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夏期講座:シルバーバーチから見た霊性医療(2023年8月)

<目次>

1、基本的な事項

・スピリチュアリズムの人体観

・シルバーバーチの健康観・病気観

2、心霊治療の概略

・心霊治療の目的

・三種類の心霊治療

・心霊治療の種類

・心霊治療の周辺部

3、心霊治療の背景

・心霊治療のメカニズム

・治療エネルギー

・心霊治療家側の問題

・患者側の問題

 

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1、基本的な事項

 一般にスピリチュアリズムの世界では「心霊治療」という言葉が広く用いられているが、この「治療」という言葉には「病気の治癒や症状の軽快の為に行う医療行為」(国語辞典)という意味がある。そのため資格のない者が治療や診断などの「医療行為」を行えば「医師法」に抵触する恐れがある。将来「心霊治療」がメジャーになって行けば「治療」という言葉が問題になってくると思われる。

近年では「心霊医療」という表記が使われているが、夏期講座では一般に流布している「心霊治療」という用語をそのまま用いて解説する。

 

①、スピリチュアリズムの人体観

ア、人体観

この世は「唯物論の世界」である。そのためこの世の科学や医学の人体観では可視の肉体だけを対象としている。但し近年では“心(=物的な心、精神)”の状態によって引き起こされる病気の心身症が注目されている。

これに対してスピリチュアリズムでは、肉体以外に人間の肉眼では見ることのできないもう一つの体である「霊体」の存在を明らかにしている。スピリチュアリズムによれば霊体と肉体という二つの異質な体が重なり合って、または霊体は肉体に浸透する形で人間の体は作られていると説明されている。なお霊体には「霊的な心(本来の私という意識)」が、肉体には「物的な心」がある。顕在意識を通して形成された「物的な心」によって地上的人格(パーソナリティ)が作られる。

両者は質的な差異が大きいため中間物質で出来た「接合体(→ダブルやエーテル複体と言われるものと同じ)」によって結合されている。接合体を正確に言えば「高等な意識中枢(霊的な心)と脳(物的な心)との連絡の仕事を受け持つ精妙な組織」(個人的存在79⑥参照)という表現になる。この接合体は肉体とそっくりな形体をしており、この中に“チャクラ”と言われているエネルギーの流出入口や、東洋医学でいう所の“経絡”が存在する。一般の人は振動数の違いから霊体を見ることはできないが、霊視能力者は見ることが出来る。このようにスピリチュアリズムでは「霊体と肉体は接合体によって結合されている」という人体観を持つ。

 

イ、シルバーコード

霊体と肉体は中間物質で出来た二本の太いシルバーコード(→額の部分と腹の部分にある)と、網目状の細いシルバーコードによって繋がれている。スピリチュアリズムではこの二本の太いシルバーコードが切断された瞬間を以って死と呼んでいる(1050⑭、永遠の大道116②~③参照)。肉体はシルバーコードを通して“霊的エネルギー(生命力)”の供給を受けているが、切断によって流入経路が途切れてしまうと自壊作用によって土に帰る。

心霊現象の一つに幽体離脱(→肉体から霊体が離れる現象)がある。この場合には霊体と肉体はシルバーコードによって結ばれている。幽体離脱中に起きる肉体の異変はシルバーコードを通して霊体に伝わり、瞬時に両者は合体して身体は再び“物的バリア”に包まれる。

なおこのシルバーコードはどこまでも無限に伸びる性質を有している。臨死体験者の中には“銀色の紐”で繋がっていたと述べる者もいる。病床で死の宣告が為された場合であっても、肉体と霊体は依然としてシルバーコードによって繋がっていれば“死者”は必ず生き返る。その間の体験が「臨死体験」談として語られている。

 

②、シルバーバーチの健康観・病気観

ア、調和状態

シルバーバーチは「健康とは身体と精神と霊の三者の関係」が調和状態にあること(1127⑫、9171⑧参照)。これに対して病気とは、三者間の調和の欠如によって生命力の流れが阻害され、病的症状が出る状態であると述べる(2193⑬、9171⑦~⑪参照)。

 ここでいう「身体」とは肉体のことであり、“本来の私という意識(→自我の本体)”が地上世界で自己を表現する為にまとう「表現器官」のこと。次に「精神(=心)」とは地上人生を歩む人間の意識、「地上的な自我意識」になる。意識には肉体を持つが故に発生する「本能に起因する意識、及びそこから派生する意識」と、自我の本体である“本来の私という意識”から流れ込む「霊的意識」、この二つの出自が異なる意識が物的脳で統合されて一つになる。これが「精神(心)」(→いわゆる地上的な自我意識のことで、表面意識または顕在意識のこと)になる。三番目の「霊」とは“神の分霊”を内在させた“本来の私という意識”のこと。

 

イ、病気の原因

本来人間は「身体と精神と霊」の三者が調和状態(→この状態を健康と呼ぶ)でなければならないのだが、何らかの原因があって不調和状態になる、この状態を病気と呼んでいる。

 人間はさまざまな場面で自由意志を濫用して、それぞれのレベルに応じた摂理違反行為を日常的に行っている。たとえば暴飲暴食や昼夜逆転の生活など「身体レベル」で、また「精神レベル」では過重な緊張やストレスなどの負荷を日常的に掛けている。さらに霊性の低さに起因する利己主義や貪欲等の「霊的レベル」で、不調和状態を自ら作っている。

 この他に私たちは日常的に“過度の心配や取り越し苦労をする”ことによって、「生命力が流れる通路(→主に中間物質の接合体と物的身体を結ぶ通路)」を遮断してさまざまな病を発症させている。このように霊的摂理に違反することを行った結果、「身体と精神と霊」とが不調和状態となって病が発生する(→但しカルマが原因となって発症する病を除く)。

 

2、心霊治療の概略

①、心霊治療の目的

シルバーバーチは「健康とは身体と精神と霊の三者の関係」が調和状態にあること(1127⑫参照)。これに対して病気とは三者間の調和の欠如によって生命力(霊的エネルギー)の流れが阻害され、病的症状が出る状態と述べる(2193⑬、9171⑦~⑪参照)。

心霊治療には三つの段階がある。まず治療によって「病気も治り魂も目覚める」段階、次に「魂の目覚めはないが病気が治る」だけの段階、最後に「魂の目覚めも治病もないが、治療を施すだけ」の段階である(6181⑫~⑮参照)。

 霊的実在の証明という観点から見るならば、心霊治療によって患者の身体を癒して悩みを解消してあげても、霊的に何の感動を覚えなかったらその治療は失敗したことになる。心霊治療の目的は「眠れる魂を目覚めさせ、霊的自覚をもたらす(→霊的に何を為さなければならないかという自覚)」ことなので、「身体は治らなくても魂に何か触れるものがあれば、その治療は成功」となる。このように心霊治療の本質は魂に関わることであって、物的身体に関わることではない(1124③~⑤、9169①~③参照)。心霊治療は患者の病気が治ることが目的ではなく、心霊治療を通して「患者の魂が目覚めること」にある(→心霊治療は単なる病気直しの手段ではない)。

心霊治療や各種心霊現象などの全ての霊的活動の目標は、人間は霊的存在であることを理解させることによって「生命の実相に目覚めさせること」(613⑤参照)にあるから。

なお『シルバーバーチの霊訓』を読んでいると、頻繁に「霊」という用語が出て来る。この「霊」には三種類の意味がある。まず「神の分霊」として用いる場合がある。次に「一般的な霊」として用いる場合、さらに「個別霊」として用いる場合がある。「霊」がどの意味で使われているかは文脈から判断しなければならない。

 

②、三種類の心霊治療

ア、磁気治療、心霊治療、霊的治療

 

分類

主役

A

マグネチック・ヒーリング

ヒーラー自身の肉体エネルギーを患者に与えることによって病気を治癒する

指圧、マッサージ、整体

治療師

B

サイキック・
ヒーリング

サイキック・ヒーラー。
ヒーラー自身の霊体エネルギーを患者に与えることによって病気を治癒する

気功治療、レイキ、手かざしなど

治療師

C

スピリット・
ヒーリング

霊医が宇宙に遍満している霊的エネルギー(治療エネルギー)を、地上のヒーラーを通路にして患者に流す、これによって病気を治癒する

スピリチュアル・ヒーリング

霊界の霊医

 

上記の通り心霊治療には三種類ある(1126⑬~127③参照)。まず治療家自身の物的身体が持っている豊富な生体エネルギー(生体磁気エネルギー)を、患者に注入することで病気が治る場合がある(→マッサージ、按摩、鍼灸など)。この磁気的で生理的な治療は「A、マグネチック・ヒーリング」と呼ばれるものであり、霊界との関わりは全くない物的身体レベルの治療である(644⑬~45②参照)。死後の世界を一切認めない唯物論者でも、エネルギッシュでパワーのある人の側に行くと、しばしば体調不良が軽減するという現象が存在する事から、この「マグネチック・ヒーリング」は認めている。

次に心霊的ではあっても霊的とは言えないもので、治療家自身の霊的身体が持つサイキック・エネルギーを使う「B、サイキック・ヒーリング」がある(→気功治療など)。ほとんどの遠隔治療は此処に入る(1127④~⑤参照)。唯物論者にとってこの領域は、気功を認めるか否かで見解が異なるのでグレーゾーンと言える。

そして最も程度が高い治療法で、治療家は“霊力の通路”となる「C、スピリチュアル・ヒーリング(=スピリット・ヒーリング)」がある(1127①~②参照)。死後の世界を否定する唯物論者は、この治療法は一切認めない。

 

 このように心霊治療と言っても「A、物質次元の磁気的なもの」や、エネルギーの質は「スピリチュアル・ヒーリング」より落ちるが魂への影響力が限定的な「B、治療家の霊的身体を使用した心霊的なもの」。さらにその上に「C、霊界の高い界層からのエネルギー」を使用した治療がある(最後啓示204⑦~⑨参照)。心霊治療がどの段階の霊的エネルギーを用いて行うことが出来るかは、治療家の霊性の高さによって決まる(最後啓示205⑨~⑩参照)。

 

イ、スピリチュアル・ヒーリングとは

霊界の「霊医」が関与した「スピリチュアル・ヒーリング(=スピリット・ヒーリング)」とは、“霊界の医師”が患者の病が治るべき時機が到来している時に(→未到来の場合は治病なし、一定期間が経過後に効果が出てくる場合もある)、治療家を通して治療エネルギーを患者に注ぎ込んで一瞬のうちに治してしまうものを言う(1127①~②参照)。

その際に使われる治療エネルギーは“霊医(霊界の医師)”が霊界にある化学物質に相当する霊的素材を、患者の症状に応じて“調合”して作り上げたもの。その治療エネルギーを治療家が通路となって、中間物質に転換して患者に注ぎ込む、この治療スタイルを「スピリチュアル・ヒーリング(=スピリット・ヒーリング)」と言う(9174⑪~⑬、175⑥~⑨、最後啓示189①~⑤、190⑥~⑧参照)。

 

ウ、ヒーラーの分類

心霊治療家には「主役が治療家であるサイキック・ヒーラー」と、「主役が霊医であるスピリチュアル・ヒーラー(→治療家は霊力の通路)」がいる。後者のヒーラーは、通常の方法では物質界に届かないエネルギーを治療に用いるため、霊界の医師との間で可能な限り波長の一致をはかる必要がある(→親和性の法則から)。そのため「生活態度を可能な限り理想に近づける努力」(9173⑦~⑨参照)をする必要がある。

 

エ、まとめ

◆主役は治療家

・マグネチック・ヒーリング、治療家の肉体磁気エネルギーを使用、物的身体レベル

・サイキック・ヒーリング、治療家のサイキック・エネルギーを使用、霊的身体レベル

◆主役は霊医

・スピリチュアル・ヒーリング、宇宙に遍満している霊的エネルギーの一種である治療エネルギーを使用、治療家は“通路”となる。治療家の霊性レベルに応じて“通路”を流れる治療エネルギーの質が決まる。

 

マグネチック・ヒーリングやサイキック・ヒーリングは治療家の肉体や霊的身体に具わっているエネルギーを使用する為に、多くの患者に対応すれば当然にエネルギー不足に陥り疲労困憊となる。これに対してスピリチュアル・ヒーリングの場合は、治療家はエネルギーが流れる通路になるため患者の数をこなしても疲労感を感じにくい。

 

③、心霊治療の種類

ア、遠隔治療

心霊治療には治療家と患者が相対して行う「直接治療または接触治療(contact healing)」と呼ばれるものと、相対せずに患者不在の形で、または物理的な距離をおいて行われる「遠隔治療(absent healingdistant healing)」とがある。

 直接治療や遠隔治療は「治療の申込」によって開始される(9巻176⑨~177②、ハリー・エドワーズ著、梅原隆雅訳『霊的治療の解明』29⑩~30⑧参照)。この患者側からの「申込」と治療者の「承諾」によって、治療家と患者の間に治療エネルギーが流れる磁気的な通路が出来上がる(最後啓示27⑦~⑨参照)。

治療の申込は「患者から」「患者の周辺部の人から」「治療家から」の要請によって始まる。その際に本人が自分のために遠隔治療がなされていることを知らない場合でも、また治療家が一方的に施してあげる場合でも、両者間に磁気的通路が構築されるので遠隔治療は可能である(9177③~178⑥参照)。

霊界の「霊医」から送られた治療エネルギーは、治療家の“霊的身体(→物質性の濃い霊体、つまり幽体のこと)”を通過することによって“中間物質(→半物質的治療光線:9176④参照)”に転換されて、患者との間に出来上がった磁気的通路に乗って流れていく。

 

イ、セルフヒーリング

本来の“心霊治療(スピリット・ヒーリング)”では、治療家は“治療エネルギー(霊的エネルギー)”の通路となって、このエネルギーを能動的に用いて患者の病を癒している。この“スピリット・ヒーリング”の場合には、治療家の“地上的自我である精神(現在の私)”は受け身の状態となっている。

治療家自身が病となった時は、この治療エネルギーを自分に向けることによって病を癒すことができる。自分で自分を治癒する「セルフヒーリングには精神統一と受容性」(1174③~④参照)が必要になってくる。このようにして自分で自分を治せる治療家は数多く存在する(到来231⑩~⑪参照)。

 

ウ、心霊手術

治療家はトランス状態となって、霊界の「霊医」に一時的に肉体を使用させる(→患者は意識を保っている)。「霊医」は外科手術の要領で治療を行う。この治療を「心霊手術(spirit operations)」という。心霊手術には「霊界の霊医が治療師と一体となって行う場合(→霊医は治療師の身体を完全に支配下に置いて、自分の身体と同様に自由自在に使用する)」と、「治療師の生体エネルギーを使って行う場合」とがある。両者とも直接に患者の肉体に対して物質次元での治療を施す(→腫瘍などの病変組織を取り出す)ことに変わりはない。

 人体の構造は霊的身体と物的身体(肉体)、そして両者をつなぎ留めている中間物質の接合体の三つの要素から出来上がっている。肉体に現れた異常部位は人体と同一形体をした接合体の同じ場所にも表れるので、一般にこの接合体の異常を外科手術の要領で取り除くと、肉体に表れた異常が治るという仕組みである(→フィリピンのトニーは直接“肉体の患部”を外科手術の要領で治療を施している)。

 物理的心霊現象の一つである心霊手術が1980年代のブラジルやフィリピンで行われていたのは、霊的風土が心霊手術を行うに適していたから。霊的実在の証明はその地の住民の程度(→教育水準、文化の程度、霊的なレベル)に合わせないといけないから、と言われている(9102⑦~⑬参照)。

 

エ、憑依霊の除霊

A、異常行動や病気の発症

物質界と霊的世界が接する界(中間境)の下層にいる「死の自覚がない地縛霊」や、幽界の下層にいる邪霊が、患者側(→霊的敏感者の場合)に存在する何らかの霊を引き寄せる“受け皿(→例えば薬物依存、自殺願望、強い憎しみなど)”に応じて憑依する。その憑依の結果、患者に異常行動を取らせるケースや、憑依霊が持つ病気が患者に発症するケースがある。

 

B、ウィックランド博士の事例

憑依霊の除霊治療では、アメリカの精神科医カール・ウィックランド博士による治療がよく知られている(近藤千雄訳、ウィックランド著『迷える霊との対話』ハート出版1993年。抄訳として田中武訳『医師の心霊研究30年』出版科学総合研究所1983年参照)。

 ウィックランド博士は患者が行う異常行動の原因は憑依霊にあるとして、患者に一種の電気ショックを与えて憑依霊を引き離す。そして患者から離れた憑依霊を、背後霊団のマーシーバンドが取り押さえて霊媒(ウィックランド夫人)にかからせる。霊媒に乗り移った憑依霊は、霊媒の口を使って博士と対話を行う。その対話の過程で憑依霊に死の自覚が芽生えて来て、マーシーバンドに伴われて患者から離れていく。このような方法で患者の異常行動や病の原因となっている霊を取り除いて治療を行った。ウィックランド博士が行った除霊治療は一種の“招霊実験の医学版”である。

 地縛霊は、霊的無知、誤った宗教的信仰、唯物的固定観念などが原因で「死の自覚」が持てず、霊的な波長に反応しないため周りにいる救済霊の姿が見えない(→肉体が無いにもかかわらず有ると思い込み、長年の習慣から肉眼で見ようとするため)。ウィックランド博士の霊媒はマーシーバンドという高級霊団によって保護されているので、地縛霊や邪霊を憑依させても害はない(→この除霊は霊界の霊団によるスピリット・ヒーリングのケース)。

 

C、除霊治療

一般的に行われている除霊治療には、形式や儀式偏重の傾向が見受けられる。この傾向につきシルバーバーチはキリスト教で行う悪魔払いの儀式を例に取り上げて、「ただの儀式として行うのであれば何の効果もない」「儀式は物的表現形式にすぎず、その反応はせいぜい精神の次元止まり、霊にまで及ぶことは滅多にない」(最後啓示92①~④参照)と述べる。

 

④、心霊治療の周辺部

ア、信仰治療

信仰治療は信仰の効用を利用して間接的に疾病を治療する療法で、「患者に対する治療行為が同時に信仰儀礼の一部」となっている点に特徴がある。M.エディ夫人(18211910米国)によってアメリカで創設されたキリスト教の一派、クリスチャン・サイエンスの信仰治療は良く知られている。

心霊治療(→スピリット・ヒーリングの場合)の治療主体は霊界にいる「霊医」。治療家は「霊医」と患者との間の通路となって、霊的エネルギーの変換器の役割を果たす。

これに対して信仰治療の場合は神や仏が治療を行うとされるので、病気を治すためには患者に強い信心が必要となる。そのため「病人に対してなされた祈りに効果がなく死が訪れたのは、まわりの者たちの信仰が充分でなかったためである」とされる。なぜなら「充分な信仰さえあれば神は彼らの祈りに応えてくれる」と教えられてきたから。

 イギリスの著名な心霊治療家ハリー・エドワーズ(1893年→1976年)は、患者が信仰を有していなくてもよい事例として「霊的治療が信仰治療ではないという証拠は、信仰を持つには若すぎる赤ん坊や子供が癒されるという事実によっても簡単に示される」。また本人が知らなくても「第三者からの依頼によって遠隔治療を受けるといった患者も存在する」をあげている(ハリー・エドワーズ著『霊的治療の解明』1984年、162頁~170頁参照)。

 

イ、暗示効果

精神状態を正すことで病を治す治療法として「偽薬(主薬を配合しない薬)」を使った治療がある。薬自体に何の作用がなくても患者は薬効があると信じて飲むと何らかの効果が生まれる(プラシーボ効果)。他に暗示法やイメージ法などがあるが心霊治療とは異なる。

19526月にハリー・エドワーズが盲人の目に心霊治療を施したら右目の視力が回復した。このケースに対して、英国医師会は「治癒は暗示に過ぎない」と述べた。この暗示に過ぎないという医学的説明に対して、エドワーズは「(英国医師会は)50年もの間の全盲状態の後、ただ見えますという暗示だけで視力が回復したとまじめに主張した」「(暗示だけで視力が回復するのならば)いったいなぜ、眼科医はもっと早くそれをしなかったのか、なぜ50年もほっておいたのか」と批判した(梅原隆雅訳『霊的治療の解明』168頁~170頁参照)。

 

ウ、補完・代替医療

伝統医学として、東洋医学(漢方)、気の医学(気功)、アーユルヴェーダ(→インドの伝統医学で心や体、行動、環境等の全体の調和が健康にとって重要とする治療)、ユナニ医学(→アラブ・イスラム圏の伝統医学で薬草や食事療法を中心とした治療法)などがある。また民間療法として、腹式呼吸法、カイロプラクティック、レイキ、ハーブ療法、食餌療法など数多くあり、いわば百花繚乱状態とも言える(→なかには迷信もあるので注意)。

 

3、心霊治療の背景

①、心霊治療のメカニズム

    

ア、「霊医」→「治療家」

治療エネルギー(→宇宙に遍満している霊的エネルギー:11213⑭参照)とは「賦活性をもった生命力の一種」(5127⑧参照)のこと。霊界の「霊医」は患者のオーラを診断して、「化学物質に相当する霊的素材」を一人一人の症状に合わせて“調合”し、治療エネルギーを作る(9174⑪、175⑥~⑨、最後啓示189②~⑤参照)。いわばスピリチュアル・ヒーリングはオーダーメイドの治療であり、準備は実際の治療行為の前に終了している。

それを霊的波長にも物的波長にも感応する治療家の霊的身体に、治療エネルギーの波長を落として潜在エネルギーの形で送る。治療家は送られてきた治療エネルギーを自身の霊的身体で「半物質的な治療エネルギーに転換」(最後啓示190⑥~⑧参照)する。

 

イ、「治療家」→「患者」

病を持つ患者は当然波長が低くなっている。そのため霊界からの高い波長を持った治療エネルギーを注ぐには、治療家の霊的身体を使って患者に合った程度まで波長を下げる必要がある(626⑥~⑪参照)。

治療家の霊的身体が持つサイキック・エネルギーと結合して中間物質に変換した治療エネルギーは、患者の霊と精神と肉体の三者が合一する場(639⑤~⑥参照)である松果体ないしは太陽神経叢を通って(640⑩参照)、患者の体内に流れ込んで全身に行き渡る。その時に患者は「電気的な温もりを感じる」(640⑪参照)。そのエネルギーが患者の「魂にカツを入れて居眠りの状態から目を覚まさせる」(9172⑫~⑬参照)。その結果、患者自身の肉体に具わっている自然治癒力が機能を発揮して健康状態を取り戻すことになる(9172⑭参照)。

 

ウ、テレパシーの使用

治療家と患者が対面していない場合(遠隔治療:absent healingdistant healing)は、患者側の“治療の申し込み”という思念が治療家のもとに届けられる。治療家が申し込みを受託した時点で、両者間にテレパシーによる“懸け橋”ができあがる。その“懸け橋”に乗って中間物質に転換された治療エネルギーは、患者の松果体ないしは太陽神経叢に送り届けられて、そこから全身に行き渡る(最後啓示191②~192⑦参照)。

 

②、治療エネルギー

ア、霊的・治療エネルギー

治療エネルギーとは「生命力の一部」であり「霊的エネルギーの一つ」(1128⑦、2108③~⑤参照)でもある。そのエネルギーが通路である治療家の霊的身体を通過して、患者の霊的身体に届けるのが心霊治療である(最後啓示69⑤~⑥参照)。

霊界の「霊医」は日頃から、治療家を通してどの程度の治療エネルギーが患者に送れるか、エネルギーの効果的な組み合わせはどれか等の研究を行っている(1130⑪~⑬、11149⑨~⑪参照)。なぜなら治療エネルギーは治療家の霊性によって制約を受けるから。ここから心霊治療家は流入する治療エネルギーの質量を高めるために、日常生活において霊性向上の努力が求められることになる(最後啓示70⑪~⑫参照)。

このような形で「霊医→治療家(通路、変圧器)→患者」と流れてきた治療エネルギーは、患者側に存在する「霊的無知、誤った生き方、誤った考え、高慢、自惚れ、嫉妬心、失望」(1134⑨~⑫参照)によって流入が拒まれてしまうことがある(→しばしば治療家は患者に治療エネルギーが入って行かず、跳ね返されると述べる)。

 

イ、治療効果

霊界の「霊医」から治療家がどの程度の治療エネルギーを受け取れるか、また患者が治療家からどの程度の治療エネルギーを受け取れるかは、さまざまな条件の下で治療が行われるので、やってみないとわからない。その時々の治療家の健康状態や、患者の霊的・精神的・身体的条件が、その患者に注入される霊力の質と量を決めることになるから(福音119⑩~120⑧参照)。

 心霊治療によって患者の病気が回復するということは、その背後に何らかの法則が存在しているということであり、さらに患者の魂がその法則を受け入れる時期に来ていることを意味する(247⑭~48②参照)。このような形で「本当の霊的治療が効を奏した時は、病はけっしてぶり返さない」(991⑫参照)。

なお心霊治療の目的は霊を目覚めさせることにあり、寿命を長引かせることではない。そのため寿命が来ている患者の場合には、治療によって魂が首尾よく肉体から離れるのを助けることになり、結果的に患者が死亡する場合も有り得る(最後啓示202⑧~⑩、9巻74⑪~⑬参照)。

 

③、心霊治療家側の問題

ア、治療家と霊界の関係

霊界側の協力を得るための最初の一歩は、地上人が行動で示さなければならない。まず真摯で献身的な治療家が正しい霊的法則に則って治療に当たっていることが必要である。この時の治療家は「サイキック・ヒーラー」に分類される。

この治療家の熱誠と霊性に、霊界の「霊医」が親和性から引き寄せられる(1172⑨~⑪参照)。そして治療家と「霊医」との協調関係が徐々に高まっていく。同時にその治療家のもとに、霊力を受け入れるだけの用意ができた患者が引き寄せられてくる(→患者本人による自発的な意思の発現という形をとって、霊界主導で治療家の下に連れてこられる)。

 

イ、治療家の霊性と治療エネルギーの関係

宇宙に無限に存在する“霊的エネルギー(治療エネルギー)”をどれだけ受け入れることが出来るかは、ひとえに治療家自身の霊的進化にかかっている。治療家の霊性が向上すればそれだけ受容性が高まるので、それに見合った良質の治療エネルギーが流入してくる(9103⑪~104⑧、最後啓示69⑨~70⑬参照)。そのためには「霊医」との調和状態を高めるために、治療家は可能な限り“理想に近づけた日常生活”を送る必要が出てくる。

このことから治療家に課せられた責務は、ひたすら自身の霊性を高めて良質の“治療エネルギーの受容能力”を増すことに尽きる。シルバーバーチは「現段階の地上界では、大霊の最高の治癒エネルギーは使用できません。治療家が霊的に向上するにつれて、より高いレベルのエネルギーが使用できる」(語る114⑨~⑪参照)と述べている。

 治療家の霊性を高めるということは、イラストで示した“本来の私という意識(=自我の本体、霊の心、魂)”に潜在している“神の分霊”を、“本来の私という意識”の領域により多く顕在化して行くこと(イラスト右)。顕在化率が高まれば治療家を流れる治療エネルギーの質が高まる。

 

ウ、受容力以上の霊的エネルギーが流れた場合

治療家の受容力が発達して、より高い運動速度・威力を持ったエネルギーに耐えられるようになると治療エネルギーは強度を増す(11149⑬~⑮参照)。流入する霊的エネルギーの分量に制限を加えているのは治療家の霊的発達レベルであり、それがどれだけの霊力を受け入れることが出来るかを決定づけるから(9171②~③参照)。なお強すぎる霊的エネルギーは治療家の霊的身体を通過する際に障害を引き起こす(11149⑬参照)。

 モーゼスの『霊訓』には「前節の通信(死刑制度を霊的観点から見た場合の誤り)が書かれた時の勢いはこれまでになく激しいものだった・・・書き綴っている時は手がヒリヒリし、腕ががくがくして、強烈なエネルギーが身体を流れるのを感じた。書き終わった時はぐったりとして横になるほど疲れ果て、頭の奥に激しい痛みを覚えた。そこで翌日さっそくその頭痛の原因を尋ねた」。このモーゼスの問いかけにインペレーターは「あの時の頭痛はエネルギーの強さと、それをそなたより引き出す時の速さが度を越したからである」(霊訓上46②~⑩参照)との記載がある。

 治療家の治療行為が、上記のような高い“霊的エネルギーの通過”に伴う症状に妨げられることなく行うことができれば、治療に一層の効果をもたらすことになる(→治療家の霊性が向上することによって、通路を流れる治療エネルギーの質が向上するから)。そのためには「霊医」から流れてくるより高い強烈な威力を持った治療エネルギーに、自らの霊的身体が耐えられるように治療家の霊性レベルを向上させる必要がある。そのためには自己犠牲を伴った利他的行為を行って、潜在している“神の分霊”を“本来の私という意識”の領域により多く顕在化させて、自らの霊的な受容力を増すことが求められてくる。

 

エ、治療家の仕事

A、治療家の営業活動

霊界とパイプのできた心霊治療家のもとには、いわば霊界側が“営業マン”となって患者を連れてくる。そのため治療家みずから患者を求め歩いて「病気を治してほしい人はいませんか」とか、「私は治療家です。どなたか治してほしい方はいませんか」などと(10142⑪~143②、1164⑩~⑫参照)、日常的に触れ回って“営業活動”をする必要はない。なぜなら霊界側が選んだ患者が、みずからの意志で治療家のもとを訪れるから。

なお治療家のもとを訪れた患者に対しては分け隔てなく心霊治療を施すが、施した後のことは患者自身の責任に帰する(1165⑪~66②参照)。治療家の責任の範囲は訪れた患者に対して治療を施すまでであり、患者が「仮に治療のあと間違った生活をしてさらに厄介なことになっても、それは患者自身の責任」(1167②~③参照)だから。

 

B、霊視能力や病気の診断能力

治療家の仕事に際して患者の“オーラが見える、見えない”は治療そのものとは何の関係もない。また病気の原因が診断できるか否かも関係ない(9179⑦~⑫、最後啓示194⑫~195⑤参照)。これに対して主役が治療家である“サイキック・ヒーラー”の場合は、これらの能力は治療家の仕事に何らかの形で役に立つかもしれない(→医師法違反にならない範囲で)。しかし主役が「霊医」である“スピリチュアル・ヒーラー”の場合は関係ない。むしろ親和性を高めて「霊医」が扱いやすい状態になることが大切である(9179⑧~⑨参照)。

 

C、治癒率について

数多い治療家の中には治癒率を誇る者もいる。心霊治療の目的やカルマの存在から考えてみれば、治療家が患者の病をどれだけ治癒させたか、という“治癒の成果”を誇ることは全く無意味なことである。

治癒率を誇る治療家には、心霊治療の主役は「霊医」であり“治療家は霊力の通路に過ぎない”という本質が抜け落ちていること。さらにカルマが絡んだ病気の場合には、カルマが解消する時期が到来(→霊的負債の完済時期)していなければ、治療家がいくら熱意を込めて治療しても患者の肉体に現れた病は癒えないということの理解がない。なぜなら心霊治療は“因果律の法則の枠内”で行われる行為であるから。治療家の行為は“実態(→患者が治る時期にあること)”と“外形(→実体が無いにもかかわらず患者にいまだ病が存在すること)”の不一致を解消することであって、奇跡を起こしているのではない。

 

オ、治療家の生き方の問題

治療家の患者を思いやる人間性は、自らの苦しみの体験から生まれてくる。治療家や霊能者の人生には共通したパターンがある。「必ず人生のどん底を味わい、もはや物質の世界には頼りにすべきものがないと諦めた土壇場で霊的真理との出会いがある」。このような絶体絶命の体験を味わうことによって霊的意識が芽生え、霊界との間にリンクができるから(1163⑭~⑮、121③~⑥、最後啓示34①~⑧参照)。人生のどん底を体験した治療家や霊能者は、現在どん底にある者の気持ちが良く分かる。相談者としての共感能力が高まるから。

 

カ、治療家は変圧器・コンデンサー

治療家は治療エネルギーが流れる通路であり、高い霊的波長を物的波長に変換するコンデンサーのような存在である(624⑤参照)。その治療エネルギーが治療家を通って患者に流入して乱れてしまった調和を取り戻すことになる。

 

キ、スピリチュアル・ヒーラーへの道

A、治療家は通路意識に徹する

治療家は霊的な受容性を高めて治療霊団との一体化を深めるためにも、個人的な感情を極力控えて無垢な状態を維持した“通路意識”に徹する必要がある(最後啓示71②~③参照)。ここから治療家は“通路としての高い品質を保つ(→霊性を高める)”ためにも、当然に日常生活のあらゆる面で自己コントロール(→自己修養)に徹する必要性が出てくる。シルバーバーチは「少しでも多くの霊力が流入するようにとの祈り以外のものがあってはなりません。あくまでも道具なのですから、自分勝手な考えを差し挟むことは許されません。霊力の流れの通路であること、それが治療家の仕事です」(最後啓示71③~⑥参照)と述べている。

 

B、「霊医」が使いやすい状態をキープする

治療家は「霊医」が使いやすいような状態を常に維持すること、霊力の通路であるという意識に徹すること、“道具”として完全になることを心がけること、このようなことが努力目標として求められる。日常生活の中で努力する、そのことが霊力の流れを豊かにする(9179⑧~⑪参照)。治療家の霊性が下がれば、「霊医」との波長が合わなくなるので質の良い高い治療エネルギーを受け取れなくなるから。

 治療家のもとにやってくる患者は病を抱えているため波長が低くなっている。このような患者と日夜接していると治療家自身の波長も患者に引きずられて低くなってしまうので、祈りや瞑想の時間を意識的にもって霊性レベルの向上に努める必要が出てくる(→何もせず感謝されていると落ちていくから、日々のメンテナンスが必要となってくる)。

上記のように治療家は「生活態度を可能な限り理想に近づける努力をしなければならない」(9173⑧~⑨参照)ので、スピリチュアル・ヒーラーへの道は厳しい。世の中には“自称スピリチュアル・ヒーラー”は多いが本物は少ない。

 

④、患者側の問題

ア、治療家と患者の関係

A、患者側の協力

患者は複数の治療家から遠隔治療を受けても問題ない(645⑩~⑬参照)。また患者が精神を統一して遠隔治療に協力することは、両者の波長の調整にプラスになるので治療効果が増す(7182⑧~⑬参照)。遠隔治療を行う際に時間を指定して行っても良い。しかし治療家の能力が一段と発達すれば、治療霊団との連絡がしっかりと出来上がるのでそれも不要となる(999⑬~100④参照)。

 

B、患者のうろたえの感情

心霊治療の最大の障害物は、患者の不安と取り越し苦労、そして“うろたえの感情”である。なぜならその不安や“うろたえの感情”が、治療エネルギーが通過する連絡通路を塞いでしまうから。霊力が一番よく働くのは受け身的で穏やかな雰囲気の時である(5128①~⑩、645④~⑨参照)。

 

C、病気治癒には条件がある

病気が治るためにはそれだけの霊的な資格がなければならないので、治らない場合は治るための霊的資格ができていないからと言える(9185⑤、186③~④、到来177⑫~⑬参照)。なぜなら患者には病気がきっかけとなって従来の生活を反省して、本来の生き方を学ぶ機会が与えられたのだから(1166④~⑤参照)、いわば病気は「魂の磨き粉」の役割を担っているから(→“本来の私という意識”に内在している“神の分霊”を、病という磨き粉を使って発現させているようなもの)。

治療家は患者側に存在する「治る時期の未到来」の問題や、病は「魂の磨き粉」という表現は、患者の精神状態を見ながらオブラートに包んだ表現で言うべきであろう。ストレートに言うと傷つけてしまうことになる。これは霊能者にも同じことが言える。低級霊の変化霊や想念霊の問題もあるので、安易に霊視したことをそのまま伝えると誤解を与えることになりかねない場合もある。

 患者の霊的成長段階によって、その人に注がれる治癒力の分量が決まるので(福音131⑮~⑯参照)、患者の魂に治療エネルギーを吸収する受け入れ態勢が出来ていない時は何の効果もない(到来151⑪~⑫参照)。治療家の責任は患者に治療を施すことであり、治療を施した後のことは患者自身の責任に帰すべき問題となる(1166①参照)。

 

イ、カルマと治る時期の問題

A、受け入れる段階にあるか否か

患者の中には“カルマ(霊的負債)”によって病が発症している場合がある。その肉体的苦痛が患者の霊的成長にとって不可欠の要素(→病が魂の磨き粉として必須)となっている場合で、目標とする成長レベルにいまだ達していなければ、いくら治療エネルギーを注いでも、いかなる治療家によっても治すことはできない。なぜなら患者の魂に治療エネルギーを受け入れる為の準備が整っていないから(1135⑧~⑩、619⑫~⑭参照)。

病とカルマとの関係から言えば、患者は“病という体験”を通して前世での霊的負債を返済しているので、完済しない限り治癒はあり得ない(1170⑪~⑮参照)。

 

B、「外形」を「実態」に合わせる

例えば銀行から借金してマイホームを購入した場合、銀行は購入したマイホームの土地と建物に抵当権を設定する。20年後に住宅ローンの返済が完了したとする(→これ以降、債務者は何時でも抵当権を抹消することが出来る)。これを心霊治療に当てはめれば、住宅ローンが完済となった時とは、カルマという霊的負債が無くなった時のこと。霊的負債を完済したので肉体に存在している病気は“治る時期が到来”したということになる。

しかし住宅ローンという借金を完済しても、登記簿上にはいまだ銀行の抵当権が付いたまま残っている(→病気は存在している)。この抵当権を抹消して始めて「自宅は完全に自分のものだ(→私の病気は完治し健康体に戻った)」と第三者に主張できる。

心霊治療家はこの「実態(→借金は完済した。病気の原因は消滅した)」と「外形(→いまだ自宅には銀行の抵当権が付いたままの状態にある。いまだ私は病気で苦しんでいる)」の不一致状態を正しているに過ぎない。いわば治療家は法務局に「抵当権抹消登記申請」をして、実態にそぐわない外形を正す行為を行っているようなもの。毎月の借金の返済(→カルマの解消の為に行う諸々の行為)はあくまでも“債務者である患者自身”が地道に行わなければならない。

 

C、病は魂の磨き粉

病と霊的エネルギーとの関係から言えば、魂がその反応を示す段階まで発達していなければ肉体への反応も起こり得ない。心霊治療が功を奏するためには、霊的エネルギーを受け入れるだけの態勢が、患者の魂に出来ていることが絶対条件となる。魂に受け入れ態勢が整うまでは往々にして“悲しみや病気がお伴をする”ことになる(→患者に伝える場合は慎重に)。なぜなら戦争ばかりしている地球人の極めて低い霊性レベルから見れば、病気は霊性の向上のための「魂の磨き粉(→磨き粉の粒子は粗い)」という位置づけになっているから。

心霊治療は最初に魂が癒され、その結果肉体が癒されるのが順序(622⑤~⑩参照)、つまり病気の原因が消滅してから肉体に表れた病気が無くなるということ。治療家は「治るべき条件の整った人を治しているだけ」(到来152⑦参照)とも言える。

 

◆出典及び主なスピリチュアリズム(Higher Spiritualism)文献

1.「シルバーバーチの霊訓、1巻~12巻」潮文社

2.「シルバーバーチの霊訓、スピリチュアリズムによる霊性進化の道しるべ」スピリチュアリズム普及会

3.「地上人類への最高の福音、シルバーバーチの霊訓」スピリチュアリズム普及会

4.「霊的新時代の到来、シルバーバーチの霊訓」スピリチュアリズム普及会

5.「シルバーバーチは語る」スピリチュアリズム普及会

  現在は新版「シルバーバーチの教え」上巻と下巻になっている

6.「シルバーバーチのスピリチュアル・メッセージ」ハート出版

7.「シルバーバーチの新たなる啓示」ハート出版

8.「シルバーバーチ最後の啓示」ハート出版

9.「モーゼスの霊訓、上」スピリチュアリズム普及会

10.「モーゼスの霊訓、下」スピリチュアリズム普及会

11.「インペレーターの霊訓(続霊訓)」潮文社

12.「霊の書」アラン・カルデック編、スピリチュアリズム普及会

13.「霊媒の書」アラン・カルデック編、スピリチュアリズム普及会

14.「永遠の大道」マイヤースの通信、スピリチュアリズム普及会

15.「個人的存在の彼方」マイヤースの通信、スピリチュアリズム普及会

16.「ベールの彼方の生活、1巻~4巻」、潮文社

17.「ブルーアイランド」、ハート出版

18.「迷える霊との対話」、ハート出版

19.「500に及ぶあの世からの現地報告」、スピリチュアリズム普及会

20.「霊的治療の解明」梅原隆雅訳、国書刊行会1984

 

*上記「118」近藤千雄訳

*潮文社は廃業、全て絶版。但し「1」は、アマゾンのオンデマンドで購入できる

*ハート出版、0335906077(全て絶版)

*スピリチュアリズム普及会、0532410537(自費出版、注文すれば届く)

 

 

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