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第4講、霊能者、心霊現象(2023年)

<目次>

1、顕幽の交流

2、霊能者について

・霊能者(霊媒体質者)とは

・霊的影響力の違い

・霊的な能力(サイキック能力、スピリチュアル能力)

・霊能者と金銭

3、心霊現象について

・心霊現象の種類

・物理的心霊現象について

・物理的心霊現象の目的

4、交霊会について

5、霊界通信について

6、憑依(マイナスの親和性)

7、講座に寄せられた質問

 

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1、顕幽の交流

ア、基本的な法則

スピリチュアリズムの土台部分である霊魂説には「この世とあの世は相互に交流が行われている」がある。この交流の根底には「親和性の法則」が存在する。これは霊的成長度が同じで親和性を有する者との交流が日常的に行われている霊界では基本的な法則だが(最後啓示149①参照)、霊界とこの世との間にもこの法則は働いている(5234①~③参照)。なぜなら「人のため」という利他的な願望は、自動的に同じ願望を抱く霊界人を引き寄せるから(217⑤~⑥参照)。

 

イ、最初の一歩は地上人が行動で示す

霊界側から地上人を援助するプロセスを見ると、まず霊界人の援助を引き寄せる為の何らかの“利他的な行動や強い思い”が地上人側に先行して存在する必要がある。最初の一歩は地上人側からであり「必要な条件を人間側が用意する」(2209⑨参照)ことから始まる。 

なぜなら地上人の利他的な行動や思いに共鳴した霊界人が親和性によって引き寄せられるから。霊界人から見れば地上人の意識の高さや霊的成長度はオーラから一目瞭然にわかるので、それだけの“資格”がなければ霊界人の援助は引き寄せられない。これが基本となる。

 

ウ、何のために霊界人は地上人を援助するのか

   

地上人が人のために行う利他的行為は、地上人自身のみならず霊界人にとっても霊性向上のチャンスとなるので、「親和性の法則」から同じ願望を持つ霊界人を引き寄せることになる。なぜなら親和性によって引き付けられた霊界人は、地上人の“利他的行為を援助する”ことによって(→法律用語だが教唆や幇助という形で)、宇宙に遍満している神の一部たる霊的エネルギーを、自らを通路にして他者である地上人に流すことが出来るから。

霊界人は地上人を援助する際に必ず霊的エネルギーの一部が霊界人の中に蓄積される。蓄積された霊的エネルギーは、霊界人自身の“霊的な心(本来の私という意識)”を活性化させて、内在している“神の分霊”の顕在化を促進させる。それによって自らの霊性レベルを引き上げることができる。霊界人も自身の霊性向上の為に常に“人世のために働く”ことを願っている(→なぜなら霊性向上は霊的本能の表れだから)。その為に絶えず霊的エネルギーの“通路・道具”となり得る地上側の協力者を求めている。

利他的行為は霊的エネルギーの循環を促進させる。これに対して利己的行為は霊的エネルギーの循環を阻止し、その結果、停滞が生じて流れに淀みが生じ、その淀みが諸々の災禍(→病気、事故、争い、戦争等)を招き寄せる原因となる。このことをシルバーバーチは「唯物主義(物質中心主義)と利己主義という地上世界を蝕む二つのガン」(1巻101⑫~⑭参照)という形で指摘している。

 

2、霊能者について

①、霊能者(霊媒体質者)とは

ア、言葉の意味

A、顕と幽の間を取り持つ人

霊能者(霊媒体質者)とは「精神的心霊現象」や「物理的心霊現象」を生起し、あるいは繊細な霊的バイブレーションを知覚できる能力を持った者をいう。なお生者と死者との間のコミュニケーションを司る者や、物理的心霊現象を生起させる者を、特別に「霊媒」と呼ぶことがある。この霊媒能力は生来的なものである。また霊能者は霊的な感受性が強い「霊媒体質者」でもある。

「霊能者」や「霊媒」という言葉は19世紀半ば以降のスピリチュアリズム普及運動の中で盛んに使われるようになったが、生者と死者を取り持つ行為自体は古代から洋の東西を問わず存在している。

 

B、霊的感受性

人間を体質別に分けると「霊的に敏感な体質を持つ者(感受性が強い)」と「霊的に鈍感な体質を持つ者(感受性が弱い)」に大別できる。一本の線上の左端には体質面から見て「霊的に極めて強い敏感な者(霊媒体質者)」がいる。そこから右に行くに従って鈍感の割合が強くなって行き、右端には「霊的に極めて強い鈍感な者」がいる。人が持つ霊的感受性はこの左端から右端までの何れかの地点の体質を生まれながらに身に付けて来ている。

このように生まれながらに特有の敏感体質を持つ者を霊能者という。いわば霊能者とは感受性が特別に強いが故に、取り扱いが難しい“精密機械のような体質”を持った者で、その能力を使いこなすにはそれなりの訓練が必要になってくる。

 

イ、人は誰でも潜在的な霊能者

生者も霊である。霊的な視覚・霊的な聴覚・霊的な触覚などの能力自体は、霊的身体が持つ知覚力なので本来的に全ての人間に具わっている。それ故に「人間はみんな潜在的な霊能者」(新啓示117⑦参照)といえる。

人間は物質文明の発達と引き換えに、それまで肉体機能の一部のように自然に使えていた、霊的身体に具わっている“心霊的な能力(サイキック能力)”が退化してしまった(5105②、福音31⑦~⑩参照)。しかしごく少数だが肉体をまとったままの状態でもこの能力を使用できる者がいる。この者を「霊能者・超能力者(サイキック能力者)」と呼ぶ。

 

ウ、霊界と繋がった霊能者とこの世だけの霊能者

人間は霊的成長に伴って“霊体に具わっているサイキック能力”が発揮できるようになっていく。いずれは人間のすべてが発揮する能力だから(5105⑤~⑥参照)。

霊能者の多くは霊界とは何の繋がりもない地上界の範囲内だけの“五感の延長”である心霊的な能力、例えば「霊的な働きかけがないテレパシー、透視、予知などの“ESP・超感覚的知覚”」を有するに過ぎない(福音79⑬~80②参照)。霊界と繋がった霊的な能力(スピリチュアル能力)を持つ“本物の霊能者”は少ない(1163⑪~⑫参照)。

ここから霊能者には“五感の延長”に過ぎない「サイキック能力者」と、霊界と繋がった「スピリチュアル能力者」の二つに大別できる。後者の「スピリチュアル能力者」は霊性レベルに応じた相応の霊界人から、インスピレーションや直感という形で援助が得られる。

なお心霊的な能力が潜在意識の表面近くまで来ている人は(→イラストBの領域、今生に於いて“霊媒体質者としての人生を送る”と決めて生まれてきた者)、霊能開発などによって容易く使用できるようになる(2105④~⑪参照)。このことをシルバーバーチは「人間のすべてが例外なく霊的資質を宿しております。ただそれが発現しやすい段階にまで来ているか否かの差があるだけです」(道しるべ250③~④参照)と述べている。

 

エ、霊能者はより多くの利他的行為が出来る人

  

イラストにもある通り人は誰でも自我の本体(霊的な心・本来の私という意識)の中に“神の分霊”を潜在的に宿している。その潜在的完全性(神の分霊)を意識の領域(霊的な心・本来の私という意識)に顕在化させていくことが、永遠の旅人たる人間の宿命(→霊的本能だから)となっている。

利他的行為を通して徐々に“神の分霊”の顕在化率を高めて意識を拡大させて行くと、最終的には“本来の私という意識”全体に“神の分霊”が顕在化する状態、つまり「霊的な心・本来の私という意識=神の意識」となる。しかしシルバーバーチによれば永遠にこの状態には至らないと言う(福音177⑨~⑩参照)。

意識に潜在している“神の分霊”を顕在化させて行くためには、肉体や霊的身体などの形体をまとって利他的行為を積み重ねて(→形体なき高級霊の場合は思念を通して利他的行為を行う)、その体験によって潜在的完全性(=神の分霊)を顕現させていくことになる。“神の分霊”の顕現度合いに応じて、愛や慈悲心などの“神の属性”が形体を通して外部に滲み出てくる(→高級霊の思念や形体からは愛に溢れた雰囲気が滲み出ている)。この“神の分霊”の顕現はあくまでも自らの行為によって顕在化させていくのであり、他者の祈りや祭りごとによって他力本願的に霊的進化が進むのではない。

 霊能者とは地上人生に於いて、一般人よりも多くの利他的行為ができる能力(→霊力の通路となる能力)を与えられた者である。スピリチュアリズムが目指している世界(地上天国)の招来に果たすことのできる役割は、一般人に比べても格段に大きいからである。それを「地上へ誕生する前の本人の自由意志」(新啓示118①参照)で決めてきた。

 

②、霊的影響力の違い

ア、霊力の通路となり得る者とは

シルバーバーチは“霊力の通路”として、霊能者が果たす役割の重要性をしばしば強調して述べている。たとえば「霊媒というチャンネルが増えれば増えるほど霊的真理という活力あふれる水が地上へ流れ込む」(2182⑮~183①参照)。さらには「大霊の力はそれを顕現させる能力を具えた人を通してしか発現できません。それが霊媒現象の鉄則です」(新啓示51①~②参照)などと。このような文言を目にするたびに、「霊力の通路となりうるのは霊能者のみなのか」という素朴な疑問が湧いてくる。

 しかし『シルバーバーチの霊訓』をじっくりと読んでみれば、霊能者以外の一般人もまた立派に霊力の通路たり得ることを述べている。たとえば「通路は霊媒に限りません。それとは気づかぬままに通路となっている人も大勢います」(179⑨~⑩参照)とか、「私たちが欲しいのはそういう道具、霊媒、あるいは普通の男女、その人を通じて霊力が受け入れられ、霊の教えが語られ、知識が伝達されるような精神構造をした人たちです」(3123⑤~⑦参照)。さらには「霊力に反応する人であればいつでもどこでも神の道具となります」(431⑤~⑥参照)などの表現が見受けられる。

 

イ、霊力の通路としての影響力の違い

霊能者も一般人の男女も「霊界側の真理普及の計画」を推し進める際に、霊力を地上に降ろす際の“手足・通路”となりうることには変わりない。しかし役割や影響力という観点から見ると両者には大きな違いがある。なぜなら霊能者がいなければ霊界から地上に霊的教訓を降ろすことや、霊的証拠を提示することができないからである。

このような役割を持つ霊能者は、「際限なき貪欲と利己主義、唯物主義」がはびこる地上世界という“戦場”においては、破壊力の大きな「戦車」にたとえることができる。なぜならたった一台の「戦車の破壊力(影響力)」は、歩兵(一般人の男女)が持つ「小銃の破壊力(影響力)」の数千倍もの威力があるから。

以上からも明らかなように霊力の通路となりうるのは、霊能者だけに限らず当然に一般人の男女も成り得る。このことはシルバーバーチがしばしば述べているように「奉仕を基調とする真の宗教を確立する」(5巻130⑮~131①参照)や「奉仕は霊の通貨です」(11142②参照)など、利他的行為を推奨している言葉からも分かる。

両者の大きな相違点は霊力の通路としての影響力、つまり「戦車」の砲塔から放たれる弾丸の破壊力(影響力)と、歩兵が持つ小銃の破壊力(影響力)の違いだけである。このようにシルバーバーチは、スピリチュアリズムの普及運動において重要な役割を演ずる「霊能者(戦車)」を、「一般人の男女(歩兵)」以上に強調して述べただけである。

 

ウ、日本に於ける「攻めの普及活動」

浅野和三郎氏(1874年→1937年)は日本における「スピリチュアリズム(心霊主義)&サイキカル・リサーチ(心霊研究)」の草分けの一人である。また日本の「伝統的な祖霊観・霊魂観」と「近代スピリチュアリズム」を融合させて「和製スピリチュアリズム(神道的スピリチュアリズム)」を打ち立てた人でもある。

大正時代の末期から昭和初期にかけて、浅野和三郎氏は霊能者を活用した「攻めの普及活動」を行おうと考えて、スピリチュアリズムの普及に大きな貢献ができる優秀な霊能者を探し求めていた。それは当時(20世紀初頭)の欧米社会においては「物理的心霊現象の霊媒、これが何れの国でも先ず心霊運動の口火を切る役」になっていたからであった(浅野和三郎著「種子は地に蒔かれた」昭和5年1月号『心霊と人生』掲載)。

 昭和3年(1928年)9月にロンドンで行われた第3回「国際スピリチュアリスト連盟(International Spiritualist Federation、略称ISF)」の大会に参加した浅野氏は、英米の多くのスピリチュアリストや霊媒と接触して交霊会に参加する機会に恵まれた。これらの体験はその後の浅野氏が日本に於いてスピリチュアリズムの普及を進めていく上で、かけがえのない財産となった。

帰国した翌年の昭和4年(1929年)以降、浅野氏のもとに亀井三郎氏(1902年?→1968年、本名は松森俊雄)など物理的心霊現象を引き起こすことが出来る霊能者が次々と集まってきた。それらの霊能者を前面に据えたデモンストレーションによって霊的知識の普及に弾みがつき、霊的レベルの向上がもたらされた(→霊能者という“戦車”を中核に据えた“攻めの普及活動”が行われた)。このことによって日本のスピリチュアリズムは「黎明期」から「発展期」へと大きく飛躍した。

 

③、霊的な能力(サイキック能力、スピリチュアル能力)

ア、二種類の能力

霊的能力の発達には、まず“本来の私という意識(自我の本体)”に内在している“神の分霊”を、意識の領域に顕在化させていく「自我の本体そのものの進化」、いわゆる「霊の進化(スピリチュアル能力の発達)」がある。次にこれとは別に“自我の表現器官たる霊体”に具わっている「心霊能力の開発」、つまり自我が霊の世界において自己を表現する為にまとう霊体に具わっている能力、自我の表現器官に関する発達(サイキック能力の発達)がある。

このように霊的能力の発達には「自我の本体の進化(スピリチュアル能力の発達)」と「自我の表現器官の発達(サイキック能力の発達)」の二種類ある(499⑩~⑭、到来81⑪~⑮参照)。霊能開発をしようとして精神統一の訓練をすると最初に心霊的(サイキック)な能力が出てくる(1157⑫~⑬参照)。人間は例外なく心霊的な能力を具えているから(1237⑦参照)。この心霊的な能力が発現した後に霊的(スピリチュアル)な能力が出てくる。

 

イ、霊的進化の指標

シルバーバーチは一貫して「霊の進化(スピリチュアル能力の発達)」の必要性を説いている。霊的進化の指標はサイキック能力の発現ではないから。「人の為に役立つ仕事を目的として霊界のスピリットの協力を得ながら心霊能力を開発した時」(2109①~③、福音81⑦~⑫参照)が本当の意味で霊的進化の始まりの時と述べている。

そのためにはサイキック能力を開発する為の霊能開発と同時並行して、他者のために役立つ仕事をして霊界人の協力を得る必要がある。これに対してサイキック能力は霊的身体という形体に具わっている能力であり、霊が進化していく過程で自然に発揮されていくものである。サイキック能力が発揮できるようになることが必ずしも「霊の進化」の指標とはならない(12214④~⑤参照)。

 

ウ、霊的に進化したと言える為には

霊能者(霊媒体質者)の“心霊的な能力の発達(→霊が使用する形体の発達のこと、サイキック能力の発達)”に“霊性の進歩(スピリチュアル能力の発達)”が伴っていなければ、霊的に進化したとは言えない(499⑩~⑭、到来81⑪~⑮参照)。なお心霊現象は霊媒体質者が有する心霊的(サイキック)な能力と、霊界人の協力による霊的(スピリチュアル)な能力の組み合わせで起こるものである(福音81①~④参照)。

 

④、霊能者と金銭

ア、評価の指標

しばしば霊能者は金銭的になり過ぎると“仕事”がうまくいかなくなると言われている。一般に「霊能者と金銭」の問題は、霊能者を評価する際の指標として良く用いられている。それは霊能者が金銭的になり過ぎると“意識の指向性(→ベクトルの向き)が下・地上的なモノ”に向かい、その結果として霊的波長が下がって感応道交する霊は物質臭の強い霊だけとなってしまうからである。

霊媒現象における“霊界人の協力”は顕幽を隔てるバイブレーションの壁を、親和性と“愛の力”をベースにして乗り越えて発揮されるもの。霊能者が金銭的になり過ぎるとバイブレーションが物質的となって、援助しようとする霊界人との関係が疎遠になるから。その結果、親和性の法則により物質レベルのバイブレーションに見合った低級霊や邪霊を呼び寄せてしまい、その影響下に置かれるからとされる。

 

イ、目的限定の能力

高級霊は「(霊媒能力は)あくまで霊的な目的のために使用しなければならない。営利目的のため、単なる好奇心の満足のため、あるいは低劣な無意味な目的のために使用してはならない」(続霊訓123⑬~⑮参照)と述べる。また日本における「スピリチュアリズム(心霊主義)&サイキカル・リサーチ(心霊研究)」の草分けの一人である浅野和三郎氏も「たとえ乞食になろうとも、霊媒になって飯を食おうなどとはお考えにならぬが得策です」(脇長生編『精神統一入門』霊魂研究資料刊行会、58⑨~⑩参照)と述べている。多くの事例を見てきた先人たちによれば、営利目的に走った霊能者は物質臭に満ちた霊に翻弄されてしまい、悲惨な末路を辿る者が多いという。

 上記のように高級霊や先人たちは、一様に霊能力は営利目的や単なる好奇心の満足のために使用してはいけないと述べる。なぜなら霊能力は地上人生に於いて利他的行為にのみ使用するという、目的を限定して与えられた能力だから。

シルバーバーチは霊能力の問題を、常に“潜在的完全性(神の分霊)”の顕在化という観点に立って述べている。「霊媒はやむにやまれぬ献身的精神に燃えなければならない。その願望そのものが霊格を高めていく」(6巻118①~⑥、到来112④~⑩参照)からと。

 

3、心霊現象について

、心霊現象の種類

心霊現象には誰にでも見える形で出現する“物質化現象・空中浮揚・物体移動・物品引き寄せ・叩音”などの「物理的心霊現象(客観的心霊現象)」と、霊媒の潜在意識を操作して行われる“霊視・霊聴・霊言・自動書記”などの「精神的心霊現象(主観的心霊現象)」、そして両者の中間形態の「心霊治療(心霊医療)」の三つに分けることが出来る。

心霊治療は身体の病気を治すという意味では物質的だが、それを治すエネルギーは霊的なもので、二重の要素を持つ(新啓示41⑭~⑯参照)から。

 

②、物理的心霊現象について

ア、物的要素が濃いエクトプラズム

A、霊の進化と物的エネルギーの関係

霊の進化と物的エネルギーの関係には「霊は進化するほど物的エネルギーが扱えなくなり、精神的感応力に訴えて知的な指導と指揮にあたることになる」(続霊訓160⑬~⑭参照)という。なぜなら物理的心霊現象を起こす為にはエクトプラズムの材料となる中間物質が必要となるから。実験に携わる霊界人はいまだ物的波動から抜け切っていない霊性レベルの低い霊であり、その霊が霊界側の技術者となって高級霊の監督の下で物理的心霊現象を演出するために働くことになる(霊訓上64⑬~65④、77⑧参照)。

 

B、物理的心霊現象の材料

客観的な心霊現象である「物理的心霊現象」の出現には、霊媒から流出するエクトプラズムがカギを握っている。エクトプラズムは物質と生命との中間的存在(半物質)である接合体の中で作られる(個人的存在82⑨~⑩参照)。

霊媒がトランス状態になると体内で精製されたエクトプラズムが外部に流出して、これに霊界の技術者が特殊な成分を混ぜ合せて、物理的心霊現象を引き起こす際の材料として使われる。このエクトプラズムを豊富に作る能力を持っている人が物理的霊媒になる(個人的存在82⑫~⑬参照)。霊的体質の違いによってエクトプラズムには個体差がある。

 

イ、エクトプラズムについて

A、名付け親

このエクトプラズムの名付け親は、フランスの生理学者(パリ大学医学部教授、1913年ノーベル生理医学賞を受賞)のシャルル・リシェ(Charles Richet1850年→1935年)である。リシェはイタリア人霊媒ユーサピア・パラディーノ(Paladino Eusapia18541918)を調査して、物理的心霊現象は霊媒の体内から出る「半物質状の透明な物体」がさまざまに変化して、物質化して現象を起こすということを突き止めた。その半物質状の物体を「エクトプラズム」と名付けた(デボラ・ブラム著『幽霊を捕まえようとした科学者たち』文芸春秋259頁~262頁参照)。

 

B、エクトプラズムの性質

エクトプラズムは多量の白血球と上皮細胞を含んだ唾液の成分に似ており、これが霊媒の口・鼻孔・目・くるぶしの裏側などの皮膚の薄いところから出て来て物質化現象を引き起こすことが知られている。エクトプラズムの性質に関しては、湿り気があり独特のにおいがする。またエクトプラズムはすべて霊媒の細胞からできており、物理現象がどのような形態であっても、エクトプラズムは全て霊媒の身体から出て霊媒の身体に戻って行くので「エクトプラズムは霊媒の一部である」ことになる。そして物理的心霊現象の目的を果たしたエクトプラズムが、霊媒の体内に戻る速さもまた瞬間的であり「まるでゴムのようにビューンという音とともに消えてしまったことがある」という(ハリー・エドワーズ著『ジャック・ウェバーの霊現象』国書刊行会1985年、135頁~144頁参照)。このようにエクトプラズムは物質化現象の材料として使われる。

なお交霊会で物理的心霊現象が出現している最中に、支配霊の許可を得ずに自分勝手にフラッシュや照明などの強い光を当てたり、出現した現象を掴んだりすると、霊媒は「自分の一部」を乱暴に扱われることになるので出血したり人事不省になったりする。注意する必要がある(M・バーバネル著『これが心霊の世界だ(新装版)』56①~⑤参照)。

 

C、霊媒の霊格とエクトプラズムの関係

エクトプラズムは霊媒から抽出されるため、「霊媒の体質が粗野であればエクトプラズムも精神的ないし霊的に程度が低く、精妙度が劣る。精神的に霊的に垢抜けした霊媒であれば、その性質がエクトプラズムにも反映する」(190⑬~91①参照)という具合に、霊媒の霊的レベルはエクトプラズムの質に反映する。当然に物理霊媒の霊格が低いほどエクトプラズムの質は落ちることになる(メッセージ84⑦~⑨参照)。

また霊媒自身の健康状態によっても左右される(ハリー・エドワーズ著『ジャック・ウェバーの霊現象』136⑤参照)。このような性質が有るため霊媒は霊的レベルの向上を心がけた生活を送れば、人間性が向上すると同時にエクトプラズムの質まで向上することになる。

 

③、物理的心霊現象の目的

ア、受容性に見合ったもの

19世紀後半から20世紀初頭にかけて盛んに行われた物理的心霊現象は科学者の関心を呼んだ。それは「従来の物理的法則では解釈のつかない現象を、あくまでも科学的手段によって、その実在性を立証する」(新啓示40⑨~⑩参照)ものであった。

この時期に頻発した心霊現象は、地上に霊的真理を普及するという計画の一環として行われたものであった。その方法は当時の人たちの受容性に見合った形がとられた。なぜなら霊的実在の証明方法は当然に人間の霊性レベルに応じて手段は変化して行くから。物理的心霊現象から「心霊治療と霊的教訓」への移行はその表れの一つであった。それは「霊媒現象の歴史が、詐術の嫌疑との闘いの連続であった」(新啓示42⑭参照)ことが背景にある。

 

イ、物理的心霊現象は補助的手段

「いつの時代にも自分の目で確かめ、手で触れないと気が済まない人、つまり物的次元での証拠を必要とする人」(到来49③~⑨参照)はいる。その人のために物的な現象は「霊的真理の実在性の証明」には必要である。シルバーバーチは物理的心霊現象の役割を「注意をひくためのオモチャにすぎない」(1巻126⑩参照)と述べる。

物理的心霊現象を伴う交霊会や精神的心霊現象などの霊媒現象の目的は、「見る目を持つ者、聞く耳を持つ者、触れる手を持つ者に一点の疑いもなく霊的真理の実在性を納得」させて、人間は霊的な存在であるということを自覚させることにある(1161④~⑤、2181⑮~182②参照)。この目的から見て交霊会の参加者が様々な現象が見られて「面白かった」だけで終われば、奇術師が行うショーと何ら変わらず、その交霊会は失敗したことになる。

本来、物理的心霊現象は霊的自覚を得るための補助的なものに過ぎなかった。20世紀に入ると物理的心霊現象は徐々に後退して「心霊治療と霊的教訓という高等な側面」(9165⑧~⑩参照)が前面に出てきた。

 

ウ、ハンネン・スワッハー・ホームサークル

バーバネルが霊媒となってシルバーバーチが出現する交霊会は「ハンネン・スワッハー・ホームサークル」という名称で知られている(110①参照)。このサークルでも交霊会の初めにテーブル現象がしばしば行われていた。参加者全員がテーブルの上に手を置き賛美歌(→交霊会がキリスト教文化圏で行われたから。その文化圏にいる人なら誰もが知っている讃美歌が“場”のバイブレーションを高めるために選ばれたものと思われる)を歌っているうちにテーブルが動き出す。そしてシルバーバーチ霊団のメンバーが各々テーブルを動かして挨拶をした(714①~⑩参照)との記載がある。

翻訳者の近藤千雄氏によれば、このテーブル現象は「交霊会の霊的磁場を強固なものにするため」(霊媒の書90⑦参照)であったという。物理現象によって何の問題も起こらなかったのは「背後に高級霊団が控えており、邪魔が入らないように万全の対策を講じていたから」(霊媒の書90⑧参照)と述べている。

 

4、交霊会について

ア、交霊会の参加者・立会人

A、霊的な柵の構築

霊的面から交霊会を見れば、会場に入ってほしくない霊を締め出すために、霊界側に“霊的な柵(→通信霊や霊媒の周りに霊的な結界を作る)”をこしらえる必要がある。その為にはエネルギーを参加者から供給してもらわなければならない(794⑥~⑦参照)。

参加者全員から少しずつエネルギーを取り出し、それを霊界側が用意したエネルギーとミックスして“霊的な柵”を作ったり、通信霊や霊媒にエネルギーを供給したりするなど、支配霊は交霊会の運営のために使用する(794⑩~⑪、2137⑦~138④参照)。

交霊会で使われるエネルギーは霊媒や参加者以外にも、室内にあるあらゆる物(→カーテン、カーペット、家具、その他の備品)からも抽出される。物質化霊の衣装に色を付けるために部屋中の素材から色素だけを抽出することもあるという(道しるべ95④~96⑦参照)。

 

B、霊界側から見た交霊会

 公開交霊会では支配霊を中心とする霊団が霊媒と通信霊を取り囲んで行われている。なぜならば交霊会に無分別な霊がもぐり込んできて「通信を正確に伝えるのに必要なデリケートなバイブレーションを台無しにしてしまう」から。それだけ周到に注意を払っても「その囲いの外から自分の存在を認めてもらおうとして大声で叫んでいる霊を鎮めることは出来ない」(M・バーバネル著『これが心霊の世界だ、新装版』潮文社87⑧~⑨参照)。ある公開交霊会では“結界”の外から、ロンドン訛りの霊から「なあ、ねえさん、オレにもやらせてくれなよ。ほかの連中はみんなやったじゃねえか」(バーバネル著『これが心霊の世界だ、新装版』88①参照)と言われたという。

このように霊の世界に行けばすぐに高い霊格が得られるというわけではなく、この世の人間と何ら変わるところはない。霊と云えども単に肉体がないだけであって、その本性は「霊的自覚(→意識の指向性が上・霊性向上に向く、霊として何をすべきかの自覚のこと)」が芽生えてくるまでは地上時代と何ら変わりはない。交霊会を台無しにされないためにも霊界側に“霊的な柵”を作る必要があるわけである。

 

C、具体例

シルバーバーチの交霊会に参加した霊媒のリリアン・ベイリー女史(Lilian Bailey)は、霊視で交霊会の舞台裏で働く“霊界の技術者”たちの姿を実況してみせた。「このボリュームあふれるエネルギー、迫りくるパワーは物質化現象に使われるものですね」「何人かのスピリットがそのエネルギーを部屋の中央へ運んで一つの固まりをこしらえているようです」「私が見たところでは大きな柱のようですね。白い柱です。コチコチに固いものではありません。そこから何本かの紐状のものが伸びて、メンバーの一人一人とつながろうとしています。各メンバーから何かを摂取しようとしているみたいです」(4181③~182④参照)と述べている。

 

イ、交霊会参加者の心得

A、交霊会の参加者は単なる見学者ではない

上記のように交霊会の参加者は単なる見学者ではなく、交霊会に必要なエネルギーを供給する役割を果たしている(→主に交霊会の運営や霊的な結界を作る際のエネルギー源として使用される)。なお交霊会の会場の雰囲気は受け身的でなければいけない(福音208⑩~209⑦参照)。なぜなら地上側はあくまでも受信者だから。

現象を起こすために用いるエネルギーは、霊媒や参加者の身体機能が受け身的な状態の時のみ利用できる。激論をしてエネルギーが脳に動員されている状態の時や、消化器官が活発に活動している状態の時はそれぞれの器官で消費されているので使用できない(続霊訓169⑥~170③参照)。出席者の中に一人でも病気や精神的悩みを抱えている者がいると、オーラ本来の機能が低下して通信に影響が出てくる(続霊訓166④~⑪参照)。また参加者が特別な先入観を抱いている場合や出席者の間に不協和音があると、それが交信の障害となって霊媒と支配霊との融和を妨げることになる。

交霊会の進行中は絶え間なく精神的エネルギーが作用しているので、「出席者の想念、思念、意志、欲求、願望のすべてが通信に何らかの形で影響を及ぼす」(4159⑩~⑪、福音208⑩~⑫参照)ことになる。

 

B、心霊研究者や懐疑論者はエネルギーの供給を無意識に拒絶

心霊研究者や懐疑論者は霊媒(超能力者)による何らかの行為が、心霊現象に介在しているか否かに関して強い関心を持っている。そのため実験に不正行為が介在しないようにあらゆるケースを想定して、厳格に管理された条件下で行おうとする。当然に心霊現象の出現は弱く小さくなる。なぜなら心霊研究者や懐疑論者は心霊現象の出現に必要なエネルギーの供給を無意識的に拒絶するから。このように参加者が持つ思念や特別な先入観などは、心霊現象に大きく影響を及ぼすことになる。

また霊界にいる低級霊の妨害も考慮しなければならない。学術的な研究目的ではなく、単なる懐疑論者が催す興味本位の交霊会では、支配霊はエネルギー不足から会場を霊的にガードする“柵(結界)”が構築できず、低級霊のなすがままにされてしまう場合がある。交霊会のメンバーの間に意見の衝突があって雰囲気が乱れている時も、低級霊の介入を許すスキを与えてしまうことになる(福音236⑫~⑬参照)。

 

ウ、レギュラーメンバーの存在意義

交霊会はレギュラーメンバーで定期的に開くのが安全である(2133⑭~134②参照)。すぐれた支配霊による交霊会では、レギュラーメンバーは何らかの存在意義を持った者が厳選される。中にはただ出席して椅子に腰かけているだけで好影響を及ぼす人もいる。

このようなレギュラーメンバーによる交霊会では、普段からその人のオーラを通じて霊的エネルギーが供給されているため霊的に安定している。しかし初めての人ばかりの集まりだと、交霊会の環境・条件を改めて整える必要がある(2143⑧~⑮参照)。

 

5、霊界通信について

ア、潜在意識との関係

A、潜在意識の持つ自動連携機能を操作して行う

 

身体機能をコントロールする潜在意識は(→この機能はイラストのB潜在意識の浅い部分に存在する)、顕在意識の命令にしたがって機能することに慣れている。一般的な霊媒現象はその潜在意識の持つ自動連繋機能を操作して行われる。つまり命令の指示系統を通常の「A顕在意識の指示 →B 身体機能をコントロールする潜在意識」から、「外部にいる知的存在の指示 → B身体機能をコントロールする潜在意識」に変える必要がある(→憑依現象もこれと同じパターン)。なぜなら霊媒現象の一つである霊界通信はすべて霊媒の潜在意識を使用して行われるから(266⑬、メッセージ80⑦~⑫参照)。

その為には支配霊は霊媒の潜在意識の連携パターンを熟知する必要がある。これをシルバーバーチはタイプライターに例えて説明している(メッセージ81⑤~⑧参照)。一般的な和文タイプライターでは文字配列表にカーソルを合わせてキーを押すと、該当する活字が用紙に押し付けられて印字する仕組みになっている。この例からも分かる通り、支配霊や通信霊は前もって霊媒の“身体機能と結びついた潜在意識”の機能を熟知しておく必要がある。

 

B、霊媒現象と睡眠との違い

なおこの場合の潜在意識とは、身体をコントロールしている潜在意識や今生の記憶が貯蔵された潜在意識のことであって、比較的浅い部分に存在する潜在意識(B)のことである。霊界通信などの霊媒現象を起こす為には霊媒の潜在意識を使用する必要があるので、霊媒が睡眠状態に入ると“身体をコントロールする潜在意識”も活動を停止してしまうので現象が起こせない。ここに霊媒現象と睡眠との違いがある(メッセージ74②~75⑪参照)。

 

C、オーラの融合

霊媒に乗り移った霊は意識に浮かんだ映像、思想、アイディアなどの思念(霊界の言語)を、地上の特定の言語である音声に転換しなくてはならない(→霊界の言語である思念を地上の特定の言語に翻訳する)。その際に霊媒のオーラと霊のオーラがどこまで融合できるかがポイントになる(→オーラを通して操作するから)。なぜならオーラの融合具合によって、霊媒の潜在意識の中にある語彙(→霊媒自身が忘れている語彙もあるが、記憶の層にちゃんと残っている:878⑧~⑨参照)に付着している“色”を、どこまで排除できるかの問題があるから(188⑦~89②参照)。

通信霊が高級霊であってもオーラの融合具合によっては、霊媒の潜在意識に影響された通信となってしまう(→霊訓の内容は別にして、ホワイト・イーグルの霊訓やオーエンの『ベールの彼方の生活』にはキリスト教の色が強く出ている)。

 

D、霊界通信のメカニズム

霊媒現象の一種である霊界通信は霊媒の潜在意識を使用して行われる(4157⑫参照)。通信霊は霊媒のオーラと通信霊自身のオーラを融合させて、霊界から携えてきた映像、思想、アイディア等の思念を霊媒の潜在意識にある単語や思想を使って文章にする(→方法その1)。または霊媒の潜在意識が自動翻訳機的な働き方をすることによって、潜在意識が自ら単語や思想を選び出して文章にする(→方法その2)。

例えば“方法その2”では、通信霊は霊媒の“柔らかいロウのような潜在意識”(永遠の大道27⑮~⑯参照)に“シンボル・型”を押し当てる、その押し当てられた“シンボル・型”に当てはまる用語や概念を霊媒自身の潜在意識が自ら選び出してくるという方法で。そして“方法その1”や“方法その2”によって思念を地上の特定の言語に文章化して、霊媒の潜在意識と繋がった言語機能に関わる器官(声帯、舌、口など)を使って、一連の言葉として霊媒の口から発声される。これが霊言現象の仕組みである。

 霊界通信を受け取る霊媒の優劣とは、ひとえに霊から通信を受け取る受信能力(→通信装置のアンテナの受信感度の問題)と、受け取った思念を特定の言葉に置き換える為の翻訳能力(→霊媒の潜在意識にどの程度の言葉や抽象的な概念・用語が蓄えられているかの問題)の高さ如何に掛かっていると言えよう。

 

E、霊媒の固着観念と通信内容

霊媒の精神を強く支配している固着観念があって、それが何らかの表現を強く求めているような場合がある。そのようなケースでは支配霊・通信霊は、霊界から携えてきた通信を送る前にその観念を一時的に吐き出させる必要がある。吐き出された通信は霊媒の潜在意識の中に存在する特定の観念の表明であり、何らかの強い思いである(189③~⑦参照)。このような事例があるので通信内容を鵜呑みにせず、必ず理性で吟味する必要がある。

また霊媒に俗世的な問題に関する質問をした場合は、内容が地上レベルの為に霊媒の潜在意識を刺激して、その潜在意識にある固着観念に沿った内容の回答をするので、霊媒自身の意見となる。これに対して霊の方から自発的に俗世的な問題に関するメッセージを送ってきた場合は、霊媒の潜在意識が通路となって降ろされたものである。

シルバーバーチは「霊からの自発的なアドバイスと、人間側からの質問に対する返答とを区別しなさい」「日常的な悩みについての質問をすることは感心しませんが、霊の方から日常的な問題についてアドバイスしてきた時は素直に受け取って結構です」(266⑬~67⑧参照)。また「支配霊がかかっている時は霊媒の潜在意識が活発に働いています。そこへ世俗的な質問をすると、たちまち意識の焦点が地上次元へと下がり、その次元での回答が出されます」(267⑪~⑬参照)と述べている。

 

イ、霊界通信の良し悪し

A、霊界通信の判断基準

霊界通信の判断基準のポイントは、「通信内容の質の高さ」と「霊媒の潜在意識に付着している“色”をどれだけ排除できたか」にある。一般に霊界通信は霊媒の潜在意識にある単語や概念を用いて通信を送ること(個人的存在20⑪~21④参照)、さらには霊媒の発声器官を使用すること、このようなことから多かれ少なかれ霊媒の潜在意識に脚色されてしまうものである。

 

B、潜在意識に付着する“色”の問題

霊媒の潜在意識を使った霊界通信の良し悪しは、「オーラの融合具合」「頑なに固執している固着観念の問題」「霊媒の健康状態」「会場を取り巻く雰囲気の問題」など、多くの条件によって左右される(189③~⑧、6207①~⑤参照)。

霊媒の潜在意識に付着している“色”の問題は(→通信内容に霊媒の潜在意識によって、どこまで歪められているかの問題)、通信霊のオーラと霊媒のオーラが完全に融合しているか、部分的か、全く融合していないかに掛かっている。「百%融合できたとしたら霊媒の潜在意識による影響はゼロということになる」(4159①~②参照)。このように通信霊が伝えたいとする内容は霊媒の潜在意識によって影響を受けるため、霊媒を通して地上側に百%伝わることは滅多にない(1巻88①~②参照)。

 

C、シルバーバーチの霊訓の優位性

霊媒の潜在意識の影響の問題については、シルバーバーチは「回を追うごとにコントロールがうまくなり、ごらんの通りになりました。今ではこの霊媒の潜在意識にあるものを完全に支配して(→潜在意識を“自己主張しない道具”として使って)、私自身の考えを100パーセント述べることができます」(917⑮~18②参照)と述べている。

これはバーバネルの“潜在意識による脚色”の問題を完全に克服できたということ、シルバーバーチが事前に用意した通信内容を交霊会において100パーセント述べることが出来たということである(→ポイントは三者間のオーラの完全な同調)。この状態は極めて稀有な現象であることが分かる。ここに数多い霊界通信が存在する中で『シルバーバーチの霊訓』が最高峰の位置を占める理由がある。

シルバーバーチは専属霊媒のバーバネルが死去すれば別の霊媒を通じて通信することはないと述べている。その理由を「この霊媒を通じて語るための訓練に大変な年数を費やして来ましたので、同じことを初めからもう一度やり直す気にはなれません」(828⑥~⑨参照)と言う。ここからもオーラの同調がいかに大変であるかが推測できる。

 

D、ホワイト・イーグルとの比較

シルバーバーチは「同志の一人であるホワイト・イーグルには彼なりの考えがあってのことでしょう」(新啓示25④参照)と述べて、同志と呼んでいる。霊的レベルはシルバーバーチと同格の高級霊であると思われるが、その霊界通信にはキリスト教や神智学の影響が強く表れている(→でくのぼう出版、桑原啓善訳『光への道』『秘儀への道』は色が強い)。

霊界通信に霊媒の潜在意識に付着している“色”が強く表れたのは、ホワイト・イーグルと霊界の霊媒(?)と地上の霊媒のグレース・クックの三者のオーラの同調が、完璧の域までは達していなかったことが考えられる。このためグレース・クックの潜在意識にある、言葉や概念に付着している“色”が、オーラの同調が完璧ではなかったために払拭しきれず、霊界通信にキリスト教や神智学の影響が強く表れてしまったと言える。

ここに霊界通信の難しさがある。支配霊又は通信霊が極めて高級な霊といえども、オーラの同調が完璧の域まで達していなければ、多かれ少なかれ霊媒の固着観念に色付けされた霊界通信となってしまうという好例である。

 

ウ、その他の問題

A、用語がないので通信できなかった例

霊媒現象では霊媒の潜在意識にある用語や抽象的な概念が使われるので、無学文盲の霊媒では高度な通信は送れない。このことに関してマイヤース霊は自動書記霊媒のカミンズの“記憶の層(→潜在意識の比較的浅い部分に存在する今生に関する記憶の層の部分)”に、天文学に関する用語が無かった為に通信が送れないとして一時通信を中断したことがある。そしてカミンズに百科事典の天文学の項目を読むように指示して読ませた。マイヤース霊が欲しかったのは宇宙に関する用語であって、知識ではなかった(個人的存在20⑪~21②参照)。

 

B、霊媒の人間性の問題

霊媒には霊媒としての考えがあり偏見があり好き嫌いがあるので、霊界通信にはある程度まで霊媒の固着思想が影響を及ぼしている(4158⑪~159②参照)。このような問題があるため霊媒の潜在意識が心霊現象に及ぼす影響の問題や、人間的性質の完全な排除の問題など、霊媒の人間性がしばしばテーマとなっている。

シルバーバーチは「通信のメカニズム」に関して「安ものの楽器よりも名匠の作になる楽器の方が良い音楽を生むのと同じで、霊媒も教養が高いほどよい、良い道具ほど良い通信を受けやすいから」(4巻160⑧~⑩、メッセージ83⑤~84⑫参照)と述べる。マイヤース霊の通信からも分る通り(個人的存在20⑪~21②参照)、霊媒の潜在意識に多くの言葉が蓄積されてないと、送れる通信の内容が限定されてしまうから。さらにシルバーバーチは「高級霊が人間性の低い霊媒を通して出ようとしても、その霊格の差のために出られません。接点が得られないから」(4161⑩~⑪、メッセージ83⑤~84⑫参照)と述べる。

 

C、情報源との連絡網

通信霊は霊媒の潜在意識を支配すると同時に、情報の供給源である霊界との連絡網を維持しなければならない。この世でもテレビの収録現場でカメラの前に立つ司会者は、シナリオ通りに出演者と会話を交えて番組を進めているが、予想外の展開になった時はカメラの死角にいるアシスタントがボードを使って必要な情報を司会者に送っている。司会者はテレビカメラに向き合って番組を進めると同時に、想定外の情報はアシスタントから入手している。

このようにテレビの収録現場では出演者やスタッフが“平面上の同じ空間”で仕事をして番組を作成しているが、霊界通信では霊の世界から波動の異なる物質の世界へと、次元を超えて通信を送らなければならない。さらに地上側の雰囲気が悪いと霊界との連絡網が限定されると同時に、通信霊と霊媒のつながりも弱くなってしまう。そのためより一層通信が困難となる(2118⑪~119⑥、メッセージ20⑤参照)。

 

D、多様な通信霊と通信内容

霊の世界は無辺であり、そこに住む霊の体験も多様であり無限であるので、霊界通信としてどういう内容のことが伝えられるかはひとえに通信霊の霊的レベルに係っている。霊の世界に移行後も固着観念を捨てきれずに地上的波動の中で暮らしている「霊的自覚」の芽生えが無い霊は、その固着観念に沿った内容のメッセージを送ってくることになる。ここに霊によって送られてくる内容に食い違いが生じる理由の一端がある(1087①~88①、到来30②~⑧参照)。

霊界通信は送られてきた内容によって価値が決まるので(2204⑦~⑬、道しるべ37①~②参照)、価値ある情報を入手したければ自らの霊性を高めると同時に、感応道交する霊のレベルを上げる必要がある。このように多様な通信霊の存在と通信内容が存在するため、霊界通信に接する場合には理性で通信内容を吟味して、常識的に考えて辻褄が合わないものは拒否する態度が必要となってくる(1088②~③参照)。

 

E、犠牲を伴った行為

霊妙な波長にある霊の世界から荒い波長の地上世界に、霊媒現象という形で霊が戻って来るには、多くの困難な条件をクリアする必要がある。そのため困難を克服して戻ってくる霊は愛念を抱く者や、使命がある霊に限られる。愛念こそが「地上の縁者を慰め、導き、手助けしようと思わせる駆動力」となるからである(189⑨~90①参照)。ここから多くの霊界通信は意識の関心が地上に向いている(→意識の指向性・ベクトルの向きが下を向いている霊)、物質臭の抜けきらない幽界の下層に居住する血縁者からのものとなる。ここに血縁重視の霊界通信が多くなる理由がある。

 さらに何らかの使命がある霊性レベルの高い霊の場合には、波長の切り替えを行って地上の荒い波長に同調させなければならない。このような困難を乗り越えてまで遂行しようとする使命とは、人間は霊であり自我の本体には例外なく神の分霊が宿っていること、その神性を地上生活中に自覚して(→霊的自覚のこと)意義ある地上生活を送ってもらいたい為である。ここに霊媒現象に秘められた目的がある(最後啓示49⑥~⑧、187⑤~⑧参照)。

 

エ、自動書記通信

自動書記通信で有名なモーゼスの場合は、一人きりになって心が受け身的になっている時に通信が不意に来るという。その際にモーゼスのオーラがしみ込んだノートや、使い慣れたテーブル、自分の部屋の方が現象は出やすいと述べる(霊訓上17⑨~⑩、20⑥~⑦参照)。

モーゼスは霊から、仕事で過労気味の時、興奮状態の時、身体の調子が悪い時、精神的な悩みや心配事のある時、食事のすぐ後、身体が眠気を催している時は自動書記をしないようにと注意された(霊訓上77⑫~78⑧、79④~80⑰参照)。このような状態の時は霊媒の波長はより物質性が強まっているから。

 

6、憑依(マイナスの親和性)

ア、意識の振れ幅

地上の人間の一日は、高尚な意識状態から動物性を過度に発現させた意識状態の両端の間で、絶え間なく揺れ動いている。人の魂を揺さぶる行動や話を見聞きすれば意識は高揚する。これに対して過度のアルコール摂取は、自らの“理性の蓋”を開放して動物性を強く発現させることになる。このように人間は意識の揺れ幅の状態に応じて、日常的にあらゆる霊的レベルにある霊からの影響力にさらされている。霊的に敏感者の場合には憑依される形で、霊的に鈍感な者の場合には邪霊の影響下にさらされるという形になる。

例えば(霊的に鈍感な者の場合)日頃まじめな人が一時的に邪霊の影響下に置かれて、ふとしたことから魔が差してスーパーで万引きをするとか、酒の席で悪い友人に誘われて違法カジノに行くなど、後で振り返ってみれば「なんであんなことをしたのか」と自分を責めることになる場合もある。

このような場合でも実際に引き寄せるのは自分と同じ霊性レベルの霊だけであり(894⑭~⑮参照)、それも「両者の間に親和関係がある場合に限られる」(語る435⑦~436③参照)。ただし憑依は本人側(霊的敏感者に限る)に霊を引き寄せる何らかの“受け皿”が存在する場合に起きるのであって、見境なく起きるわけではない。

 

イ、マイナス作用の親和性

親和性の法則には、原因があればその“原因の性質”に応じた形で、両者間に「親しみ結びつきやすさ」という関係がある。原因を発する者の行為や言動に相応した霊界人が引き寄せられるという関係は憑依現象にも言える。なぜなら憑依現象は親和性が“マイナスの作用”となって表れたものだから。これに対して霊界人の援助は親和性が“プラスの作用”となって表れたもの。

親和性があると言うことは人間の堕落した生活が“受け皿”となって同類の邪霊を引き寄せることになるので、人間の側から餌をまかなければ憑依は防げることになる(霊訓上48⑫~⑭、50⑥~⑧参照)。シルバーバーチは「自分は大人物であると思い込んでいる人間、大酒飲み、麻薬中毒患者などがこちらへ来ると、地上で似たような傾向を持つ人間を通じて満足感を味わおうとする」(5234⑦~⑨参照)と述べる。専門書によれば薬物依存症は「脳の神経回路が薬物に支配されてしまい、薬物の使用を自分の意志でコントロールできない状態(→生命力が流れる通路に障害物ができる:9巻125⑨参照)」であるという。既に存在する薬物に支配された神経回路を邪霊が代用できる為、影響が及ぼし易くなるから。

 

ウ、顕幽の悪循環を断ち切る

霊的世界に移行後さほど時間がたっていない霊の場合や、物質臭が極めて強い幽界の底辺部分で生活する霊にとっては、同じような“受け皿”を持った地上人には親和性から影響力を行使しやすいという特徴がある。なぜなら長年に亘って形成されたマイナスの性格傾向は、その人の潜在意識にパターン化されて組み込まれているから。

死後間もない霊や幽界の底辺部分にいる霊と地上人との間に、共通の文化・思考法・似たような地上体験などがあれば、憑依は殊更に簡単に行えてしまう(→地上的な習慣はパターン化されて潜在意識に組み込まれるため、いまだ霊的自覚が芽生えない霊界人の表面意識に色濃く残っているから)。

 高級霊は「地上の罪悪と悲劇の多くは邪霊が同種の人間に働いた結果に他ならない」(霊訓下156②~③参照)ので、その「悪循環を断ち切る方法は人類全体の道徳的意識の高揚と物的生活の向上に俟つほかない」(霊訓上50②~③参照)と述べる。

その為には地上においては霊的知識の普及活動(→各種講座・勉強会・読書会など集団を通して、または個々人に対する個別対応を通して普及させる)と、学んだ知識を日常生活に活用する各自の実践活動が求められている。これらが“車の両輪”となって、悪しき連鎖(→邪霊の影響下に置かれたり憑依現象が発生したりするなど)が断ち切られて行く。地上の問題を根本的に解決するには、個々人の意識の変化が喫緊の課題となっている。

 

7、講座に寄せられた質問

①、質問その1

<質問>「類魂について知りたいです。今の人生で関わっている人々と何か関係が有るのでしょうか。また旅先で非常に心惹かれる場所や出会う人もヒントになるのでしょうか」

<回答>

ア、類魂とは

 

A、霊的グループ

霊界(狭義)では霊的レベルが同一で、しかも完璧な親和性を持った霊たちは「類は友を呼ぶ」「似た者どうしは自然と寄り集まる」という形で霊的グループを形成している。このグループを「霊的家族」または「類魂(グループ・ソウル)」と呼んでいる。幽界の「虚の世界」を卒業して、霊界の「実相の世界」へ移行した“私”は、自動的に「霊的家族(類魂)」のもとに引き寄せられる。この“私”という意識(=霊的な心、本来の私という意識)の中に、地上時代に形成された「地上的人格(=地上的自我意識、物的な心)」が溶け込んでいる。

 

B、地上体験を持ち寄る

霊界では「霊的家族(類魂)」は各メンバーそれぞれが地上体験を持ち寄って、一つの大きな意識(=類魂意識、拡大した私という意識、イラスト右の意識)を作っている。各メンバーはその意識を共有して、無数にある地上体験を相互にカバーし合って、共同して霊的成長を図っている。つまり「あなたの“物的な心”が地上で体験した出来事は、私の“物的な心”では体験していないが、そのあなたの体験は私の地上体験でもある」という意識状態を作って霊的成長をしていく。別の表現を使えば、メンバー自らの地上体験をそれぞれの“直接体験(→あなたの体験は私の体験でもある)”に変換する「意識の共有化」を行って、共有状態の意識を作り出す。このように特定のメンバーの地上体験をメンバー全員の“直接体験”に転換して、「霊的家族」全員が共同で霊的成長を図っていく(→それぞれのメンバーの“霊的な心”のレベルを向上させる)、類魂とはそのシステムのことを言う。

 そしてこの「類魂というシステム」によって、地上に再生して物的体験を積むことが霊的成長に不可欠な「地上圏(地上→中間境→幽界の下層界→幽界の上層界→狭義の霊界)」という霊的世界を卒業して行く。

 霊界通信では「類魂の一人一人が体験と叡智を持ち帰って」(個人的存在116④参照)とか、「それぞれの(ダイヤモンドの)面が違った時期に地上に誕生して他の面の進化のために体験を求める」(476⑧~⑨参照)などと表現されている。

 

イ、人生で関わりを持つ人や場所

A、アフィニティの場合

 

いわゆる「ベースとなる類魂」とは「霊的家族全員が共同で霊的成長を遂げて行くグループのこと(→イラストABCD・・・)」。このグループから同時期に地上に生まれ出て体験を積むのは一人のみなので、同一類魂の構成員であるABが地上で同一時期に出会うことはない。

例外的に「アフィニティ(双子霊・ツインソウル)」と言う同系統で親和性が極めて強い関係にある魂がある。これは二つの人格は一つの魂の半分ずつというケースである(→イラスト右のA1A2)。シルバーバーチは「別々の人間でありながら一個の魂の半分ずつ」(10117③~④参照)、「(アフィニティは)一個の魂が半分に分かれた存在で、二つが同時に地上へ誕生することがある」(10136⑦~⑧参照)と述べている。言いかえれば個別霊Aの地上的人格A1A2は、肉体的には別々の人間でありながら一個の魂の半分ずつと言うことになる。地上に誕生した「男女一対魂」をツインソウルと言う。

 

B、何らかの因縁がある場合

 しばしばあるケースとして、前世での何らかの縁がお互いを引き付け合う親和力(因縁)となって、親しみを感じたり(→前世でお世話になった)、排斥し合ったりする関係(→前世で傷つけあった)へと発展する場合が考えられる。

 

C、デジャブの場合

また「初めて見る場所や光景であるのに、以前見た経験があるという思いにとらわれること」を“デジャブ(既視感)”という。このデジャブをスピリチュアリズム的に解釈すれば、睡眠時において幽体離脱してある光景を見た、その記憶が蘇ったというケース。さらにはその人は忘れてしまったが、潜在意識の中にある“今生の記憶の層”に蓄えられている過去の記憶が、何らかの形で再現されたケース等が考えられる。前世の記憶の再現といったケースは極めてまれな例であると思われる。

 

②、質問その2

<質問>「憑依現象について。地上的な名声や権力に固執する霊に憑依されることによって、他者から見れば非常に嫌な人間が社会的地位と金銭的な幸運に恵まれることがあるのでしょうか」「血縁者にそのような人間がいて、周囲の人間が精神的苦痛と金銭的不利益を被っていても、ひたすら忍従すべきでしょうか。因果律に則り、きっと行動の報いを刈り取る時が来る、私は菩薩道を実践していると心底思えればよいのでしょうが、私は未熟者なので、自分の怒りや憎しみを無視しているだけの自己欺瞞ではとも思います。自分も過去、こういった人生で他者に迷惑をかけたのかもしれないと忍従していれば許容できるようになるのでしょうか」

<回答>

ア、憑依現象について(質問の前段部分)

霊的世界に移行後さほど時間がたっていない霊や、物質臭が極めて強い幽界の下層界にいる霊にとっては、同じような“受け皿(→例えば自殺願望を持つ者は自殺霊を引き寄せる)”を持つ地上人には影響力を行使しやすい。

 他界霊は「霊的自覚」が芽生えるまでは、生前の「社会的な名声や権力に固執する」と言った性格傾向をそのままの状態で有している。そのような他界霊は親和性から、今を生きる“名声や権力に固執する地上人”に対して、霊の世界から影響力を行使している。

 霊からの影響力の行使によって、実力が伴わずに一時の波に乗って“社会的地位や金銭に恵まれた人”が、スキャンダルで転落するとか破産するなどと言った話題を、私たちは時々見聞きすることがある。本来“社会的地位や金銭”は自らの魂を磨くための“磨き粉”だと割り切った人生を送れば、低級霊の策動と思われる“どんでん返しの様な人生”には合わないと思われるのだが(→月の裏側の念写で有名な三田光一の“金塊引揚げ詐欺事件”参照、金塊引揚詐欺事件: スピリチュアリズム研究ノート)。

 

イ、カルマの解消の問題(質問の後段部分)

 背景には因果律の問題が絡んでいると思われますが(シルバーバーチは地上でもあるいは霊界でも偶然にそうなったというものは一つもありません。因果律は絶対であり、ありとあらゆる出来事を規制していると述べる:1180⑤~⑦参照)、迷惑を受けている人は相手の理不尽さに唯々諾々として従う必要はないでしょう。言うべき事、主張すべき事があればそれを相手にきっぱりと伝えるべきでしょう。それをしないと自分の精神が病んでしまいます。そういう悪戦苦闘する中で自らのカルマが消えて行くものだから。

 周囲の人間に対して「精神的苦痛と金銭的不利益」を与えている者が近親者の場合には、理不尽さに異議を唱えながらも何らかの形で手を差し伸べてしまうこともあるでしょう。この被害を受けている人の“もがき苦しみ”が自らの霊的負債の返済に繋がっていると同時に、意図せずにプラスのカルマ(→近親者として何らかの形で手を差し伸べてしまうという状態)を積むことにもなるということです。物事には必ず二面があります。難しい問題ですがシルバーバーチの立場からこの問題を考えると上記のようになります。

 

③、質問その3

<質問>「幸せとは何でしょうか」

<回答>

 「幸せ」とは相対的な表現です。現在「幸せ」と思っていたとしても、状況が変われば「幸せ」とは思えなくなるでしょう。幽界の下層界に広がる「天国・極楽といったエリア」で生活する霊は、自分の思いが何でも叶うので正に「幸せ」そのものです。しかしそのような霊にもいつかは「霊的自覚」が芽生えて来て、現在の境地が「幸せ」と思えなくなる時期が必ずやってくるものです。

霊は「霊的自覚」が芽生えて来ると「霊的本能(=霊的な心に潜在している“神の分霊”を顕在化して行くこと、イラストABCDEへ)」に従った生き方をしていくもの。その右肩上がりの霊的進化の過程で一瞬立ち止まって現在地を見て「幸せ」と感じるもの、その到達点も明日になれば自分の未熟さが見えて来て「幸せ」とは思えなくなるものです。

 

④、質問その4

<質問>「高級霊とはどのあたりにいる霊のことか」

<回答>

 高級霊という言葉は相対的な表現です。人によって定義がバラバラです。少なくとも高級霊と言うからには「霊的自覚」を持ち、意識の指向性が“上(霊性向上)”を向いている霊であり、霊格が自分より高い霊ということになるでしょう。

 類魂(霊的家族)とはグループ全員で地上体験を持ち寄って(→共有体験という形で)、共同して霊的成長をしていくシステムのこと。個別霊はこの類魂というシステムを使って、再生して物的体験を積むことが霊的成長にとって不可欠な界層の「地上圏(地上→中間境→幽界の下層界→幽界の上層界→狭義の霊界)」を卒業して行く。シルバーバーチは地上に再生する必要がなくなった「地上圏」を卒業した霊なので、当然に高級霊である。

いまだ再生が必要な成長レベルに留まっている霊の場合には(→「地上圏」を卒業していない霊)、高級霊とは一般に霊性レベルが自分より高い霊を指すことが多い(→相対的な表現だから)。

 

⑤、質問その5

<質問>「支配霊について」

<回答>

支配霊とは「交霊会における霊界側の司会者」とされる霊、または「霊団全体の指揮に当たる霊」(7176⑫~177③参照)のこと。交霊会が円滑に進行するように働く霊のことで、死者との交信を目的とする交霊会や諸々の霊媒現象の生起に携わる特別な霊能者に憑く。すべての霊能者の背後に支配霊がいるわけではない。

なおスピリチュアリズムの普及という特別な使命を持ったシルバーバーチは「シルバーバーチ霊団」全体の指揮に当たる霊なので「支配霊」という表現になる。シルバーバーチの役割から見て(→シルバーバーチよりも高い霊のマウスピースとなって霊的知識を普及させるという役目)当然にバーバネルの守護霊よりも霊性レベルは上。

 

⑥、質問その6

<質問>「一般の人の背後霊と霊媒体質者の背後霊の違い」

<回答>

ア、ハイリスク・ハイリターンの再生人生

 霊能者(霊媒体質者)とは地上人生に於いて、一般人よりも多くの利他的行為ができる能力(→霊力の通路となる能力)を与えられた者である。スピリチュアリズムが目指している世界(地上天国)の招来に果たすことのできる役割は、一般人に比べても格段に大きい。

 再生に際して「霊能者(霊媒体質者)」という特別の能力が与えられたということは、一般人よりも遥かに責任が重いということである。今生に於いてその霊的能力を“世のため人のため(→霊的成長が促進する)”に使わずに、私利私欲に使ったり煩悩まみれの生活を送ったりすれば(→霊性の停滞が発生する)、死後その行為に対して重い責任を問われることになる。

現状は霊的能力を何ら開発もせずに死蔵したり、私利私欲の為に使ったりと、本来の使用法から外れた霊能者(霊媒体質者)が圧倒的に多い。このような者は死後に於いて厳しく責任を問われることになる。いわば“ハイリスク・ハイリターン”の人生、つまり物的誘惑の多い霊能者としての仕事を無事にやり遂げれば大きな霊的成長がもたらされ(ハイリターン)、常に付きまとう低級霊や邪霊の策動に乗った人生を歩めば長期間の霊性の停滞が待ち受けている(ハイリスク)、極めてリスキーな再生人生を自ら選択したということである。

 

イ、霊力の通路としての影響力の違い

シルバーバーチは“霊力の通路”として、霊能者が果たす役割の重要性をしばしば強調して述べている。霊能者も一般人の男女も「霊界側の真理普及の計画」を推し進める際に、霊力を地上に降ろす際の“手足・通路”となりうることには変わりない。しかし役割や影響力という観点から見ると両者には大きな違いがある。なぜなら霊能者がいなければ霊界から地上に霊的教訓を降ろすことや、霊的証拠を提示することができないからである。

 

ウ、戦車と歩兵の違い

霊力の通路となりうるのは、霊能者(以下、戦車に例える)だけに限らず当然に一般人の男女(以下、歩兵に例える)も成り得る。両者の大きな相違点は霊力の通路としての影響力の違い、つまり「戦車」の砲塔から放たれる弾丸の破壊力(影響力)と、「歩兵」が持つ小銃の破壊力(影響力)の違いだけである。

シルバーバーチは「霊媒というチャンネルが増えれば増えるほど霊的真理という活力あふれる水が地上へ流れ込む」(2182⑮~183①参照)と述べているが、これはスピリチュアリズムの普及運動において重要な役割を演ずる「霊能者(戦車)」を、「一般人の男女(歩兵)」以上に強調して述べただけである。

 

エ、「霊力の通路」に応じた背後霊が憑く

 背後霊は地上人の霊的進化に見合った霊が霊的親和性から、人間を指導する目的で、または自身の霊的向上の為の必要性から援助している(霊訓上30⑫~⑬参照)。地上に戻ってくる霊は、地上の人間と連絡が取りやすい幽界にいる霊である。その中で一般人の場合には、主に「霊的自覚」が芽生えた幽界の上層界にいる霊が指導や援助を行う目的で降りてくる。

高級霊の場合は霊能者(霊媒体質者)に必要に応じて憑く(霊訓上31⑧参照)。なぜなら霊媒の霊的能力を通して地上世界にスピリチュアリズムを普及することができるから。当然に霊的能力を私利私欲に使う者や死蔵する者には高級霊はつかない。その者の霊性レベルに見合った霊が背後霊として憑く。別の問題として霊的能力の使用法如何によっては、一般人以上に霊能者は低級霊や邪霊の影響力を受けやすい(ハイリスク)という問題もある。

 

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