交霊会の会場の雰囲気は受け身的でなければいけない(福音208⑩~209⑦、4巻159⑧~⑩)。なぜなら地上側はあくまでも受信者だから。

現象を起こすために用いるエネルギーは、霊媒や参加者の身体機能が受け身的な状態の時のみ利用できる。激論をしてエネルギーが脳に動員されている状態の時や、消化器官が活発に活動している状態の時はそれぞれの器官で消費されているので使用できない(続霊訓169⑥~170③)。出席者の中に一人でも病気や精神的悩みを抱えている者がいると、オーラ本来の機能が低下して通信に影響が出てくる(続霊訓166④~⑪)。また参加者が特別な先入観を抱いている場合や出席者の間に不協和音があると、それが交信の障害となって霊媒と支配霊との融和を妨げることになる。

交霊会の進行中は絶え間なく精神的エネルギーが作用しているので、「出席者の想念、思念、意志、欲求、願望のすべてが通信に何らかの形で影響を及ぼす」ことになる(4巻159⑩~⑪、福音208⑩~⑫、続霊訓131⑦~⑧)。

 

B:心霊研究者や懐疑論者はエネルギーの供給を無意識に拒絶

心霊現象に霊媒(超能力者)による不正行為が存在したか否かに関しては、一般に心霊研究者や懐疑論者は常に強い関心を持っている。そのため実験に不正行為が介在しないようにとあらゆるケースを想定して、厳格に管理された条件下で行おうとする。当然に心霊現象の出現は弱く小さくなる。なぜなら心霊研究者や懐疑論者は物理的実験に必要なエネルギーの供給を無意識的に拒絶するから。このように参加者が持つ思念や特別な先入観などは、心霊現象に大きく影響を及ぼすことになる。

また霊界にいる低級霊の妨害も考慮しなければならない。学術的な研究目的ではなく、単なる懐疑論者が催す興味本位の実験会では、支配霊はエネルギー不足から実験会場を霊的にガードする“柵(結界)”が構築できず、低級霊のなすがままにされてしまう場合がある。実験会のメンバーの間に意見の衝突があって雰囲気が乱れている時も、低級霊の介入を許すスキを与えてしまうことになる(福音236⑫~⑬)。

 

ウ)レギュラーメンバーの存在意義

交霊会はレギュラーメンバーで定期的に開くのが安全である(2巻133⑭~134②)。すぐれた支配霊による交霊会では、レギュラーメンバーは何らかの存在意義を持った者が厳選される。中にはただ出席して椅子に腰かけているだけで好影響を及ぼす人もいるという。このようなレギュラーメンバーによる交霊会では、普段からその人のオーラを通じて霊的エネルギーが供給されているため霊的に安定している。しかし初めての人ばかりの集まりだと、交霊会の環境・条件を改めて整える必要がある(2巻143⑧~⑮)。

 

③.霊界通信について

ア)霊媒の潜在意識を使用する

A:霊言現象の仕組み

霊媒現象の一種である霊界通信は霊媒の潜在意識を使用して行われる(4巻157⑫)。通信霊は霊媒のオーラと自身のオーラを融合させて、霊界から携えてきた映像、思想、アイディアを霊媒の潜在意識にある単語や思想を使って文章にして、または霊媒の潜在意識が自動翻訳機的な働き方をすることによって自ら単語や思想を選び出して文章にする。その文章を潜在意識と繋がった言語機能に関わる器官(声帯、舌、口)を使って、一連の言葉として霊媒の口から発声される。これが霊言現象の仕組みである。

 

B:一時的に吐き出させる

その際に霊媒の精神を強く支配している固着観念があって、それが何らかの表現を強く求めているような場合がある。そのようなケースでは霊界から携えてきた通信を送る前にその観念を一時的に吐き出させる必要がある。その際の通信は霊媒の“潜在的観念の表明”であり、何らかの強い思いでしかない(1巻89③~⑦)。このような事例があるので通信内容を鵜呑みにせず、必ず理性で吟味する必要がある。

 

C:霊界通信の良し悪し

霊媒の潜在意識を使った霊界通信の良し悪しは、「オーラの融合具合」(→霊媒の潜在意識に付着している“色”の問題は、通信霊のオーラと霊媒のオーラが完全に融合しているか、部分的か、全く融合していないかに掛かっている:4巻159①~②)や、「頑なに固執している固着観念の問題」「霊媒の健康状態」「会場を取り巻く雰囲気の問題」など、多くの条件によって左右されることになる(1巻89③~⑧、6巻207①~⑤)。

このように通信霊が伝えたいとする内容は霊媒の潜在意識によって影響を受けるため、霊媒を通して地上側に百%伝わることは滅多にない(1巻88①~②)。この点からもシルバーバーチが「霊媒の潜在意識にあるものを完全に支配して、私自身の考えを百%述べることが出来る」(9巻17⑮~18②)状態は、極めて稀有な現象であることが分かる。ここに数多い霊界通信が存在する中で『シルバーバーチの霊訓』の優位性の根拠がある。

 

D:用語がないので通信できなかった例

霊媒現象では霊媒の潜在意識にある用語が使われるので、無学文盲の霊媒では高度な通信は送れない。このことに関してマイヤース霊は、自動書記霊媒のカミンズの“記憶の層(→潜在意識の比較的浅い部分に存在する再生人生に於ける記憶の層のこと)”に天文学に関する用語が無かったため、通信が送れないとして一時中断して、カミンズに百科事典の天文学の項目を読むように指示して読ませた。マイヤース霊が欲しかったのは宇宙に関する用語であって、知識ではなかった(個人的存在20⑪~21②)。

 

E:霊媒の人間性の問題

霊媒には霊媒としての考えがあり偏見があり好き嫌いがあるので、霊界通信にはある程度まで霊媒の固着思想が影響を及ぼしている(4巻158⑪~159②)。このような問題があるため霊媒の潜在意識が心霊現象に及ぼす影響の程度や、人間的性質の完全な排除の問題など、霊媒の人間性がしばしばテーマとなっている。

シルバーバーチは「安ものの楽器よりも名匠の作になる楽器の方が良い音楽を生むのと同じで、霊媒も教養が高いほどよい、良い道具ほど良い通信を受けやすいから(→マイヤースの通信からも分る通り、霊媒の潜在意識に多くの言葉が蓄積されてないと、送れる通信の内容が限定されてしまうから)」、または「高級霊が人間性の低い霊媒を通して出ようとしても、その霊格の差のために出られません。接点が得られないから」と述べている(4巻160⑥~⑩、4巻161⑥~⑪、メッセージ83⑤~84⑫)。

 

イ)情報源との連絡網

通信霊は霊媒の潜在意識を支配すると同時に、情報の供給源である霊界との連絡網を維持しなければならない。この世でもテレビの収録現場でカメラの前に立つ司会者は、シナリオ通りに出演者と会話を交えて番組を進めているが、予想外の展開になった時はカメラの死角にいるアシスタントがボードを使って必要な情報を司会者に送っている。司会者はテレビカメラに向き合って番組を進めると同時に、想定外の情報はアシスタントから入手している。

このようにテレビの収録現場では出演者やスタッフが“平面上の同じ空間”で仕事をして、番組を作成しているが、霊界通信では霊の世界から波動の異なる物質の世界へと、次元を超えて通信を送らなければならない。さらに地上側の雰囲気が悪いと霊界との連絡網が限定されると同時に、通信霊と霊媒のつながりも弱くなってしまう。そのためより一層通信が困難となる(2巻118⑪~⑫、2巻119⑤~⑥、メッセージ20⑤)。

 

ウ)多様な通信霊と通信内容

霊の世界は無辺であり、そこに住む霊の体験も多様であり無限であるので、霊界通信としてどういう内容のことが伝えられるかはひとえに通信霊の霊的レベルに係っている。霊の世界に移行後も固着観念を捨てきれずに地上的波動の中で暮らしている霊は、その固着観念に沿った内容のメッセージを送ってくることになる。ここに霊によって送られてくる内容に食い違いが生じる理由がある(10巻87①~88①、到来30②~⑧)。

霊界通信は送られてきた内容によって価値が決まるので(2巻204⑦~⑬、道しるべ37①~②)、価値ある情報を入手したければ自らの霊性を高めると同時に、感応道交する霊のレベルを上げる必要がある。

このように多様な通信霊の存在と通信内容が存在するため、霊界通信に接する場合には理性で通信内容を吟味して、常識的に考えて辻褄が合わないものは拒否する態度が必要となってくる(10巻88②~③)

 

エ)犠牲を伴った行為

霊妙な波長にある霊の世界から荒い波長の地上世界に、霊媒現象という形で霊が戻って来るには、多くの困難な条件をクリアする必要がある。そのため困難を克服して戻ってくる霊は愛念を抱く者や、使命がある霊に限られることになる。愛念こそが「地上の縁者を慰め、導き、手助けしようと思わせる駆動力」となるからである(1巻89⑨~90①)。ここから多くの霊界通信は意識の関心が地上に向いている、物質臭の抜けきらない幽界の下層に居住する血縁者からのものとなる。ここに血縁重視の霊界通信が多くなる理由がある。

 

さらに使命がある霊性レベルの高い霊の場合には、波長の切り替えを行って地上の荒い波長に同調させなければならない。このような困難を乗り越えてまで遂行しようとする使命とは、すべての人間には例外なく神の分霊が宿っている、その神性を自覚させて(=霊的自覚のこと)意義ある地上生活を送ってもらいたいためであり、ここに霊媒現象に秘められた目的がある(7巻29⑮~30③、最後啓示49⑥~⑧、最後啓示187⑤~⑧)。

 

オ)自動書記通信

自動書記通信で有名なモーゼスの場合は、一人きりになって心が受け身的になっている時に通信が不意に来るという。その際にモーゼスのオーラがしみ込んだノートや、使い慣れたテーブル、自分の部屋の方が現象は出やすいと述べる(霊訓上17⑨~⑩、霊訓上20⑥~⑦)。

モーゼスは霊から、仕事で過労気味の時、興奮状態の時、身体の調子が悪い時、精神的な悩みや心配事のある時、食事のすぐ後、身体が眠気を催している時は自動書記をしないようにと注意された(霊訓上77⑫~78⑧、霊訓上79④~80⑰)。このような状態の時は霊媒の波長がより物質性を強めているから。

 

④.霊媒現象の周辺部

ア)バーバネルの場合

シルバーバーチの霊媒バーバネルが入神に至るまでの状況は、まず気持ちを落ち着かせて受け身の心境を作る。いわば気分的に身を投げだす状態に置く。その状態で祈ると次第に温かみを感じて(→霊界人のオーラと霊媒のオーラが融合していく時の反応)、呼吸がリズミカルになり意識が薄らいでいく。その時の状況は柔らかい毛布で包まれたみたいな感じであるという(1巻14⑦~16③)。また意識が回復して目覚めた時は、部屋がどんなに温かくしてあっても下半身が妙に冷えており、時には入神中に感情が使用されたのが分かるという(1巻15④~⑤)。このようにオーラを介して霊媒現象が行われる。

 

イ)潜在意識との関係

A:潜在意識の持つ自動連携機能を操作して行う

身体機能をコントロールする潜在意識は(→この機能は潜在意識の浅い部分に存在する)、顕在意識の命令にしたがって機能することに慣れている。一般的な霊媒現象はその潜在意識の持つ自動連繋機能を操作して行われる。つまり命令の指示系統を通常の「顕在意識の指示→身体機能をコントロールする潜在意識」から、「知的存在の指示→身体機能をコントロールする潜在意識」に変える必要がある(→憑依現象もこれと同じパターン)。なぜなら霊媒現象はすべて霊媒の潜在意識が使用されて行われているから(2巻66⑬、メッセージ80⑦~⑫)。そのためには支配霊は霊媒の潜在意識の連携パターンを熟知する必要がある(メッセージ81④~⑧)。

これはタイプライターに例えて説明がなされている。タイプライターのキーを押すと該当する文字が用紙に印字されるという具合に、前もって“身体機能と結びついた潜在意識”の機能を熟知しておく必要がある。

 

B:霊媒現象と睡眠との違い

なおこの場合の潜在意識とは、身体をコントロールしている潜在意識や記憶が貯蔵された潜在意識のことであって、比較的浅い部分に存在する潜在意識のことである。霊媒現象を起こすためには霊媒の潜在意識を使用する必要があるので、霊媒が睡眠状態に入ると“身体をコントロールする潜在意識”も活動を停止してしまうので現象が起こせない。ここに霊媒現象と睡眠との違いがある(メッセージ74②~⑪)。

 

C:オーラの融合がポイント

霊媒に乗り移った霊は意識に浮かんだ映像、思想、アイディアを音声に変えなくてはならない。その際に霊媒のオーラと霊のオーラがどこまで融合できるかがポイントになる(→オーラを通して操作するから)。なぜならオーラの融合具合によって、霊媒の潜在意識の中にある語彙(→霊媒自身が忘れている語彙もある:8巻78⑧~⑨)に付着している“色”を、どこまで排除できるかの問題があるから(1巻88⑦~89②、8巻78⑤~⑫)。

通信霊が高級霊であってもオーラの融合具合によっては、霊媒の潜在意識に影響された通信となってしまう(注3)。

 

ウ)「優秀な霊能者」と「重度の憑依患者」はコインの裏表

霊媒現象の全ては霊媒の潜在意識を使用して行われるので(2巻66⑬)、霊媒現象の良し悪しは支配霊と霊媒のオーラとの融合具合にかかっている。両者のオーラの融合具合が進むほど純粋な通信を受信できるようになる、これを「優秀な霊能者」という。支配霊や通信霊がいかに高級霊であっても、霊媒とのオーラの融合具合が悪ければ高度な通信は送れず、その通信内容は単に霊媒の潜在意識の表明でしかない。

 

これに対して憑依現象は、親和性の法則によって自分の霊的波長に見合った憑依霊(→中間境の下層にいる地縛霊や幽界の下層にいる邪悪な意図を持った低級霊)を呼び込み、霊媒体質者のオーラと融合して潜在意識が支配されてしまう状態をいう。憑依霊は霊媒体質者の身体機能や思考機能をコントロールして、異常な行動や言動、病気を引き起こすことになる。憑依現象にも両者のオーラの融合具合に応じて、軽い憑依現象から重大な憑依現象まである(注4)。

このように霊媒体質者が同意して潜在意識を使用させるのが霊媒現象であり、霊媒体質者の意思を無視して潜在意識を支配する場合が憑依現象である。

 

⑤.予知・予言について

霊界から送られてきた情報で「霊的なものは霊的に理解するのが鉄則」であり、「象徴的に述べられているものをそのまま真実として読み取ってはいけない」(2巻208⑪~⑫)。

高級霊にとっても「未来の出来事の予見は、ある一定のプロセスによって閃光の形でひらめく」こと、地上と霊界では時間の流れが異なること、複数の次元にわたる大変な調整が必要であり至難の業であることなどから、「先のことがすべて分かっているわけではない」という(道しるべ77①~④、到来192①~⑨)。

 

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<注1>

エクトプラズムについては、ハリー・エドワーズ著『ジャック・ウェバーの霊現象(世界心霊宝典4)』(国書刊行会1985年刊)135頁~144頁を参照。

エクトプラズムの性質に関しては「べとべととまではいかないが湿り気があり、一種独特のにおいがする」「出て来たエクトプラズムが霊媒の体内に戻る速さもまた瞬間的である・・・まるでゴムのようにビューンという音とともに消えてしまったことがある」「エクトプラズムはみな(霊媒の)細胞で出来ていて、神経も毛細管もあり、従って感覚もある」「どんな形態であってもエクトプラズムは全て霊媒の身体から出て霊媒の身体に戻って行くのであるから、本質的には人体の一部であるわけで、当然生き物であることになる」

 

エクトプラズムが物質化現象の材料に使われる件につき「まずエクトプラズムが製造されると、専門の霊が出現を希望するスピリットのエーテル体の周りにそのエクトプラズムを塗り付ける。その際、そのスピリットはエクトプラズムの中から物質化する為に必要なエネルギーを吸収することが出来る。そうすることによって内臓までも物質化させて、地上時代と全く同じ固さの物質をまとうことになる。それでしゃべったり歩いたりと、人間と同じことが出来るわけである」。

 

<注2>

シルバーバーチの交霊会に参加した霊媒のリリアン・ベイリー女史(Lilian Bailey)は、霊視で交霊会の舞台裏で働く“霊界の技術者”たちの姿を実況してみせた。「このボリュームあふれるエネルギー、迫りくるパワーは物質化現象に使われるものですね」「何人かのスピリットがそのエネルギーを部屋の中央へ運んで一つの固まりをこしらえているようです」「私が見たところでは大きな柱のようですね。白い柱です。コチコチに固いものではありません。そこから何本かの紐状のものが伸びて、メンバーの一人一人とつながろうとしています。各メンバーから何かを摂取しようとしているみたいです」(4巻181頁~182頁)と述べている。

 

<注3>

シルバーバーチはホワイト・イーグルを同志と呼んでいるので、霊的レベルはシルバーバーチとは同格の高級霊であると思われるが(→同志の一人であるホワイト・イーグルには彼なりの考えがあってのことでしょう:新啓示25④)、その霊界通信にはキリスト教や神智学の影響が強く表れている。

霊界通信に霊媒の潜在意識に付着している“色”が表れたのは、ホワイト・イーグルと霊界の霊媒(?)と地上の霊媒のグレース・クックの三者のオーラの同調が、完璧の域までは達していなかったことが考えられる。このためグレース・クックの潜在意識にある、言葉や概念に付着している“色”が、オーラの同調が完璧ではなかったために払拭しきれず、霊界通信にキリスト教や神智学の影響が強く表れてしまったと言える。

ここに霊界通信の難しさがある。支配霊又は通信霊が極めて高級な霊といえども、オーラの同調が完璧の域まで達していなければ、多かれ少なかれ霊媒の固着観念に色付けされた霊界通信となってしまうという好例である。

 

<注4>

アラン・カルデック編『霊媒の書』には「低級霊に憑依されるまでの三つの段階」として憑依の進行状況が紹介されている(208頁~211頁)。

 

<第一段階は「しつこく付きまとわれる」レベル>

霊媒や霊能者は常に低級霊や邪霊に付け狙われている。低級霊や邪霊と波長が合って通信状態に入っても、一時的なものですぐに縁が切れるので、これは憑依ではない。本人も低級霊や邪霊にしつこく付きまとわれている状態を理解している。こんなことをしていてはダメだと判断すれば、危険から逃れることは可能。しかし「自分は特殊な人間」であると思い込み始めて自惚れてくると、次第に第二段階に移行していく。

 

<第二段階は「幻惑される」レベル>

低級霊や邪霊がしつこく付きまとって日常生活に支障をきたすようになるレベルに、幻惑が加わった状態。邪霊が霊媒や霊能者の思念そのものに直接的に働きかけて、幻想を生じさせる。その結果、霊能者や霊媒の正邪や善悪の判断力をマヒさせる。「自分は神の化身であると思い込ませ、それらしき勿体ぶった態度で御託宣を述べさせる。誰が聞いても滑稽きわまる内容なのであるが、その辺の判断力がマヒしているから、本人は微塵もおかしいとは思わずに大真面目で大言壮語をする」。低級霊や邪霊は「慈悲心だの人類救済だの神の愛と言った美辞麗句を吹き込む。当人は既に魅入られているから、救世主にでもなったかのような錯覚に陥って、大真面目にそれらしいことを口にする」。霊能者や霊媒の周辺にいる第三者の説諭によって、理性を取り戻すことを低級霊や邪霊は恐れる。

 

<第三段階は「完全に憑依される」レベル>

当人の思考活動だけでなく自由意志まで完全にマヒし、人格全体が憑依されてしまうレベル。「精神が憑依されていく場合は、支離滅裂な行為をしながら、それを正常で立派な行為と思っている」「肉体的に憑依されている場合は肉体器官そのものも支配されて、不随意筋まで自由に操られるようになる」。

C.A.ウィックランド著、近藤千雄訳『迷える霊との対話』(ハート出版、1993年刊)に、この第三段階にある憑依患者が正常な精神状態に戻った事例が豊富に載っている。

 

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